「白ワインの女王」と呼ばれる白ぶどう品種、シャルドネ。
世界中で栽培されていますが、フランスのブルゴーニュ地方がもっとも有名です。
私はフランス各地を巡り、このブルゴーニュに惚れ込んで、現地の醸造学校で学び、醸造に携わっていたほどのブルゴーニュワイン好き。現地にいた時は、数々の銘醸村も訪ね歩きました。
たとえば、世界最高峰のシャルドネの産地「モンラッシェ」。
有名生産者や特級畑のワインでは、1本数万円~数十万円するものも珍しくありません。
でも、モンラッシェはそれくらい、何物にも代えがたい美味しさ・・・
そう思っていました。
帰国後、ヴィノスやまざきで、あるシャルドネに出会うまでは・・・
それが、「修道士のシャルドネ サンセザール」。
熟した白桃のような透明感あふれる果実味を、上品な樽の香りが優しく包み込んでいる。
濃いのに、こんなピュアなワインが造れるなんて・・・一体なぜ?
その理由は、「販売のため」のワインではないから。
このワインは、カンヌ沖にある小さな修道院の島で、修道士たちが造るワイン。
島を訪れた巡礼者や、修道士たちのお祈りための特別なワインです。
修道士たちは、「神に労働を捧げるため」にぶどう栽培とワインの醸造を行っています。
自然農法でぶどうを育て、手摘みで収穫し、ぶどうはプレスせずに、自然に流れ出た一番搾り果汁(フリーランジュースと呼ばれ、量は少ないが、旨みが凝縮し雑味が少ない)を使う・・・
販売のためではないからこそ成せる業です。
もともとこのワインを飲むためには、修道院に巡礼に行くしかありませんでした。
しかし、どうしても日本のお客様にお届けしたい・・・
ヴィノスやまざきは、1995年に初めて彼らと出会ってから、現地に何度も足を運びました。
そして、ヴィノスやまざき創業の地である静岡市とカンヌ市が姉妹提携だったご縁で、当時の静岡市長からカンヌ市長を通じ、彼らのワインは初めて島を出て日本に来ることになったのです。
それ以来、現地フランスでも一般に流通しておらず、入手困難なこの修道院のワインを、年に一度、ほんの少しだけ分けていただいております。
モンラッシェは希少ですし、もちろん美味しいです。
ですが、この「修道士のシャルドネ」は恐らく、それ以上に手に入らない希少なワイン。
さらに味わいも・・・いえ、どちらがお好みかは、ぜひご自身で飲み比べてみてください。
そして、ご感想をお聞かせくださいね。
寺田
【プロフィール紹介】
フランス各地を巡り、ボーヌにある国立醸造学校を卒業。帰国後は、生産者の想いをお客様に届け、日本でもワインをもっと気軽に楽しんで欲しいと、ヴィノスやまざきに入社。豊富な知識を活かし、買付から社員教育まで、幅広い業務を担当中。ピノ・ノワールとシャルドネの試飲力は、ブルゴーニュのプロからも高く評価されている。