北イタリアに到着した買付隊が次に向かったのは、世界遺産の街「ヴェローナ」!
その美しい街並みを横目に車を走らせること約30分。
たどり着くのも大変な山道をひたすらに上り続け、その山の頂上に差し掛かるころ、そこには美しい畑が!
「カ・ボッタ」に到着しました!

頂上にある飾り気のない倉庫のような醸造施設は、スペースが空きすぎでは?と思ったのですが、どうやら彼らの造りにも関わっているようで…(後述)

カボッタは、2012年にファーストヴィンテージをリリースしたまだ若い蔵元。
イタリアから家具の買い付けを行っていたオーナーのボッタ氏が、趣味で始めたワイン造りですが、どんどんのめりこんでしまい、ついにワイナリーを立ち上げてしまったそうです。
今回迎えてくれたのは、オーナーの息子のスタンさん。
もともと大学で英語を専攻していたのですが、オーナーであるお父様から、だれかワインを紹介するのにぴったりの人はいないかな?というリクエストに「なら僕がやるよ!」と今では親子二代でワイナリーを切り盛りしています。
その特徴は何といっても、陰干しのぶどう!
このエリアの高級ワイン「アマローネ」にも使用される伝統的な製法をほとんどのワインに使用し、収穫後のぶどうを陰干し(アパッシメント)することで力強い風味と味わいを実現しています。
陰干しにより、アロマや色、飲みごたえや渋みを引き出すそう!

そんなメリットしかなさそうなのに多くの蔵元が挑戦しないのは、陰干しぶどうの製法が難しいから。
彼らは山の頂上付近の斜面という日当たりがよく、石灰質を含む畑は非常に水はけのよい土地で、昼夜の寒暖差があります。

標高が高いため、風も強く吹き、気温も下がってゆっくりと成熟させる(平地よりも約1か月ほど収穫が遅いとのこと)ことができます。
強い果皮を持ち、ぶどうは完熟するだけでなく、しっかりとした酸が乗っており、これが大事とのこと。
収穫時はより一層気を使います。
必ず収穫時とその後は、乾いた手でぶどうを扱うこと。
少しでも傷んだぶどうがあると陰干し中に悪くなってしまうので、すべてを手摘みで収穫し、傷がついたぶどうは一切排除されます。
収穫後のぶどうは風が通りやすいよう、ぶどうが重ならない浅いかごに入れられ、収穫後の季節の乾燥して強い山の風を倉庫(醸造施設)を吹き抜けるようにすることで自然に陰干しされます。(広い倉庫のような施設もこのためのスペースを確保するためで、風が吹き抜ける方向に建てられているとのこと)
陰干しの期間は彼らの長年の経験の元、約2週間~6か月以上と最適に判断されます。
また、陰干し製法のための特殊タンクを開発。

果皮と果汁の接触面を増やすことで、陰干ししたぶどうからより効率的に成分を抽出します。
この製法は「ファーマテイション・カボッタ」と呼ばれ、オーナーが自身の航空機器の設計技術を生かして作り出した、特許取得の製法。
果実の味わいを大切にする彼らは、樽の香りが支配的になってしまわないようにほとんど新樽は使用しないとのこと。

ここまでして陰干しにこだわりますが、あくまでも陰干しを行うのは、彼らが目指すぶどう本来の厚みのある味わいを表現するため。
ですので糖度を高めるのではなく、基本的にドライな味わいに仕上げます。
(逆に甘くなったり、アルコール度が高くなりすぎたりしないよう、上記のようなこだわりを持ってバランスよく仕上げるとのことです)
そんな彼らの中でも特に人気のワインがこちら!
彼ら曰く、「ベイビー・アマローネ」ともいえるワイン。
地場の品種を中心に、一部カベルネ・ソーヴィニョンをブレンドした、スーパー・ヴェネトともいえる一本。
濃縮したフルーツのジャムのような果実味と、滑らかな渋味がたまりません。
「軽めの昼食を食べていきなよ!」とふるまってくれたゴルゴンゾーラのパスタの程よい塩味と、振りかけられたブラック・ペッパーとの相性も抜群でした。
カボッタのワインは、力強い赤ワインも多いのですが、ほんのり冷やして(18度くらい)お召し上がりすることを推奨しておりました。
そうすることでより一層深い味わいをお楽しみいただけるかと思います。
暑い夏の時期もこれなら楽しめそうです!
保坂

