今月のこだわり白ワインコースは、カリフォルニアからピノ・ノワールの第一人者とも称されているマホニー氏と銘醸造家ケン・フォスター氏が手掛ける秘蔵白ワインをご紹介いたします。
カリフォルニアのピノ・ノワールのパイオニアが造る
“霧と風”が育てた特別なアルバリーニョ
フランス・ブルゴーニュ地方を代表する高貴なぶどう品種「ピノ・ノワール」。
世界中のトップワインにも使用されており、繊細さとエレガンスを兼ね備えた味わいで知られています。
そんなピノ・ノワールに魅せられ、カリフォルニアで長年研究と栽培に打ち込んできたのが、マホニー・ヴィンヤーズのオーナー、フランシス・マホニー氏。
地元の名門大学と共同で品種の研究を行い、「カリフォルニアのピノ・ノワールの第一人者」とも称される存在です。
彼が拠点とするのは、カリフォルニア最高級ワイン産地・ナパ・ヴァレーの中でも、最南端にある「カーネロス」地区
サンフランシスコ湾からの冷たい海風と霧が流れ込み、冷涼な気候を生むこの土地は、実はピノ・ノワールや白ワイン品種にとって理想的な環境。
今でこそピノ・ノワールの名産地として知られるカーネロスですが、1970年代にはまだ無名で、ぶどう栽培にも適していないと考えられていた時代に、マホニー氏はこの地の可能性をいち早く見抜き、挑戦を始めました。
その結果、彼が育てたぶどうは数万円クラスの有名ワイナリーにも高く評価され、卸されています。
パートナーの醸造家、ケン・フォスター氏はデイヴィット・ブルース(名門ワイナリー)などで醸造を経験し、マホニー氏の良質なぶどうを使用して全米TOPクラスのワイン評価を獲得。
自社で醸造するのは、最も品質の良いぶどうだけ。15年以上にわたってヴィノスやまざきでもロングセラーを誇るワインです。

マホニー氏(右)とケン・フォスター氏(左)
昨年買付に訪問した際に、お会いしまだまだパワフルで刺激をもらいました!
そんなマホニー・ヴィンヤーズが手がけるアルバリーニョは、ピノ・ノワールとはまた違った魅力を放ちます。
このワインに使われているぶどうは、ラス・ブリザス・ヴィンヤードという、サン・パブロ湾を見下ろす霧が多く風の強い丘陵地で育てられました。

アルバリーニョは、しっかりとした日照とともに、冷涼な気候が成長に欠かせない品種。
まさにカーネロスの土地条件がそのニーズにぴったりだったのです。
2023年は2020年以来のヴィンテージで、マホニー氏自身が「非常に満足」と語るほどの仕上がりとなりました。
グラスに注ぐと広がるのは、アプリコットやピーチ、白い花を思わせるフローラルな香り。
口に含めば、グレープフルーツやレモンピールのような爽やかな酸味が広がり、夏にぴったりの一本です。
醸造には、フレンチオークの新樽(40%)とステンレスタンクの両方を使用。
木樽がもたらす柔らかな口当たりと、ステンレスタンク由来のフレッシュさを絶妙に両立させています。
さらに、2種類の異なる酵母を用いることで、味わいに複雑さと奥行きを与えました。
現地で試飲して生産量が少なく、定期便のお客様に飲んでいただきたく買付けました!
「霧と風」が育てたぶどうを、情熱ある造り手たちが丁寧に仕上げたアルバリーニョ。
暑い季節にぜひ楽しんでいただきたい、清涼感あふれる逸品です。
マホニー ラスブリサスヴィンヤード 2023
産地:カリフォルニア・カーネロス地区
品種:アルバリーニョ
味わい:アプリコットやピーチの風味を感じ、酸味とのバランスの良い味わい。
ほんのり樽香とミネラル感も感じ果実味溢れて奥行きのある白ワインです。
ペアリング:お刺身、カルパッチョ、アヒージョ