ナパワインの最高峰と言ってもいいかもしれない...

私は入社当時カリフォルニアワインが嫌いでした。

大学を卒業して銀行に就職しましたが、某レストランでヴィノスやまざきのワインに出会い、ワインに魅せられ、銀行を退職して南フランスへ。
フランス語とワインを勉強して帰国。その後、ヴィノスやまざきに入社しました。
現在は、有楽町店長を務めています、買付隊の鶴見です。

私の人生を変えたワインは、フランスワイン。
さらにフランス語が出来るということで、買付けに同行する時も、常にフランス担当でした。

入社した2001年ころは、フランスワイン中心のヴィノスやまざきでしたが、だんだんカリフォルニアワインが店に並ぶようになり、売上も増えていきました。


1976年に、世界中のワイン関係者を震撼させた「パリ ティスティング」。
フランスのプロのよって行われたブラインド・ティスティングにおいて、カリフォルニア、ナパ・ヴァレーのワインが、フランスの最高級ワインを打ち破ったことで、世界中でナパのワインを扱うことが増えたのです。


しかし、ナパ・ヴァレーのワイナリーの多くは、大手の商業的なワイン。
有名ブランドは、観光目的の煌びやかなティスティングルームを持ち、味はたしかにボリュームはあるかもしれないが、私の知っているフランスの農家のワインとは違う。
当時の私は、カリフォルニアワインを認めようとはしませんでした。

そんな時に、買付け隊長から「鶴見君、カリフォルニア一緒に行かない?」と、声をかけてもらいました。
そこで連れていかれたのは、ナパの有名ワイナリーが立ち並ぶハイウェイ29ではなく、モントレーのぶどう畑。

ディアリッチの畑

この畑の持ち主リチャードさんは

「自分は農家。I am a farmer.」

が口癖で、何とほとんどのぶどうは、大手ワイナリーに卸しているということ。

しかし、自社の一番良い区画のぶどうでだけ、自分達のワインを造っている、という人でした。そのぶどうから造ってもらったのが「Dearichディアリッチ」。

その弾ける果実味と自然な美味しさに感動し、抜けるような青い空に向かい、

「I love California!!!!」

と、叫んだことは、今でもヴィノスの伝説だとよく言われます。


そんなリチャードさんに紹介してもらった、ナパ・ヴァレーのワインビジネスのプロ、シャヒンさん。
ぶどう畑の農家の人たちと深いパイプを持ち、自身でも「Stonehedgeストーンヘッジ」という素晴らしいワインを造っていました。

ナパ・ヴァレーのワインビジネスのプロ、シャヒンさん

今でも、シャヒンさんとヴィノスが一緒に造ったストーンヘッジ・メリタージュは、常に売り上げベスト5に入っています。

そんなシャヒンさんですから、ナパの有名ワイナリーともパイプが強く、いろいろな相談を持ち込まれていました。

ストーンヘッジのテイスティングルーム


ある時、超有名ワイナリー「HAVENS ヘイヴンズ」が倒産。

当時の経営者から、
「ワインのコンセプトも変えてもいい。このブランドを残したい。」
という相談を受け、シャヒンさんはHAVENS ヘイヴンズワインを譲り受けました。

そんな想いを引き継ぎ、「銘品 HAVENSヘイヴンズ」をぶどう農家たちとタッグを組んで、守ろう、と出来た「新生 HAVENZ ヘイヴンズ」が、現在のワインです。
ですので、HAVENSは、ナパ・ヴァレーの中でも「サブアペラシオン」と呼ばれる特別な地域の畑の葡萄で造っている、ワインランク上のナパワインなのです。

 

ヘイヴンズ レイクヒルズ  カベルネ・ソーヴィニヨン

今回、譲っていただいのは、Red Hills レッドヒルのカベルネソーヴィニヨン

カリフォルニアの北西部に位置する、マヤカマス山脈。
その中の一つレイク・マウンテンの麓にある、カベルネ・ソーヴィニヨンの聖地 Red Hillsレッドヒル。
その中のレイク・カウンティでは、高い標高と湖か吹くピュアな風が、素晴らしいぶどうを造り出します。

レイク・マウンテンの麓にあるぶどう畑

通常以上に厚い果皮、ボリュームのあるタンニン、そんなカベルネ・ソーヴィニヨンを完熟ぎりぎりまで待って収穫をし、ワイナリーで醸造するのです。

カベルネ・ソーヴィニヨンのぶどう

口に含むとスパイシーさやスモーキーさを感じ、厚い果皮由来のタンニンが味わいを引き締めています。
濃い赤、漆黒の色味もあり、黒い果実の完璧ともいえる完熟感。

完熟した果実のねっとりとした濃厚な果実味を、渋みがきれいに絡み合い、もう、美味しい!というより涙が出てきます。

ヘイヴンズ レッドヒルズ カベルネ・ソーヴィニヨン 2022|ヴィノスやまざき|ワイン通販

濃い、甘い、という一般的なナパ・ヴァレーのイメージとは一線を画していて、メチャクチャ美味しくて滑らかに口の中を滑っていきます。

ここまで高品質のワインが出来たのは、収穫が大変な山間部のぶどう畑のぶどうを使っているからでしょう。

マヤカマス山脈。 その中の一つレイク・マウンテンの麓にある、カベルネ・ソーヴィニヨン

HAVENS ヘイヴンズの創業者は、メルロー主体のワインを造り、一時は30万円という価格まで付きました。

なので、現在のHAVENSは「別物だ」と批判する人もいます。
ですが、シャヒンさんは、
引き継いだものの使命として、創業者を超えるワインを造り、いつまでもHAVENS ヘイヴンズを人々に愛される名ワインにしたい
という想いで、ナパの中でも最高級のぶどうで造っているのです。

そんな奥深いカリフォルニアワイン。
嫌いなどと言っていた自分が恥ずかしい。

ヴィノスやまざきの扱うワインには、通常のワイン業界の人たちが思いもよらない凄いワインばかりなのです。
それは、本気でぶどう畑のファーマーをリスペクトし、
それを丁寧に造る醸造家をリスペクトしているから。

今だから、私は自信を持って言えます。

I love California !

I love Vinos Yamazaki !

ヴィノスのワインに魅せられて入社した
買付け隊員#01
有楽町店店長 
鶴見明

 

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