ワインの直輸入を開始し、ワインは「産地やブランドではなく造る人」が大事ということがわかり、無名産地でも高品質のワインに出会い、たくさんの方に喜んで頂けるようになりました。
しかし、どうしても足りないものがあり…それが「泡」でした。
泡の最高峰と言われるものが、フランス・シャンパーニュ地方で造られる「シャンパーニュ」はやはり、泡がきめ細かく、クリーミー。
これは、シャンパーニュ委員会が厳しい規定を設けているからなのです。
「瓶内二次発酵」そしてその後、瓶の中で最低15か月は熟成しなくてはいけないシャンパーニュ。
世界のセレブや王室晩餐会、また国際的なパーティでも彩を添えます。
有名ブランドのものですと、ドンペリニヨン3万円や、クリュッグ4万円など、大手の造る標準的なものでも6000円は下りません。
(ヴィノスのシャンパーニュは農家の手造り、手頃ですが)
毎日飲める価格で、シャンパーニュに負けない本格スパークリングワインを探したい・・・。
シャンパーニュ以外で瓶内二次発酵の泡を造るのが、スペイン・ペネデス地方の「カヴァ」というスパークリング。
「カヴァ」はカタルーニャ語で「セラー」という意味で、Cave(洞窟、ワイン庫)から生まれた言葉です。
そんなカヴァを探し、何度もスペインを訪れましたが、ほとんどは大手の大量生産...
あきらめていた時、わざわざ、日本までヴィノスを訪ねてきてくれたのモンマルサルという、蔵元さん。
家族経営で自社畑を持っているという彼らのカヴァを試飲してみると、今まで試飲してきたどんなカヴァより、いや、下手なシャンパーニュより美味しいかも!
モンマルサルの造るエクストレマリウムのおいしさに感動し、再度ペネデスを訪問しました。
訪れてみると、小さな造り手で、自社畑の葡萄を丁寧に収穫。
そして優しく圧搾しているので、とにかく葡萄果汁が綺麗で美味しい。
地元品種に加え、シャルドネという高級品種も使いフレンチオーク樽を使い、4か月の発酵。
もうこの時点で、ワインとして美味しい…さらに、ここからが驚きの熟成期間。なんと24か月から36か月も熟成。
それも普通の熟成ではなく、音楽家であるオーナーのサンチョさんが、自分の子供のように、ワインに音楽を聞かせながら熟成しているのです。
熟成している地下セラーは、天然の洞窟。
自社畑の葡萄の根っこが洞窟に中にへばりついていて、暗く、音楽がかかり、まさに幻想的な世界でした。
今まで経験してきたどんなシャンパーニュよりも手をかけ、長い時間をかけて造っている、このエクストレマリウムは、とにかく美味しい。
泡というよりムースのようにクリーミー。ワインの味もボディがあり、そして泡のきめ細かさは、多くのシャンパーニュより、ずっと美味しい。
私は、そう感じました。そして、このカヴァが2980円で飲めるという幸せ!
「ワインは産地でなく造り手」
ということをずっと信じてきたから。そして、応援してくださったお客様たちがいらしたから、このような素晴らしい造り手と出会うことができたと思うのです。
この30年間、本当に本当に頑張ってきたなあ、と、思うのです。
自分も、社員の皆も、造り手さんも。そうすると、時々、神様が奇跡をおこしてくれる。
このカヴァもそんな奇跡で出会ったスパークリングワイン。
そんな奇跡に感謝して、今夜もとびきりの一杯を楽しみたいと思うのです。
個人的な感想かもしれませんが、私のワイン人生40年で一番おいしいスパークリングワインなのです。
ファウンダー
種本祐子
PS:この蔵の「パラウ」という、只今1380円の特別価格のスパークリングも是非。
ワインパーティで、ほとんどの方が「シャンパーニュだよね。」と言って下さるコスパの泡です。