10月某日、ボジョレー・ヌーヴォーの造り手「頑固おやじ」ことパスカルさんのヌーヴォーの、今年の味わいを決めるアッサンブラージュ(=ブレンド)を、現地とオンラインで繋いで行いました。
ちょうどこの日、「大手ワイナリーのボジョレー・ヌーヴォーの初荷が羽田空港に到着」とのニュースが!しかし、私たちが輸入しているこだわりの造り手のヌーヴォーは、完熟を待って収穫したため、ワインが出来上がってすらいませんでした・・・
そもそも、なぜ「アッサンブラージュ」するのか?
ヴィノスやまざきでは、日本のお客様にご納得いただける味わいのヌーヴォーを造るために、パスカルさんと共にブレンドを行っています。例年は現地に赴いて、区画の違う畑のぶどうを使った6~7種類のタンクサンプルを試飲し、最終的な味わいを決めるブレンド(=アッサンブラージュ)を行います。
(現地でのアッサンブラージュの様子)
しかし、現地への訪問はまだ難しい状況が続いているため、パスカルさんにようやくワインになったばかりのタンクサンプルを日本に送っていただき、日本とフランスを繋いでアッサンブラージュを行いました。
果たして間に合うか・・・!?
実は、今年はぶどうの生育が過去に例を見ないほどゆっくりと進み、収穫が約2週間遅くなりました。
私たちがご紹介するヌーヴォーの蔵元は、自ら畑を耕し、ぶどうを丁寧に育てる匠の造り手。
「ヌーヴォーの美味しさは、ぶどうで決まる。万一、解禁に間に合わないことがあっても、ぶどうの完熟をギリギリまで待ってほしい・・・!」
そんな当店からの強いリクエストで、例年より10日以上遅いアッサンブラージュとなったのです。
初の試み!今年はなんと3つのブレンド!?
さらに今年はなんと・・・地域ごとに3種類のワインを造り上げることになりました。
静岡本店が今月オープンした「キュヴェ・静岡」。
来月銀座店がオープンする予定の「キュヴェ・東京」。
そして、WEBショップを中心に全国のヴィノスやまざきで販売する「キュヴェ・ユウコ」。
緊張の瞬間・・・アッサンブラージュがついに始まりました。
果たして、一体どんなヌーヴォーに出来上がったのでしょうか・・・!?
「キュヴェ・静岡」は、静岡の食とマリアージュする、和食やお魚にも合うようなエレガントな味わいで、まるでブルゴーニュワインのよう。
「キュヴェ・東京」は、ボルドーワイン好きの店長が、濃厚なワイン好きのお客様にも楽しんでいただきたい!と、力強い口当たりと渋味も感じる、ボルドーワインのようなヌーヴォーに仕上げました。
しかし、「キュヴェ・ユウコ」だけが、なかなか決まりません。
全国の最も多くのお客様が手に取られるワインだからこそ、全員が納得する味わいに仕上げなければ・・・
様々なブレンドを試しましたが、納得のものが出来上がりませんでした。
今年は「キュヴェ・ユウコ」の発売は無理かもしれない・・・
そんな風に誰もが思い始めたとき、買付隊長の種本が、一つのワインを試飲してほしいと言いました。
一口飲んでみると、赤い果実の香りと、口の中で広がる完熟したぶどうの果実味がたっぷり感じられ、まさにこれこそボジョレー・ヌーヴォー!といった印象です。全員一致で「これがヴィノスのボジョレーだ!」と納得をしたワインでした。
一体、どんなブレンドをしたのか・・・!?
買付隊長に尋ねると・・・
なんとこのワイン・・・最も果実味が強い「タンクNo.6」を100%で仕上げたものだったのです!
「アッサンブラージュは、お客様に納得していただける美味しいワインを造ることが目的。今年はこのタンクの出来がダントツで良いのであれば、それをブレンドせずにお客様に届けることも、勇気ある決断ではないでしょうか。」
まさかの「アッサンブラージュをしないアッサンブラージュ」に、必ずいくつかのワインをブレンドして仕上げるものだと考えていた店長一同は、目から鱗が落ちるような気持ちでした。
今年は一波乱ありながらも、納得のいくブレンドができたと、パスカルさんからもお墨付きをいただきました。
「こんなに味わいが変わるのか!?」と思うほど、それぞれ味わいの違いがありますので、今年は飲み比べを楽しむ「3本セット(※ご予約のみ)」が断然おすすめです。ぜひ店長たちの自慢のブレンドを飲み比べていただければと存じます。
解禁まで、すでに1カ月弱!
楽しみにお待ちいただければ幸いです。
商品部 保坂
【プロフィール紹介】
大学卒業後新卒採用で入社。スーパーの売場作り、海外買付のかばん持ち、武蔵小杉店・仙台店の立ち上げ店長を経て、挫折の中から「川上から仕入れたワインを売るのではなく、お客様に喜んで頂く商品を開発することがミッション」と開眼、現職に。お店を支える裏方として、ヌーヴォーの仕入れにも奔走中!