先日、ヴィノスやまざきの買付隊はフランスを訪問してきました。
現地のワイナリーでは収穫を終え、蔵元たちが新たなヴィンテージの仕込みを始める、一年で最も活気に満ちた季節を迎えています。私たちもそんなワインシーズンの高揚感を皆さまにお届けしたいと思い、旬の食材が並び始める9月に合わせて、秋の味覚に寄り添う一本をご用意しました。
今月の銘醸赤ワインコースでお届けするのは、アルゼンチンの新たな注目蔵元「ヴィーニャ・アルテサーノ」が手掛ける初ヴィンテージのガザニア マルベック アレグロ2022です。

このワインとの出会いは、世界最南端のワイナリーの一つとして知られるオトロニアの生産者から、「新しいプロジェクトワインを造る蔵元が誕生したので、ぜひ味わってほしい」と紹介いただいたことがきっかけでした。
初めて試飲した瞬間、その品質の高さに驚きました!
凝縮した赤プラムや黒系果実の豊かな風味。
樽熟成由来のほのかなスモーキーさとスパイスのニュアンス。力強い果実味がありながらも洗練された酸を感じ、「ぜひお客様にご紹介したい」と思いました。
さらにもっとその魅力の秘密を知りたくなり、アルゼンチンを訪問した際には、彼らが所有するアルト・アグレロの畑を視察しました。

私が最も感銘を受けたのは、単なる品質追求にとどまらない自然との向き合い方です。
一般的には害虫対策として薬剤などを用いることもありますが、彼らは畑に外来植物を植えることで、ぶどう樹の天敵となるアリを自然に遠ざける取り組みを実践しています。

生物多様性を守りながら、畑そのものが持つ生命力を最大限に引き出す。
これまで聞いたことのないような、自然との共生を軸にしたワイン造りに感動しました。
そうした地域ぐるみの取り組みが評価され、アルト・アグレロは新たに地理的表示(IG)に認定された注目産地となっています。
ワイン名の「アルテサーノ」は、スペイン語で“職人”を意味します。

しかし彼らが大切にしているのは、人の技術だけではありません。畑に息づく植物や昆虫、生態系そのものを尊重し、その土地ならではの個性をワインに映し出すこと。
ラベルには畑周辺に自生する植物が描かれており、このワインには鮮やかな「ガザニア」の花があしらわれています。
そこには、この土地の自然環境と共に歩む蔵元の想いが込められています。
ヴィーニャ・アルテサーノ マルベックは、ただ濃厚なだけのワインではありません。
アルト・アグレロの大地が育んだ凝縮感あふれる果実味と、自然と共生する畑から生まれる繊細な酸、そして滑らかなタンニンが見事に調和しています。
グラスから立ち上るエキゾチックなスパイスの香りと、生き生きとした赤プラムの風味は、この土地のポテンシャルを存分に感じさせてくれます。
そして2022年は、アルテサーノがアルト・アグレロのマルベックとしてリリースした記念すべきファーストヴィンテージ。
これから世界的な注目を集めていくであろう新たな産地の可能性を、いち早く味わえる一本です。
自然を敬い、土地の個性を尊重し、職人たちの情熱によって生まれたヴィーニャ・アルテサーノ マルベック。
その魅力を存分に味わってください!
買付隊 福井謙一郎
テクニカルデータ
ヴィーニャ・アルテサーノ ガザニア マルベック アレグロ2022
地域:ルハンデクージョ アルト・アレグロ
品種:マルベック100%
醸造:フレンチオーク16ヵ月
