ボルドーワインの最高峰を超える、別次元のワイン

漫画「神の雫」や、星付きレストランでのおすすめ、またワインの評価誌などでご存知の方も多い、シャトー・ムーラン・オーラロック。
そんなムーラン・オーラロックこそ、ボルドーの農家シャトーの代表です。

ボルドーの商取引に反旗を翻し、偉大なワイン(グランヴァン)造りにこだわる、小さな家族経営の農家シャトー。
長年ご愛顧頂いているお客様には、「エルヴェさんのワイン」で親しまれています。


出会いは今から30年ほど前、ボルドーの有名ワイン産地・サンテミリオンやポムロールに近いのに、無名な村であった「フロンサック」に素晴らしいワインがあると聞き、訪れたのがきっかけです。

シャトーと言っても、いわゆる観光用の大手シャトーとは違い、ティスティングルームもない、畑の前に醸造所とご自宅があるだけ。
でも、葡萄栽培から醸造まで一貫して行う「農家シャトー」は、これが当たり前なのです。

価格がどんどん跳ね上がっていくネゴシアン(新酒を買い取り、熟成させてから高値で販売するワイン商)を通じて取引するボルドーの商習慣に疑問を持っていた、先代のジャン・ノエル・エルヴェさん。

実際に飲んで下さるお客様にワインを販売する、カビスト(酒屋)やレストランのソムリエに、年代物のワインでも高い価格を付けることなく、直接ワインを販売していました。
つまり、ワインを大切に扱い、その先のお客様の顔が見える商売をしていない所には卸さないのです。



ヨーロッパワイン評価誌「vinum」でペトリュスやオーゾンヌ(数十万~100万円以上も)と同等評価を得るようなワインなので、取引を希望するところは多いのですが、
「なかなか手に入らない…」
と嘆く小売も多い、頑固でこだわりのある商売。

さらに、エルヴェさんは、自分のシャトーだけでなく、栽培や醸造技術を多くの仲間に共有し、フロンサックの品質向上委員会の会長として地域のワインの品質向上にも尽力してきました。

ヴィノスやまざき買付隊長・種本祐子が初めて現地を訪問した時、ヴィノスやまざきの「お客様の声を大切にする」という方針を聞いて、「貴方たちが来るのを待っていた。」と、どこにも販売せずセラーで熟成していた年代物を卸して下さりました。

その後、ヴィノスやまざきの静岡本店を訪れ、磯自慢等を育てた先代の山崎巽と意気投合。
まるで、兄弟のように同じ考え方で仕事を行っていた山崎巽を尊敬し、「なかなか卸してくれない」ことで有名な、ムーラン・オーラロックはヴィノスやまざきの格となるワインになったのです。

     
シャトー・ムーラン・オーラロックのぶどう畑は、非常に良いテロワールを所有しています。
地質は表面が粘土質、その下に石、粘土石灰質地が広がる地層。
さらに、風がよく吹きぬけるので、葡萄が小粒になり、より凝縮した味わいに仕上がります。


フロンサックでは珍しく平均樹齢65~70年の古木が多く、ぶどうに傷がつくと酸化リスクがあると、葡萄はすべて手摘み。この地区ではとても珍しいのです。


エルヴェさんは、”ワインクレージー”と言われるくらい、自らの舌でぶどうの完熟度を確かめ納得するまで収穫しません。
そして、醸造所ではボルドーでも使用している蔵が少ないと聞く、ルモンタージュ(ポンピングオーバー)を採用。葡萄に圧をかけず、心臓が血液を送り出すように、やさしくぶどうを傷めない方法で撹拌をしています。

発酵中は、なんと寝袋を醸造所に持ち込み、発酵の音を聞きながら、醸造のタイミングを身体中で感じ、タイミングを計ります。

また先祖は樽を造っていた樽屋だっただけに、樽の質にも非常に厳しく、厳選した3種類の樽を使用。樽発酵、樽熟成を丁寧に行っているのです。

 

今回、2011年というご家族用に取っておいた、亡きエルヴェさんが造った素晴らしいワインを少量譲って頂きました。

シャトー・ムーラン・オーラロック 2011|ヴィノスやまざき|ワイン通販

ワインスペクテーターは「最高に価値あるワイン」として90点を付け、
ロバート・パーカーは、いつもながら突出した素晴らしいワインと絶賛。
また、その他デキャンタ マガジンやVINUM、ジャンシス・ロビンソンなどが称賛した2011年のムーランオーラロック

長い熟成を経て柔らかく、ビロードのような風味。
ワインの縁は色が抜けてきており、暖かい色合いで今でも熟成感も楽しめますが、蔵元からはまだあと15年位熟成するポテンシャルがある、とも。
将来への投資として、お買い求めになられる方もいる位、未来を期待できるワインです。

ヴィノスやまざき買付隊全員が、それぞれに「自分にとっての最高峰」というボルドーワインを持っています。
それは、ペトリュスだったり、バルチュスだったりしますが、このワインだけは、最高峰を超える、いや、他のワインとは比べられない、別次元の素晴らしいワインだといえます。
ヴィノスやまざきにとっての心、と言って良いワインなのではないでしょうか。

ワインはビジネスではない…
農業であり、時代を経て熟成する、人知を超えたお酒…

徹底的に飲んで下さる方の為に努力する、
ここまでという壁はない、
そんな商売の本質を先代の山崎巽と共に教えてくれた、ジャン・ノエル・エルヴェ氏の魂のワインを是非お楽しみください。

フランスワイン買付隊
有楽町店 店長
鶴見 明

この記事を書いた人

買付隊 鶴見 明

買付隊 鶴見 明

フランスワインが好きすぎて、某地方銀行を退職。ヴィノスやまざきの存在に触発され、その数年後の1999年の夏に単身語学留学。場所は当店フランスワイン直輸入発祥の地、スペインとの国境沿いのワイン産地「ラングドック・ルーション地方」。片道30㎞以内は自転車で蔵元を巡り、すっかり南フランスのワインの虜に。2001年9月末に帰国後、早速ヴィノスやまざきに履歴書と入社への熱いメッセージを送り、同年12月25日からアルバイトとして渋谷店にて勤務を開始し、現在に至る。J.S.A.日本ソムリエ協会認定 ソムリエ、SSI認定資格 唎酒師の資格を保有。

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