先日、スペイン・ポルトガルに買付けに行ってまいりました、買付隊・保坂です。
1週間で多くの蔵元を回りましたが、中でも印象に残っている蔵の1つは、タンデム。

タンデムは、知る人ぞ知るスペインの秘境の産地「ナバーラ」で2003年に創業した蔵元。
オーナーのホセ・マリア氏とパートナーで醸造家のアリシアさんが力を合わせて立ち上げました。
「タンデム」は、「2人で」という意味と、「ついに」という意味を持つ、ダブルミーニング。
このエリアを代表するワイナリーでワイン造りに取り組んでいた2人が、この畑を選び、そして醸造施設を一から造って、「ついに」たどり着いた到達点、という想いが込められています。

ナーバラは、スペインの有名ワイン生産地「リオハ」に隣接していますが、乾燥した砂漠のエリアから山深いエリアまで様々な表情を持っています。

その中でもタンデムが位置する渓谷は大西洋に近いため、海の影響を受ける大陸性気候。北向きの畑には、風が吹きつけ、涼しいのが特徴です。
また、標高約650mと高く、冬には雪が降るほど!

一方で夏は非常に暑くなりますが、夜が涼しいため、ぶどうの成熟が非常にゆっくり進みます。
収穫は南部地域よりも3~4週間ほど遅いのですが、完熟した質のよいぶどうが収穫できるのです。

アリシアさんは、35年以上の醸造経験を持ち、30年以上に渡りナバーラのワインを造り続けている、このエリアを知り尽くしたベテラン醸造家。
(訪れた際にはホセ・マリアさんは不在にしており、アリシアさんとホセ・マリアさんの息子さんが迎えてくれました。そっくりでびっくりです!)
そんな彼らが目指すのは、「最小限の介入=ぶどう本来の個性を引き出す」こと。
できる限り自然なワイン造りを心掛け、自然な栽培、野生酵母、最低限度の酸化防止剤の添加など、ぶどう造りからワイン醸造まで徹底しています。
オーガニック認証はあえて取得していないそうですが、オーガニックでぶどう栽培を行っていました。

タンデムのエレガントでフレッシュなワインは、このように質の高いぶどうから造るから実現しているんですね!
また、高度の違いで、重力を利用する事で、絞ったジュースを醸造や熟成につなげるグラヴィティシステムも採用していて、ぶどうにストレスをかけないことを徹底します。
ヴィノスやまざきとの出会いは、15年以上前にさかのぼります。
当時買付隊がスペインを回っており、長年のパートナーであるバルバス(ボデガス・バルバス|ヴィノスやまざき|ワイン通販)を訪問したところ、ぜひ自分たちのワインを飲んでほしい!とわざわざ訪ねてきてくれたのです。

飲んでみると、「果実の自然な味わいがすごい!」と感動し、日本のお客様にご紹介する事に。
ヴィノスやまざき最大のワインイベント、蔵の祭典にも参加し、お客様からもご愛顧いただいておりました。
ですが、コロナ渦はなかなか現地を訪れることができず、疎遠になっていました。
そんな中、
「どうしても日本のお客様にもう一度ワインを届けたい。ぜひ私たちのワインを試飲してほしい!」
と、ホセ・マリア氏から熱烈なラブコールをいただきました。

改めて飲んでみると、その美しく、果実の風味あふれる味わいに二度目の感動!
更に品質が向上しており、日本への輸入再開を決定したのです。
そのことを伝えると、ホセ・マリア氏も涙を流して喜んでいました。
本当にヴィノスのお客様が大好きなんだな、と改めて共にワインを届けていくことを話し合いました。
一昨年の蔵の祭典では、念願かなっての来日!
日本のお客様に直接ワインをお届けすることができる喜びをかみしめていました。
本日ご紹介するワインはタンデムの味わいとコスパの高さを感じさせるワインです

ボデガス・タンデム インヴォカ
ナバーラが得意とするガルナッチャ種100%のコクあり赤ワイン。
完熟しつつも、高標高のきれいな酸も併せ持ちます。
全て手摘みで収穫し、6か月フレンチオークの木樽で熟成。

木樽の香りに続いて、口に含むと果実味が鮮烈で、酸と渋みはまろやか!
非常にきれいな仕上がりに驚いた(ガルナッチャなのに!)、力強いテロワールを表現した山岳ワインです!
15年越しに現地を訪れ、その品質の高さに改めて感動しました。
この味わいは自然な味わい、注目が高まること間違いなしです!
スペイン買付隊 保坂