ヴィノスやまざきには、「専門家委員会」という試飲のプロのチームがあります。
買付け隊が現地で「これは絶対にお客様に喜んで頂ける!」と見つけたワインでも、最終的には長年のワインの匠の目利き達が試飲をして、選び抜いています。
今回、私 買付隊・福井が専門家委員会に持ち込んだのは、ナパ・ヴァレーのウォーターストーン・ワイナリーのシャルドネ、新ヴィンテージ2023年。

ウォーターストーン シャルドネ ナパ・ヴァレー 2023|ヴィノスやまざき|ワイン通販
このワインは、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ協会等で長年、ナパ・ヴァレーワインを啓蒙し、畑を知り尽くしたブレント氏が自ら立ち上げたワイナリー・ウォーターストーンが造ります。
ローリーフックという、女性醸造家最高賞を受賞したこともある有名な醸造家と二人だけで、レストランのソムリエや、ヴィノスやまざきのような長年のお得意様だけの為にワインを造っています。
知る人ぞ知るワイナリー、そして顔が見えたお得意先とのビジネスなので、観光客を呼び込むための派手なティスティングルームも不要。
オフィスもシェアオフィスでデスクを一つ借りているだけです。

その分、価格が有名ワイナリーと比べても桁違いに安い。
だから、ワインマニアの人たちは「カジュアルクラスのワイン」位に位置付けてしまうこともあるのです。

昨年秋、ウォーターストーンを訪問した際に仕入れてきた、シャルドネ。
仕入れる前に試飲を皆でした時にも、店長全員一致で仕入れが決定。
ですが、専門家委員会に試飲してもらうのが後回しになってしまい、入荷後の試飲となったので余計に緊張も高まりました。

ここを通らないと、仕入れられない。
とにかく品質には厳しいのだから。
大丈夫か…?
一番厳しく、ブルゴーニュワインマニアともいえる、ブルゴーニュのワインを30年以上飲み続けてきたH氏が試飲して、話し始めました。
「いや、酸がきれい。
きりりと気持ちの良い酸味。
そしてきれいに熟成している。
シャルドネの良い意味での複雑さ。
だからと言って重すぎず、だからと言って軽すぎない。
品格に溢れ、繊細な料理にも合うが、ワインだけでも楽しめるボディ。」
あ、美味しいと感じていただいている…?
「ブルゴーニュのシャルドネだとすると、村名クラス。
え?どこの村かって?
これは、シャサーニュ・モンラッシェ。 ピュリニー・モンラッシェ程重たくなく、
ムルソーのようなまったりとした樽感でもなく、
きれいでフレッシュなワインに、綺麗に樽熟成されている。
いや、本当に美味しい。感動です。」
や、やった!!!
長年のブルゴーニュマニアでもあるH氏が感動してくれるなんて、買付けてきて本当によかった...
緊張がほぐれ、心からほっとしました。

ウォーターストーン シャルドネ ナパ・ヴァレー 2023|ヴィノスやまざき|ワイン通販
実はこのワイン、単なるナパ・ヴァレーのワインではないのです。
オークノールという、サブアペラシオン(ブルゴーニュで言えば、まさに村名!!)の葡萄で、フレンチオークを使って発酵、熟成、まさにナパヴァレーの村名ワインと言ってもよいもの。
それをラベルには、「シャルドネ」としか表記せず、過度にアピールしないウォーターストーンは、ある意味カッコいいなと。
そんな白ワインを、「本気の夏ワイン」としてお客様にお披露目できてよかったと心から思いました。
H氏はその後すぐに、ウォーターストーンのシャルドネを複数本、お買い上げ下さいました。一本は今年飲んで、あとは、数年おいておかれるそうです。
「これだけのワインは、少し寝かせると、さらに美味しくなるからね。」とのこと。
私もH氏を見習って、3本買って熟成を楽しみたいと思います。
カリフォルニア買付け隊
福井 謙一郎