本格赤ワインが美味しい秋にじっくりとお楽しみいただきたい、とっておきの一本があります。
それが「コロ by Vinos&DNA」。
先日、ある常連のお客様から「このワイン、この間飲んでからすっかり気に入ってしまって」と、うれしい声をいただきました。
そのお客様は、もともとフランスのボルドー地方のワインが特にお好きで、フランスワインばかりを飲まれていたそう。カリフォルニアのワインは「果実味が強くて、甘く感じる」というイメージがあって敬遠していたそうなのですが、店頭ですすめられてこのワインを飲んだところ、カリフォルニアワインのイメージがガラリと変わったのだと教えてくれました。
熟したベリーを思わせる豊かな果実味に、心地よい樽の香り。
ジンファンデル種を主体に、古木のぶどうも一部使用し、収穫量を抑えることで生まれる果実の凝縮感。
カリフォルニアのジンファンデルは、煮詰めたジャムのような甘みを強く感じるワインも多いのですが、この「コロ」は、完熟ぶどうのギュッと詰まった旨みだけでなく、ほどよい酸味と複雑味もある。
最近では「ヴィノスのナパワインが手頃で美味しい」と言っていただくことが多いのですが、このワインは、カリフォルニアの中でもナパ・ヴァレーではなく、メンドシーノという地区のワイン。
ナパ・ヴァレーに比べてまだ知名度が高くないので、その良さをもっと知っていただきたいけど、なかなか難しい・・・そう感じていたところ、お客様から先ほどのうれしい声をいただき、どうしてもご紹介したいと本日のブログで書かせていただくことにしました。
このワインが生まれるメンドシーノ地区は、ナパ・ヴァレーより北部にあるワインの産地。
海に近く涼しい気候で知られるメンドシーノは、豊かな自然に囲まれ、景色が美しいだけではなく、ぶどう栽培の最先端を行く地域でもあります。
全米でも有機認証を受けたぶどう畑の面積が最も広く、オーガニックやサステイナブル(持続可能な)農法で、質の高いぶどうを造っています。多くのぶどう農家が、ナパ・ヴァレーの有名ワイナリーにぶどうを提供しているのですが、自分たちのぶどうから質の高いワインも造っています。
当店が30年前に初めて輸入したカリフォルニアワインは、実は、当時まだ無名だったメンドシーノのワインでした。
そのワインは、オーナーの世代交代などで輸入できなくなってしまい、その後輸入をはじめたナパ・ヴァレーのワインが大ヒット。
しかし、当初輸入していたメンドシーノの赤ワインは、他の産地にはない、しっかりした果実味とスパイシーさがありながらもナチュラルな味わいで、「あのメンドシーノのワインをもう一度飲みたい」という多くのお客様のお声をいただいてきました。
そんな声にお応えしたく、買付隊はメンドシーノに・・・
そこで数十年ぶりに再会したのが、醸造家のデニスさんでした。
デニスさんとは、当店がメンドシーノのワインを初めて輸入した時からの長いお付き合い。
メンドシーノで長年に渡りワイン醸造家として活躍し、メンドシーノの多くのぶどう農家とネットワークを持っています。
デニスさんは、ぶどうをナパ・ヴァレーなど有名産地に卸すだけでなく、自分たちのワインを造り、その質をもっと多くの人に知ってもらえたら・・・その思いで、醸造指導も行うなど、地域の他のワイナリーもリードしてきた、メンドシーノのパイオニア的存在です。
そんなメンドシーノの農家たちが「自分たちのぶどうからワインを造ろう」という動きの中で生まれたのが、「コロ(CORO)」というワイン。
ジンファンデル種を主体に、後は自由に他の品種をブレンドし、そのワイナリーのトップクラスのワインを「コロ」と名付けることができるのですが、審議会による厳しい審査があり、5人の審査員全員が認定しなければ「コロ」とは名乗れません。こうした試飲による厳しい審査があるワインは、全米でも他に類を見ません。
そして、買付隊長・種本とデニスさんが「いつか自分たちのコロを造りたい」とお互いに語っていた夢が、ついに実現したのが「コロ by Vinos&DNA」。
メンドシーノの中でも、さらに山奥の秘境の畑で、デニスさん自身が育てたジンファンデルを使用し、味わいのディスカッションを重ねて造り上げた、世界でもただ一本の特別な「コロ」です。
現在ご案内している「畑直送ワイン6本セット」では、本日ご紹介した「コロ by Vinos&DNA」だけでなく、他のメンドシーノのワインをはじめ、畑から買い付けたぶどう栽培農家のワインがお楽しみいただけます。
隠れた銘ワインの宝庫メンドシーノのワインを、ぜひお楽しみください。
ソムリエ 本島