【蔵直Ⓡワイン定期便】11月こだわり白ワインコース

時が経つのも早いもので、もう11月も半ばを迎えました。
まもなく2025年の新酒、ボジョレー・ヌーヴォーも解禁となり、来月にはクリスマスと、ワインの季節が到来します!

ヴィノスやまざきでは、これからの本格的なワインの季節、現地から生産者を招いてのイベントも盛りだくさんです!ワインを造ってくれている生産者から直接その美味しさの秘密を聞ける機会ですので、ぜひ一度ご参加いただけますと幸いです。
https://www.v-yamazaki.co.jp/collections/event

今月のこだわり白ワインコースは、ボルドー地方フロンサック地区で代々ぶどう栽培を行う、当店では30年以上のお付き合いのあるシャトー・ムーラン・オーラロックの白ワインです。頑なに赤ワインだけを造っていた生産者が当店のお客様のために造り始めた白ワインの最新ヴィンテージをお届けします。

シャトー・ムーラン・オーラロック白2023

 ストーリー

ボルドーのシャトー・ムーラン・オーラロックは、ボルドー右岸のメルローを主体とする赤の銘醸ワイン。

有名なワイン雑誌で、50万円もするシャトー ペトリウスと同点という高評価を獲得を取ったこともあれば、ワインの漫画「神の雫」にも掲載されたこともあります。

シャトー・ムーラン・オーラロック
前当主、ジャン・ノエル・エルヴェさんのワインの対するこだわりは半端なものではありませんでした。
フロンサックという小さな村で、収穫量を落とし、自分達の手作業の葡萄の選別まで何度も行います。
そして、最近のワイン発酵はコンピューターで温度管理されていることが多いですが、エルベさんは寝袋を醸造所に持ち込み、発酵の音を聞きながら、醸造を行うというワインクレージー。

シャトー・ムーラン・オーラロックの前当主エルヴェ氏
さらに、プリムール(新酒)でネゴシアン(ワイン商)に売るわけではなく、自分達のカーヴで飲み頃になるまで熟成。
10年前後熟成させて、本当に美味しくいただけるタイミングで、顔が見えるお得意先様だけに、手頃な価格で提供してくれるのです。

そんなエルヴェさんと、ヴィノスやまざきとは親戚のような蔵元。
先代の山崎巽の頃から、言葉は通じなくても分かりあい、信頼しあってきました。
     
エルヴェさんの後を継いだ現当主トーマも、お父さんに負けない職人気質。
お父さんの手法を引き継ぎ、葡萄の畑の手入れ、葡萄の選別、醸造、全て自分の手で手掛け、お父さんに負けない、素晴らしいワインを造ってくれるようになりました。

シャトー・ムーラン・オーラロックの前当主エルヴェ氏と現当主トーマ氏

ある時、そんなトーマに、日本の母のような関係の種本祐子が、宿題を出したのです。

「お父さんは造らなかった白ワインを造ってほしい。」

種本によると、
「あの土壌は、サンテミリオンとも似ている土壌。
シュヴァル・ブラン(ボルドー右岸、サン・テミリオンのトップシャトー)のような素晴らしい白ワインができるポテンシャルがあるのでは、と。
それに加えて、トーマの情熱にかけてみた。」
とのことでした。

それから、トーマは葡萄の樹を植えるところから手掛け、2019年、初の白ワインが出来上がりました。

シャトー・ムーラン・オーラロックの白

数量は本当に少しでしたが、2019年、2020年と宿題の白ワインは届き、種本他、ヴィノス専門家委員会も試飲して輸入をすることになりました。

その時の、専門家委員会の鑑定は、
「よく出来ていて綺麗。すっきりとしてドライ。よく出来た白ワイン」
でした。
しかし、ティスティング歴30年のH氏がこう言いました。
「ムーランは白はまだまだだね。
レイニャックの白のような濃くて官能的な白にはかなわないな。」

それでも2019、2020のヴィンテージは、あっという間に売れてしまい、2021と2022は地元で人気で売り切れ、日本に売る分は無いと言われたのです。

でも、量もわずかだし、
まだこれからのワインだから…
そう思っていたのですが、昨年の夏、シャトー・ムーラン・オーラロックを訪問したときのこと。


シャトー・ムーラン・オーラロック2023を樽から試飲させてもらいました。
 
「こ、これは….」

どうしても輸入したい、サンプルを日本に送る時間的余裕もない。
今、決めなくては。

私は独断でシャトームーランオーラロック白2023を予約したのです。

そして、ついに瓶詰された2023年白が入荷しました。
是非、試飲をお願いします・・・と、このワインの産みの親・種本祐子と、厳しい評価をするH氏に試飲をお願いしたころ…
    
「これは、凄い。
まだ若々しい緑がかった色調だけれど、先程新大陸の白ワイン試飲したばかりなのに、負けてない位、濃い!!
樽が綺麗にかかっていて、しっかりとした酸と果実味が、柔らかく溶け込んでいて、あとからぐんぐんと旨みがくる。」

ああ。本当に美味しい。トーマに合格点を出したい。というより、期待をはるかに上回る、素晴らしい白ワインが出来たね。トーマ、凄いよ。」
  
と、種本は涙ぐんでさえいました。
   

ムーランオーラロック白2023は、ソーヴィニヨンブラン100%、フレンチオーク樽で12カ月熟成、それも、特注の樽で熟成しています。

そして、2019に厳しい評価をしたH氏は、
   
「私は反省しているんだよ。
実は先日、一本だけ残っていた2019を飲んだのだけど、熟成したムーラン・オーラロックの白は、まったりとして複雑で、まるで、グランヴァンの白、いや、それを超えているかもしれないと感じた。
   
ムーランは、すぐに飲むより、何年か熟成して飲むワインなのだとわかった。 
そのポテンシャルを見抜くことが出来ず、2021と2022は入手することすらできなかった。本物のワインは、時間がたってからこそ実力がわかる。本当に反省だ。」
  
とも。

きっといつか、いや、近い将来、お父さんのエルヴェさんの造った赤ワインと同じように、トーマの造った白ワインもワインの歴史に残る銘醸ワインになるだろうと確信したのでした。


商品詳細


味わい:青りんごを思わせるフルーツ感にまろやかな口当たりが特徴の旨み溢れる味わいです。もうすでに今飲んでも濃くて複雑で、でもきりっとした酸味とたっぷりの果実味ですが、あと3~5年くらい熟成させてからでも十分に楽しめるポテンシャルがあります。

蔵元:シャトー・ムーラン・オーラロック
産地:ボルドー地方フロンサック
品種:ソーヴィニヨン・ブラン100%
ペアリング:天ぷら、魚介のムニエル、クリーミーな白カビチーズ

最後に、次回12月のお引き渡しは、12月15日(月)の開始を予定しております。(配送のお客様は15日以降の最短土曜日~)
入荷の関係で引き渡し開始日や、引き渡し商品の変更が生じる場合がございますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。

それでは、来月の蔵直Ⓡワイン定期便でお会いしましょう!

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