雨の中で咲く紫陽花がとても美しい季節になってまいりました。気が付けば早いもので、年の折り返しとなりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
ヴィノスやまざきでは、熱い季節にぴったりの、毎年ご好評をいただいております「夏ヌーヴォー2025」のご予約を開始いたしました。
2025年は例年と比べると温暖で乾燥していた年でした。雨量が少なかったため収穫量は落ちましたが、ぶどうはしっかり完熟し、果実味がギュッと濃縮された、香り豊かなぶどうを収穫することができました!フレッシュで飲みやすく、夏にぴったりな味わいをぜひご堪能ください。
今月のこだわり赤ワインコースは、南アフリカのクラフトワイナリー「ノーブルヒル」が造る少量生産の逸品をお届けいたします!
ノーブルヒル シック・トランジッド・グロリア・ムンディ
ストーリー
ノーブルヒルは、ヴィノスやまざきが南アフリカの輸入を決めたきっかけになった生産者の一人。今から約20年前、まだ日本では南アフリカのワインがほとんど無かった頃に現地を訪問し、数十蔵元のワインを試飲しました。その時、群を抜いて品質が高く驚いた蔵元の一人がこのノーブルヒルでした。
ノーブルヒルがあるのは、パール地区と呼ばれる比較的温暖なエリア。有名なステレンボッシュとはシモンズバーグ山脈を挟んで隣接しており、南アフリカで重要な内陸のワイン産地と言われています。
【ノーブルヒルの畑から見下ろしたパール地区】
盆地状になっていることから気温が上がりやすい場所ですが、ノーブルヒルが所有する畑はシモンズバーグ山脈の標高約400mの丘陵地帯に広がっていることから、冷涼な風によって健康的で上質なぶどうを収穫することができます。
さらに、シモンズバーグの丘陵地帯は土壌に多様性があり、標高が高いエリアは花崗岩を中心とした土壌、標高が低いエリアは砂岩主体の土壌になっており、それぞの土壌に適したぶどうを栽培することができます。
ノーブルヒルはほぼ全てのワインを単一畑の単一品種で造りますが、それを可能にしているのが、この土壌の多様性です。
彼の造るワインのラベルには鍵のマークが描かれていますが、品種ごとに異なるデザインの鍵になっており、単一の畑で造っていることを表現しています。
【品種ごとに異なる鍵のデザイン】
現オーナーのクリストファーが言うには、「パール地区で一番立地に恵まれている畑だ」とのこと!
クリストファーは自分の目が届く範囲でしかワイン造りはしないという考えのもと、畑作業から醸造、マーケティングまで自分でやっており、生産量を増やすことは考えていません。
最近では著名ワイン評論家からも高い評価を獲得していますが、その考えは変わらず、毎年素晴らしいワインを譲ってくれています。
今回のシック・トランジット・グロリア・ムンディは、彼が造るワインの中では珍しく、鍵のマークがついていないワインです。
パール地区の気候がフランスのローヌ地方と似ていることから、「ローヌの高級ワインに負けないワインを造りたい!」という思いで2010年から試験的に造られました。
数年間はいろんな品種のブレンドを試しましたが、2022年にローヌを訪れた時にようやく理想のブレンド(シラー、グルナッシュ、ムールヴェードルの3品種を主体)にたどりついたとのこと。
驚くほど滑らかで優しい口当たりでありながらも、濃密な果実味や24か月の樽熟成による深み、土壌由来のミネラル感、あらゆる要素がきれいにまとまった1本です。
また、このワインはクリストファーが納得のいくぶどうができた年にしか造られないため、生産量や流通量も少ない希少な1本でもあります。今回の2023年の生産量はわずか約1233本。そのうちの半分以上を、「定期便のお客様のためなら」と、快く分けていただきました。
ぜひクリストファー氏の渾身の1本をお愉しみください。
蔵元:ノーブルヒル
産地:南アフリカ パール地区
品種:グルナシュ、シラー、ムールヴェードル、ヴィオニエ(1%)
ペアリング:鶏肉の香草焼き、ステーキ、牛肉の赤ワイン煮込み
最後に、次回7月のお引き渡しは、7月15日(火)の開始を予定しております。
入荷の関係で引き渡し開始日や、引き渡し商品の変更が生じる場合がございますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
それでは、来月の蔵直Ⓡワイン定期便でお会いしましょう!