ヴィノスやまざきの有楽町店は2007年10月12日にオープンしました。
全店舗の中で一番大きなお店で、有楽町駅前の丸井地下のイトシアというフードフロアにあります。
店内奥の半地下部分は、気楽に試飲できるだけでなく、ワインセミナーも開催できるワインバースペース。
今では人気ビストロの目黒エガリテのシェフ監修料理やコーヒーハンターで有名なホセ川島さんのコーヒーと共に、ワインが楽しめるBIY(bring it yourself :店内のお好きなワインを持ち込める形式)となっています。
オープンしてから17年、本当に色々なことがありました。
最近では、ワインバーで生産者がセミナーを行い、セミナー後に買って帰れる、というというイベントは珍しくなくなりましたが、当時はワインスクール併設のワインショップの走りのような形で、多くの生産者がここから有名になっていきました。
その第一号が、ボルドーの大人気ワイン「レイニャック」。
実業家として有名なイブ・ヴァテロ氏が
「ボルドーのグランヴァンに負けない、ボルドー1のワインを造る」
と宣言し、その後本当にワインコンテストで五大シャトーを超えるNO.1を取ってしまった蔵元です。
今は皆さんよくご存じのワインとなりましたが、当時は現地でこそ話題になっていても、日本ではまだまだ無名。
そんな、無名でも素晴らしいワインを皆さまに知って頂きたい、と作った有楽町店なので、
「有楽町店でセミナーをやりませんか?」
と、ヴァテロさんを有楽町店にお招きしたのです。
ですが、「ソムリエ対象ではなく、普通のお客様にワインをご紹介する。」というのが初の体験で、最初は首を縦に振らなかったヴァテロさん。
しかし、有楽町店の「こけら落とし」は、レイニャックしかないと説得し、ワインセミナーが行われました。
すると、立ち見の方が出るまでの人気ぶり!
そんな大盛況のイベントに、ヴァテロさんもびっくりしていました。
そして、そこに集まって下さったお客様たちの応援によって、その後レイニャックは常に当店の売り上げトップ10に入る人気ワインとなったのです。
今では、レイニャックの上のクラス、「バルチュス」というメルローの極みのようなプレミアムワインも人気となり、さらにお客様からの要望で自然派の認証も取り、人気はまだまだとどまるところを知りません。
先日、ヴァテロさんが来日された時も、この時代から応援して下さったお客様が「同窓会」とばかりに、沢山集まって下さいました。
そんな、「ここでイベントをやると、絶対に人気ワインになる」という、伝説の有楽町店のワインバーで先日は、ウルグアイのガルソンと、アルゼンチンのオトロニアの蔵元が来日し、ワインセミナーを開催しました。
南米の果てにあるガルソン。
そして南極大陸に一番近いオトロニア。
そんなところで、素晴らしいワインが造られていることすら、知っている人は多くはありません。
しかし、その品質に感動し、南米まで何度も買い付けに行ったのが、買い付け隊の福井。そういえば、有楽町店の第一号の店長でもありました。
有楽町でデビューしたレイニャックが今や人気ワインとなったように、
福井買付隊も、そしてガルソン、オトロニアも、今後世界レベルの人気ワインに育ってくれることを信じています。
有楽町店は、そんな不思議な力のある店なのです。
え?何故ここに店を出そうとしたのか?って。
本当に運命なのです。
有楽町はお仕事帰りの方がふらりとガード下で飲んだり、歌舞伎座や帝国劇場帰りの方や銀座でお買い物をされた方などが、気楽に立ち寄る場所。
ここでワインを広めたい。と、強く思ったのです。
何が建つのかもわからない囲いの前に立ちながら感じた、
「ここで生産者とお客様をつなぐ場を作りたい」
という想いは、テレパシーのようにイトシアに伝わり、それから一週間後、まさかの
「ここでワインショップやりませんか?」
という、お話を突然頂いたのです。
そんな縁と運に恵まれた有楽町店。
これからも、金の卵の生産者が続々ワインセミナー開催予定。
誕生祭の有楽町店にご期待下さい!
ファウンダー
種本祐子