先日、ヴィノスやまざきの買付隊がフランスから帰国しました。
現地では収穫が終わり、蔵元たちは新たなワイン造りへと歩み始める、一年で最も活気あふれる季節を迎えています。
そんなワインシーズンの高揚感を皆さまにもお届けしたく、今月の銘醸スパークリングワインコースでは、アルゼンチン屈指の実力派スパークリングワイン「プロジェニー ナチュール」をご案内します。

ヴィノスやまざきのアルゼンチンワインを代表する蔵元といえば、カルロス・プレンタ。
しかし昨年、現地を訪問した際に私たちが驚かされたのは、マルベックでもなく、赤ワインでもなく、このスパークリングワインでした。
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵による伝統製法を採用し、36か月もの長期熟成を実施。

さらに、澱を瓶口へ集めるための動瓶作業まで一本一本手作業で行うという徹底ぶり。その品質は、高級シャンパーニュにも決して引けを取りません。
現地で私はカルロス氏に尋ねました。
「なぜスパークリングワインを造ろうと思ったのですか?」

その答えは、
「父のドン・アントニオが90歳の誕生日を迎える時、自分が造ったスパークリングワインで祝いたかったんだよ。」
その言葉に、このワインのすべてが詰まっていました。
アルゼンチン屈指の銘醸地「ウコ・ヴァレー」。

標高900〜1,200mに広がるこの地は、今や世界中から注目を集めるワイン産地です。しかし、その厳しい自然の中で土地を開墾し、最初にぶどうを植えた先駆者の一人こそ、カルロス氏の父ドン・アントニオでした。

父が切り拓いた土地と情熱を受け継ぎ、カルロス氏はアルゼンチンワインを世界レベルへ押し上げました。
そして、その父への感謝と敬意を形にしたのが、このプロジェニー(家系)でした。
当初は家族や友人たちと祝うために造られた特別なスパークリング。
しかし、そのワインを味わった人々から、
「このスパークリングは本当に美味しい。購入できないのですか?」
という声が次々と寄せられたそうです。
その反響を受け、カルロス氏は本格的なスパークリングワイン造りを決意しました。
地下セラーに足を運ぶと、静かに熟成を続ける無数のボトルが並び、丁寧な手作業による動瓶が続けられていました。

その光景からは、妥協なき品質へのこだわりがひしひしと伝わってきます。
今回お届けする「プロジェニー ナチュール」は、定番の「プロジェニー エクストラ・ブリュット」をさらに超えるプレステージキュヴェ。
本数は極めて少なく、カルロス氏の許可なくしては分けてもらえない特別な1本です。
長年パートナーとして歩んできた私たちだからこそ、今回特別に譲っていただくことができました。

使用するぶどうは、手摘み収穫のピノ・ノワール60%、シャルドネ40%。36か月の瓶内熟成によって生み出される泡は驚くほどきめ細かく、複雑で奥行きのある味わいを実現しています。
グラスに注ぐと、淡い黄金色に緑がかった輝き。
香りは青リンゴやフレッシュな果実から始まり、次第にバターやブリオッシュを思わせる熟成香へと変化します。口に含めば、クリーミーな泡立ちと上質な酸が見事に調和し、長く続く余韻が広がります。
これまで数多くの有名シャンパーニュをテイスティングしてきましたが、このプロジェニー ナチュールには、シャンパーニュにも匹敵する感動がありました。
だからこそ、その場でプレンタ氏に交渉し、「ぜひ定期便のお客様にご紹介したい」とお願いしました。
父への感謝から生まれ、多くの人々を魅了し続ける特別なスパークリングワイン。

ぜひ秋の味覚とともに、その物語と味わいをお楽しみください。
買付隊 福井
