幻の熟成ワイン

今日「20歳の集い」が、各地で開催され、晴れ着や特別な装いの20歳の方々の希望に満ちた表情に、胸が一杯になります。
20年丹誠に育ててこられたご両親と共に是非、20年の思い出を語り合ってほしい。
そんな節目の時や、同窓会や、結婚記念日や、そんな時に「年代物」を楽しんで頂きたく、ヴィノスやまざきは蔵元を訪問すると、カーブの隅で大切に熟成されている「年代物」を、譲ってもらうことがあります。

フランスの蔵元のワイン庫

何十年も熟成できるワインは、元のワインがしっかりとしているワインでなければ熟成に耐えられません。
ですので、「年代物」と呼ばれるものは、フランスのボルドーやブルゴーニュに多く、そのほとんどを、仲買人と呼ばれる人達が熟成して市場に販売しています。
だから、熟成したワインは価格も高く、時にはオークションに出されるものもある位。
新ヴィンテージ(プリムール)の時は、仮に1万円だったワインが10年20年たつと、その二倍、三倍、いえ、それ以上の価格になってくるのです。

しかし、ヴィノスやまざきの「年代物」は、信じられない位に安い!と、良く言われることがあります。
それは、蔵元が自らの為に熟成していたワインを譲って頂くからなのです。
昨年、ヴィノスの買い付け隊は、世界を駆け回りました。
そして、やっとのことで譲って頂いたワインの1つが「サンジャン・ド・ベビアン2004」。
ル・プリウレ・ド・サンジャン・ド・ベビアン 赤 2004
買い付け隊員から「見つけました」と、興奮した電話がフランスからかかって来た時には、本当に驚きました。ヴィノスやまざきが31年前に、初めて南フランス、ラングドックルーションから直輸入した「ラングドックのグランヴァン」が、このベビアン。

しかし、数年前にオーナーと醸造家が変わってしまってからは、継続を悩んでいました。
エレガントで今風な味わいなのですが、私達は昔のあのベビアンの味が忘れられないのです。
もう二度と飲めない。買っておけば良かった…。
それが、2004年が手に入る。社内がざわつきました。
私は、もう会えないと思っていた子供に再会するようなそんな感動で、この2004年の入荷を待ちました。

フランスの蔵元スタッフと買付隊


シラーとグルナッシュ、ムールベードル。
典型的な南フランスの品種でありながら、ボルドーより、ローヌより力強く、そして溢れる果実味とパワフルなボディ、スパイシーさ。
忘れることのできないベビアン2004が入荷しました。
それも、成人の日に合わせて。

20年熟成したその味は、まだまだ元気でフルーティ、でも賛否両論あったあの強烈なパワーは柔らかく練れていて、本当に美味しい。
これぞ熟成ワイン、という味わい。
ぜひワインのプロの方にも、そしてワイン初心者の方にも、20年間の人生を思い出しながら楽しんで頂きたい幻のワインです。


そして昨年の買い付けでは、20年のお付き合いのシャトー・ベルグラーヴの造る、サンテミリオン・グランクリュの2007年。
シャトー・ベリーユ・モンドット 2007


また、ナパ・ヴァレーからは新時代のカルトワインともいえる、山の産地「スプリング・マウンテン・ディストリクト」にあるヴィンヤード7&8から、カベルネ・ソーヴィニヨンの2006年を。

ヴィンヤード7&8カベルネ・ソーヴィニヨン2006


そしてシャンパーニュからは、
家族経営でぶどう栽培からシャンパーニュを造る、RM(レコルタン・マニピュラン)のモンマルトのヴィンテージ・シャンパーニュ、ヴィノテーク(まさにワイン蔵という意味)も、極少量ですが、お譲り頂くことが出来ました。

モンマルトのヴィンテージ・シャンパーニュ、ヴィノテーク

「年代物だから、もっと高く売るべき」という業界の方々のアドバイスに反して(すみません!)ヴィノスやまざきは、蔵直価格で熟成ワインを販売することにいたしました。
お楽しみいただけたら、幸いです。

20年前にこのワインを飲んだ時のことが忘れられない
元祖買い付け隊長
種本祐子

この記事を書いた人

買付隊長 種本 祐子

買付隊長 種本 祐子

静岡県生まれ。1987年、実家である山崎酒店に入社。先代から受け継いだ「店はお客様のためにある」の思いで、フランスの無名産地より安くて美味しいワインの直輸入を決意。生産者の元を自分たちの足で訪問・交渉し、お届けする「蔵直便」のワインビジネスを始める。現在は取締役社長として、直輸入型ワインショップ「ヴィノスやまざき」を全国に展開する。日本ソムリエ協会認定シニアワインアドバイザーの資格を保有。

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