アメリカの主要ワイン産地の一つ、カリフォルニアで深刻な水不足が発生しています。
ヴィノスのパートナーの生産者たちは、果たして・・・!?
さっそく現地の状況を伺いました。
Yes, we are in the middle of a very serious drought. On the 15th of May, we may lose all of our ability to pump water from the Russian River. We have some water in storage ponds, but it is only 50% of what we need. It's going to be a difficult season for us.
(干ばつの状況は深刻です。5月15日には、ロシアン・リヴァーから水をくみ上げることは出来なくなるでしょう。貯水池にはいくらか水がありますが、必要な量の50%しかありません。難しいシーズンになりそうです。
― ネルソン・ファミリー・ヴィンヤード クリス・ネルソンさんより)
カリフォルニアの中でも、彼らのヴィンヤードがあるワイン生産地「メンドシーノ」や、そのお隣の「ソノマ」で特に深刻な状況です。これらの地域では、4月末に緊急事態宣言が発令され、水の使用量の40%削減が義務付けられています。
その一方で、ネルソン・ヴィンヤードのクリスさんからは、こんな知らせも届きました。
I have attached photos of the Orange Muscat and Merlot. You can see the "baby grapes". They will begin to flower soon and the vineyards will smell very sweet.
(オレンジ・マスカットとメルロの写真を送ります。小さな赤ちゃんぶどうが見えますね。まもなく花が咲いて、畑が甘い香りに包まれるんですよ。)
クリスさんによると、実はこうした干ばつは、決してめずしいことではない、とのこと。
過酷な環境を耐え抜いて、この小さなぶどうが立派に成長してようやく、ヴィノスでも人気の甘口ワイン「オレンジ・マスカット」ができるのか・・・と思うと、農家たちの大変さが改めて身に沁みます。
(4月30日時点での畑の様子)
メンドシーノは、全米で最も自然なぶどう栽培が行われると言われる産地。
ネルソン家も、自然環境に配慮したぶどう栽培とワイン造りを行っています。
栽培農家として高く評価される彼らのぶどうは、カリフォルニアの有名ワイナリーも御用達とのこと。
通常ですと、彼らのぶどうは、数年前からその売り先がすでに決まっていて、お願いしてもすぐに分けてもらえる訳ではありません。今ヴィノスのお店で人気の「オレンジ・マスカット」の甘口ワインも、果実味たっぷりでまろやかな赤ワイン「メルロ」も、現地を訪問し、ぶどうの段階から予約することで、特別な価格で日本にご紹介することができました。
「メルロ」については、現地で試飲とディスカッションを重ね、ぶどうだけでなく、さらに樽での熟成期間も指定して、完成させました。
なかなか日本にいると、ぶどう農家たちや、干ばつのことまで考える機会は無いかもしれません。
でも、ヴィノスやまざきは、ぶどう農家たちから直接買い付けているからこそ、彼らがぶどう栽培とワイン造りを続けられるよう、これからもワインで生産者たちを応援したいと思います。
ワインを楽しむことが、何よりも生産者たちの力になります。
応援の気持ちを込めて、私も今週は、彼らのワインを楽しみたいと思います。
Cheers!
保坂
【プロフィール紹介】
秋田県出身。JSAソムリエ。ドイツワイン上級ケナー。 大学卒業後新卒採用で入社。大手ワイン企業を蹴って入社したことから、最初は図に乗っていたかも・・・と反省。スーパーの売場作り、海外買付のかばん持ち、武蔵小杉店・仙台店の立ち上げ店長を経て、挫折の中から「川上から仕入れたワインを売るのではなく、お客様に喜んで頂く商品を開発することがミッション」と開眼、現職に。 座右の銘は「謙虚 感謝」。 東北出身者として今なお、地元の復興支援を応援。復興支援ワイナリーのサポートにも取り組む。