
「テ・マニアはないの?」と指名買いされる方多いほど人気の蔵元「テ・マニア」。
実は今年3月、ヴィノスやまざき買付隊が現地ニュージーランドを訪れ、その人気の秘密を探ってきてはいたのですが、帰国してもテ・マニア商品の在庫が全くなく…その報告を商品が届くまでの半年間ずっと温めていました... 。
そして、ニュージーランド便がいよいよ到着!!!
ここぞとばかりに、私たち買付隊が惚れ込んだテ・マニアの魅力をお届けします!!

今年3月、向かったのはニュージーランド南島の最北端ネルソン地区。
赤土の大地が広がるオーストラリアから向かいましたが、ニュージーランド上空に入ると、青い海と緑の大地が広がってきて、まるで日本のようだと感じました。
ネルソン空港に到着したのは、ちょうど夕暮れ時で、ビーチの向こうにそびえるアーサー山の方角に夕日が沈むところでした。

実はこのネルソン地区、ニュージーランドの中でも最も日照量の多い地区として「サニー(sunny)・ネルソン」とも言われます。
その理由は地形にあるんです。
海のすぐ横から急斜面となっているので、少し登ると高台に出ます。
見てください、こんな場所なんです!

右から中心に向けて伸びている水色が、ネルソンの北に位置するタスマン湾、そしてそれを囲むように3方高い山に囲まれているのがおわかりですか?
山に囲まれているので、南から吹いてくる湿気を含んだ空気は一度山に当たって水分を落とすので、空気はとてもカラッと乾燥しています。山の上には雲が少し見えましたが、ネルソン地区の空は高い雲のみ!青々しい空が広がります。

 
そして、北側の海から涼しい風が吹き抜けるため、昼夜の寒暖差が大きくなり、糖度の高く、フレッシュな酸を合わせ持った香りよいぶどうが収穫できます。
山の向こう側にワイン産地として有名なマルボロ地区がありますが、テ・マニアの当主ラースさんは、このネルソン地区こそ本当に自然な造りでぶどう栽培ができると確信し、この地を選んでワイナリーを始めたそうです。
 
テ・マニアに到着しましたが、そこは眩しいほどの緑が広がる、まさに 「自然と共存する豊かな農園」 が広がっていました!

小規模の家族経営で、数人で畑の作業からワイン造りを行っているテ・マニア。
2010年から完全有機農法に移行し、地球にやさしく環境に配慮した自然派農法に取り組んでいます。5年間にも渡る厳しい審査で有名な「Bio-gro」という有機認証を取得した畑では、徹底的な手作業で健康的なぶどうが栽培されています。
※2025年10月から施行される有機JAS法の適用と入港のタイミングにより、2025年10月到着便の商品上では「有機」の表記をしていませんが、造りは以前と変わりません。 
 
畑の畝には、10種類以上の草花が。クローバーや食べると甘いプランテン(オオバコ科の植物)などがイキイキと育っていました。

地表にこの草たちが地表に根を張ることで、土の中の窒素量をコントロールしてくれるそうです。
窒素はぶどうの成長に欠かせない養分なのですが、多すぎると逆に成長を妨げることも。草を畑に植えることにより、窒素量をコントロールしてより凝縮したよいぶどうを収穫できるとのこと。
さらに、夏の間はこの草を食べる羊を畑で放し飼いにしておくことで、羊の糞などが肥しとなり、自然に土壌を豊かにすることができるそうなんです。
 
また驚いたのは、収穫前のぶどうが実る畑に、大きな大きなネットがかけられていたこと!

このネット、実は収穫前のぶどうを鳥たちから守るために設置しているんです。
通常の畑では鳥の嫌がる音や光の装置を使うことが多いそうなのですが、自然と共存するテ・マニアでは鳥にも配慮をして、鳥にもやさしく、ぶどうの実を守るのだそうです。
テ・マニアのラベルを思い浮かべてください。 
描かれているのは、ネルソンの地に根付く鷹、ハリアーホーク。

ぶどうを栽培するということだけを考えると、ぶどうを食べてしまう鷹は一見敵のようにも思えますが、自然と共存するテ・マニアでは尊い存在として大切にしています。
そよ風にのって飛ぶハリアーホークをラベルに描くことで、ネルソンという土地の自由でのびやかな環境とその自然の恵みへの敬意を表現しているんですね。
私たちが訪問した3月末はまさにぶどうの収穫前。
ソーヴィニヨン・ブラン種やシャルドネ種、そしてシラー種などが、溢れんばかりのぷっくりとした実をつけていました。

ぶどうの収穫には何回も立ち会ったことのある買付隊ですが、こんなにはち切れそうなぶどうの実を見たのは初めて!と驚きの声が出たほど。

実際収穫体験もさせてもらいながら、その自然の恵みの素晴らしさを体感してきました。
また、ワインを造る際にできるぶどうの皮は、コンポストへ。
羊のたい肥と混ぜ約6か月発酵させることで、臭いも消え良質な肥料となるそうです。

まだ細い若木を育てる際などに活用するそうです。
薬や肥料など人工的なものを使わなくても、様々な工夫により、自然の力をうまく引き出した、自然の恵みが詰まったぶどうができるのだなと思いました。

またラースさんのお庭では、鶏の元気な声が響く中、豊かに育つオレンジやりんご、西洋梨、いちじく、ざくろ、ハーブが!
ワンちゃんも緑の中で、元気に走り回っていました!

自然の力を引き出すことは、手作業でもちろん大変だけれども、それでも自然の恵みが実っていく豊かさがある、とお話いただき、深く感銘しました。
 
単なる「有機栽培」という言葉で片付けたくない…自然にとことん向き合い、そして植物とも動物とも地球とも共存していく蔵元「テ・マニア」の魅力を存分に感じた、テ・マニアの畑。
そのこだわりは、有名評論家も放っておくわけがありません!
「ニュージーランドでTOP10に入る生産者」と言わしめたほど。ニュージーランドの有名コンクール「ブラガトワインアワード」では、過去二度に渡りトロフィーを獲得するなど、多くの評価を集めています。

ですが、生産量がとてもとても多くないため、地元ネルソンでも限られたショップでしか取り扱いがないほど、手に入りにくい…
さらに世界からも注目されているので限られた在庫しかないとのことでしたが、ヴィノスやまざきの長年のお付き合いでお譲りいただき、テ・マニアのラインナップを買付けてきました!
人気のソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワール レゼルブほか、新入荷のロゼなど待望の入荷です!
自然のパワーが詰まったナチュラルワインを、存分にお楽しみください!
新米買付隊
吉田紗知

 
             
             
 
 
 
 
 
 
         
        