「オーガニックワインありますか?」
 というお問い合わせを、数年前からよくいただくようになりました。
  
 地球環境や人、社会に配慮した「エシカル消費」や、「健康」への関心が高まる中、ヴィノスやまざきの店頭でも「オーガニックワイン」がじわじわ人気を集めています。
  
 しかしながら、
 「オーガニックワインは酸味が強く感じる…」
 「独特の香りが苦手…」
 こう感じた経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
  
 じつはオーガニックワインは、化学肥料や保存料の使用を抑える反面、健康なぶどうを育て、ワインを劣化から守ることがとても難しいワインなのです。
  

 本日は、「オーガニックワイン」をテーマに、
 ■そもそも、オーガニックワインとは?
 ■おすすめの1本:本当に美味しいオーガニックワインを求めて…
 ■いろいろな種類のオーガニックワインを飲み比べたい!そんなときは
 をご紹介いたします。
 
 
 ■そもそも、オーガニックワインとは?
  
 オーガニックワイン、ビオワイン、ビオディナミ…
 似たような言葉がたくさんあり「結局、違いがよく分からない」という声をよく耳にします。
  
 日本では、フランス語のビオロジック(有機)を略した「ビオ」に、「ワイン」をつけて「ビオワイン」と呼ぶことが多いですが、実は「オーガニック(有機)ワイン」のような明確な定義はありません。
 
 「オーガニックワイン」は、化学肥料を使わず、有機栽培のぶどうによって造られたワイン。
 日本で販売する際に「オーガニック(有機)ワイン」と名乗るためには、政府や認証団体から、「オーガニック(有機)」の認証を受けている必要があります。
  
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 ただし、認証を受けていないワインでも、農薬や化学肥料を極力使わず、自然なぶどう栽培を行っている農家や蔵元もたくさんあるため、「認証を受けていない=体に良くない」という訳ではありません。
  
 また、認証を受けるためには、膨大な時間と労力、コストがかかります。
 このため、ヴィノスやまざきで取り扱う蔵元の中には、基準は満たしていても、あえて認証を申請しない蔵元もあるほどです。
  
 そして、その「オーガニックワイン」を造るための有機栽培の方法として
 ・ビオロジック(有機)農法
 ・バイオダイナミック農法(フランス語でビオディナミ)
 など、さまざまなぶどうの栽培方法があります。
  
 通常のビオロジック農法から、さらに一歩進んだ厳格な栽培方法が、「バイオダイナミック農法」。
 化学肥料や農薬を避けるだけでなく、月の満ち欠けなど天体のリズムに合わせて畑仕事を行い、自然の物質を使った堆肥を用いて、畑やぶどうの潜在能力を引き出します。
  
 
 ■おすすめの1本:本当に美味しいオーガニックワインを求めて…
  
 美味しいオーガニックワインを求めて、ヴィノスやまざきの買付隊が訪れたのは、カリフォルニア北部のワイン産地「メンドシーノ」。
 全米の中でも、ぶどうの有機栽培が盛んな産地として知られています。
  
 この地で、40年以上ワイン造りを行ってきたDNAヴィンヤーズの醸造家、デニス・パットンさんと共に造り上げたオリジナルワインが、「トゥルーヴァイン」シリーズです。
 (→「トゥルーヴァイン」の誕生秘話はこちらから)
  

 
 「トゥルーヴァイン」を造る際、買付隊はデニスさんに、このように伝えました。
  
 「日本では、オーガニックワインは苦手、美味しさ重視ならオーガニックワインを買わない、という声さえある。オーガニックなら何でもいい訳ではなく、美味しさは絶対に譲れない。」
  
 そこで、もっともこだわったのが、ぶどう選びです。
 No.1~No.4まで4種類ある「トゥルーヴァイン」は、それぞれ、デニスさんが長い醸造経験の中でパイプを築いてきた、信頼のおける栽培農家のぶどうを使用しています。
  
 中でも、ぶどう選びがもっとも難航したのが、No.4の「バイオダイナミック・レッド」でした。
  

 
 デニスさんが紹介してくれたのは、メンドシーノの中でも、ぶどうの質に定評がある「ゴールデン・ヴィンヤード」という、バイオダイナミック農法を行うぶどう農園。
  

 
 デニスさんに話を聞くと、
 
 「有機農法では、基準を満たしたものであれば、農薬や肥料を買ってきて使用することができる。
 でもバイオダイナミック農法では、自分の農園の外から持ち込んだものは、一切使用できないんだ。
 だから、自分たちで育てた家畜や果物から造った堆肥を使って、ぶどう畑の土を健康に保つ。
 すべてが自分の農園の中で完結していて、循環しているんだよ。」
  
 と教えてくれました。
 
 
 実際にゴールデン・ヴィンヤードのぶどうを使ったワインを試飲させてもらい、
 「これがオーガニックワイン!?果実味があって、濃厚…!」と驚いた買付隊。
 
 しかし、バイオダイナミック農法は、他の有機農法と比べても手間とコストがかかるため、ゴールデン・ヴィンヤードのぶどうを使ったワインは、5000円をゆうに超えてしまうものもあります。
  
 買付隊は、
 「日本のお客様にどうしてもお届けしたい。オーガニックワインのイメージを変えたいんです!」
 と交渉を重ね、3500円(税別)という価格での輸入が実現しました。
  

 
 ■いろいろな種類のオーガニックワインを飲み比べたい!そんなときは
  
 「トゥルーヴァイン・バイオダイナミッック・レッド」の他にも、ヴィノスやまざきが選んだ“美味しいオーガニックワイン”を「優しい味わいのオーガニック赤ワイン5本セット」としてご用意いたしました。
  

 自然なぶどうの旨みをたっぷり感じるオーガニックワインを、ぜひお楽しみください。
  
 ソムリエ 本島

 
             
            


 
         
        