ヴィノスやまざきと、アレハンドロ・ブルゲローニの挑戦
本日のブログでは、私たちヴィノスやまざきと、ワインに情熱を注ぐある一人の男の、2つの挑戦についてお話ししたいと思います。
当店では、たとえ無名の産地であっても、美味しいワインがあると聞けば、地球の裏まで足を運んで買い付けます。そのため、長年ワイン業界で働いてきた私たちですら、時々「この国でも、ワインを造っていたんだ!?」と驚かされることも。
その一つが、現在店頭で大ヒットとなっているウルグアイの「ガルソン」。著名ワイン専門誌で世界TOP100ワインにも選出されるなど、世界のバイヤーから熱い視線を集める蔵元です。
彼らの看板ワイン「ガルソン・タナ・レセルバ」を初めて口にしたとき、「グラスの底が見えないくらい濃い・・・味わいも凝縮していて抜群に美味しいけど、それだけでなく、酸味と渋みとのバランスの良さもある・・・これはいける!」と確信。
しかし当時は、ウルグアイのワインなんて聞いたことがなく、ソムリエ協会の教本にも載っていませんでした。
果たして売れるのか・・・?
そこで、試しに定期便と、当店が2年に一度開催している試飲イベント「蔵の祭典」でお披露目をしたところ・・・あっという間に人気に!
最初はもの珍しさから飲んでいた方も多かったのですが、次第にリピートする方が増え、口コミでどんどん広まり、大ヒット商品へと成長していったのです。
そんなガルソンですが・・・
そもそも、無名の産地であったウルグアイの地で、世界に名を轟かせるワインが生まれたのはなぜか?
その陰には、ある一人の人物のワインにかける情熱がありました。
その人物が、アレハンドロ・ブルゲローニ氏です。
南米を代表する実業家であるブルゲローニ氏は、ワインをこよなく愛し、出身地のアルゼンチンをはじめ、世界各国のワイナリーを手がけてきました。
南米のワインといえば、チリやアルゼンチンを思い浮かべる方が多いかと思いますが、これらの国に隣接しながらも、ほとんど注目を浴びることがなかったウルグアイのワイン。もともとウルグアイのワインは、ほとんどが国内で消費されてしまい、あまり輸出されることはありませんでした。
しかしながら、ウルグアイでその大自然を目にしたブルゲローニ氏は、一目で「この場所なら素晴らしいワインが出来るに違いない」と直感。世界の銘醸地を知り尽くした彼が、当時まだほとんど注目されていなかったウルグアイのガルソン村で、自ら切り開き、立ち上げたのが「ボデガ・ガルソン」なのです。
私自身も、日本から20時間以上かけて実際に現地を訪問し、かなりの衝撃を受けました。
海から内陸に向かって、幾重にも連なる丘に広がるぶどう畑・・・
ガルソンは、環境に配慮したワイン造りを行っていますが、ワイナリーとぶどう畑の周りには、手つかずの大自然がたくさん残っていて、これほどまでに自然と調和したワイナリーは、初めてでした。
ガルソンの畑は、なんと1,000以上もの区画に細かく分けられ、それぞれの区画にあったぶどうが植えられていて、徹底的に管理されています。
地形が複雑すぎて、隣の区画でも、日当たりや土壌が異なり、ぶどうの出来が違うとのこと。
ここまでするのか・・・と衝撃的すぎて言葉を失っていたところ、「正直大変だけど、全ては美味しいワインを造るためだよ。」と笑顔で教えてくれました。
世界中を飛び回る多忙なブルゲローニ氏ですが、実は昨年、直接お会いすることができました。
話を聞くと、「日本のパートナーには、数々の無名産地のワインも大ヒット商品に育て上げてきたヴィノスやまざきしか考えられないと思っていた。」とのこと。
仕事に没頭しながらも、家族を何よりも大切に思う彼は、何か自分の大切なものを子供たちに残したい・・・と思い、自分のワイナリーを持つことに決めたのだそうです。
「だからこそ、本当に良いワインを造りたいんだ。」と語っていたブルゲローニ氏。
ビジネスマンであるブルゲローニ氏ですが、ワイン造りに関しては、ビジネスとしてではなく家族への愛情が込められている。だから、あんなに美味しいワインができるんだ・・・そう実感しました。
ヴィノスやまざき有楽町店にて(中央)アレハンドロ・ブルゲローニ氏(左)ボデガ・ガルソンのワイナリー最高責任者
そして最後に、ブルゲローニ氏はこう切り出してきました。
「そんな君たちに、実は新しく紹介したいワインがあるんだ。」
こう言って、おもむろに取り出したのが、彼が手がける新作ワイン・・・
イタリア屈指の銘醸地トスカーナを代表する産地キアンティの「ドゥエ・アルビエ」と、バローロやバルバレスコにも並ぶ三大銘ワイン産地の一つモンタルチーノの「ブリッツィオ」。
さっそく試飲をしてみると・・・どちらも濃くて美味しい・・・!
11世紀から続く歴史あるワイナリーを、ブルゲローニ氏が買い受けたことで、未来を見据えて次世代に受け継いでいくため、ここでも環境に配慮したワイン造りを行っています。
それでも、もちろん美味しいことが大前提。
土地や品種の個性を引き出した旨みあふれるワインに、買付を決意しました。
こうして新たに出会ったワインたちを、今月ようやく、日本で初めてお披露目できることになりました。
この新着ワインたちは、ブルゲローニ氏が手がける他のワインと共に、WEB限定の「アレハンドロ・ブルゲローニの挑戦セット」でもお楽しみいただけます。
突撃買付隊はこれからも、美味しいワインがあればどこへでも、世界の裏側までも駆けつけます!
今年の秋冬も、とんでもない面白い産地から、新しいワインが到着するかも!?
私たちと蔵元の挑戦は、まだまだ続きます!ご期待ください!
突撃買付隊 ソムリエ 福井