日本ソムリエ協会が毎年行っている、ワイン資格の登竜門「ソムリエ」と「ワインエキスパート」。
まもなく10月12日(月)には二次試験が控えていて、試験を受けるヴィノススタッフも、今まさに勉強中です!
この二次試験では、銘柄を隠して試飲し、ぶどう品種や産地を推測する「ブラインド・テイスティング」形式で行われます。
「テイスティングの練習といっても、どうやったらいいか分からない・・・」
という悩みは、ワインの勉強をはじめた誰もがぶつかる壁。
試験を受ける方に限らず、テイスティングの簡単なコツを覚えて、自分にぴったりのワインが見つけられるようになったら、レストランやワインショップでのワイン選びがぐっと楽しくなるはず。
そこで本日は、「インターナショナル・ソムリエ・ディプロマ」の資格も持つワインのプロ・四家ソムリエに、テイスティングのコツを聞いてきました。
Q.ワインを飲み始めたけどもっと知りたい!という方に。テイスティングのコツは?
ワインは楽しむもの。
それでも、ちょっとしたワインの知識を身につけておくことは、テイスティング上達の近道です。
たとえば、まず覚えておくと便利な、気温と味わいの関係をざっくりと言うと、
「温かい産地=濃いワイン」
「涼しい産地=すっきりしたワイン」
ワインは、その土地の個性を色濃く反映する飲み物。
温かい地域では、ぶどうがよく熟して、色も濃く、濃厚な味わいに。
逆に涼しい地域では、色も淡く、酸味がキリっとした上品な味わいになります。
たとえば、フランス国内でも温暖な南フランスのワインは、濃くて果実味たっぷり。
当店の直輸入第一号ワイン「レゾリュー赤ラベル」は、その典型です。
一方、同じフランス国内でも、北部でより涼しいブルゴーニュ地方のワインは、色も淡くてエレガント。
当店でロングセラーの「ブッフェ・ブルゴーニュ・ピノ・ノワール」がまさしく当てはまります。
私はよく、地図を広げて、その国や産地の気候や、自然環境(日照量、降雨量、標高、海風の影響など)を思い浮かべていました。そして、その地域ではどんなぶどう品種が植えられているのかといった情報を整理します。
そうすることで「どうしてこのような味わいになるのか?」というワインの本質により一歩近づくことができ、テイスティングもより有意義なものにできると思います。
Q.試験を受ける方へ。試験まで時間がない!そんな時、とにかく抑えておきたいポイントは?
まずは、主要なぶどう品種の特徴をしっかりと抑えることが大切です。
やみくもにテイスティングするのではなく、ぶどう品種の特徴をまず把握し、国や産地の違いでどのように違ってくるのかを知ることが、一番の近道です。
たとえば「メルロ種」なら、原産地でもあるフランス・ボルドー地方は外せません。
豊かな果実味、程よい渋みをもったバランスよい王道のボルドー産メルロならば「シャトー・ド・レイニャック」。
一方、ボルドー地方よりも温暖で、雨が少なくぶどうの熟成期間が長いカリフォルニアのメルロは、タンニン(渋み)を感じさせないほど、より熟した果実味を前面に感じる味わいになります。
そのお手本ともいえるのが、「ウォーターストーン・メルロ・ナパ・ヴァレー」。
ぜひ飲み比べてみてくださいね。
▼主要なぶどう品種のワインはこちらから
・カベルネ・ソーヴィニヨン>>
・ピノ・ノワール>>
・シャルドネ>>
ワインテイスティング用の本も書店で売られているので、今年は受けていないけど試験に興味があるという方は、是非、手に取って読んでみてくださいね。テイスティングは、下準備が大切です。
Q.どこでテイスティングするのがおすすめ?
プロを目指す場合は、ワインスクールやワインセミナーなどで、プロのソムリエの方たちにテイスティングの表現方法を教わることで、正しいテイスティングの知識が身に付いていきます。
でも、ワインスクールやセミナーはちょっと・・・という方は、ソムリエがいるレストランやワインバーで、実際にお話を聞きながらテイスティングするのが良いと思います。
ヴィノスやまざきのバーカウンター(※)もおすすめですよ!
(※現在バーカウンターは有楽町店、西武渋谷店、新静岡セノバ店、京都店の4店舗で営業しております。要予約。)
自宅で、1人で練習するのもいいですが、1人ではどうしても自己流になりがち。
そんなときは、ご家族やご夫婦で話しながら、またはワイン仲間を集めて楽しく議論しながら行うと、色々な人の感想が聞けて、よりテイスティング力が身につくはずです。
Q.テイスティングにまつわる失敗談はありますか?
ワインのテイスティングの際は、飲みすぎには注意しましょう・・・!
私も、つい美味しくて飲み過ぎてしまって、せっかくテイスティングしたワインの味を全て忘れてしまった・・・なんてことも!
たとえば私の場合、「最初の30分間だけは集中して、ワインのテイスティングコメントをしっかりと残し、残りはワインをゆっくり楽しむ」と決めています。
このようにMyルールを決めて、有意義なテイスティングにすることが大切です。
Q.最後に一言!
ワインを楽しむこと!
これがワインのテイスティングでは一番大切なことだと思います。
まずは、そのワインを自分が好きかどうか。
そして、好きであれば、どの部分が好きなのか。
「この桃みたいな香りが好き!」とか、「この樽の風味が好き!」など。
「この強い酸味は苦手だな・・・」など、その逆もしかりです。
その後に少し分析に踏み込んで、「どんな気候だと、こういう味になるのかな?」など、そのワインの特徴を探っていくという風にテイスティングを行っていくことが、上達の近道なのではないかと思います。
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WEBショップでは、同じ品種を飲み比べるセットや、産地ごとのワインセットもご用意しております。
是非、ご自宅でじっくりテイスティングに挑戦してみてくださいね。
ソムリエ 本島
【プロフィール紹介】四家 史一
2012年ヴィノスやまざき入社。営業部でレストランへのワイン提案を担当した後、武蔵小杉店、広尾店、西武池袋店の店長を歴任。ワインへの情熱は人一倍で365日テイスティングを重ねる勉強家。現在ソムリエ・エクセレンス、WSET Diploma合格を目指して勉強中!英語・アラビア語も対応可能なトリリンガル。コーギー(犬)が好き。
2015年 ソムリエ取得
2018年 シニア・ワインエキスパート取得
2018年 ASI International Sommelier Diploma取得
2020年 第9回全日本最優秀ソムリエコンクール本戦出場
【プロフィール紹介】本島 彰子
2010年ヴィノスやまざき入社。学生時代はほとんどワインを飲まず、ヴィノスやまざきの「ソレイユ」に衝撃を受けて入社。広尾店店長、商品部にて輸入業務を担当した後、現在はWEB・マーケティングを担当。JSA認定ソムリエ、SAKE Diploma、WSET Level3。WSET Diploma受験中。