【勉強会リポート~シャルドネ編~】まさかの結果に一同驚愕!?

先日、静岡本社にて、ワインの自主勉強会を行いました。
開催のきっかけは、「いろいろなワインをもっと知りたいです」という熱心な若手スタッフの声。

今回のテーマは、日頃からお客様からのお問い合わせが多いワインを飲み比べよう!ということで「国や産地を問わないシャルドネ」となりました。

各自で1本ずつ持ち寄ったのは、自社・他社関係なく見つけたブルゴーニュ、カリフォルニア、南アフリカなど、世界各国のシャルドネ合計8本。
価格は1000円台もあれば6000円を超えるものまで、幅広い種類のワインが集まりました。

試飲方法は、それぞれのワインを公平に評価するために、ボトルを目隠しして行うブラインド・テイスティング形式です。限られた時間内で1本1本を味わいながら、専用の評価シートにテイスティング・コメントを書き込んでいきました。

ブラインド・テイスティングに慣れていない若手スタッフも、その眼差しは真剣そのもの。
一通り試飲し、評価シートの記入が終わったところで、1番のワインから順番に、持ってきたスタッフ、産地、生産者、輸入元、購入価格など、種明かしをしていきました。

そして、「7番目は、これです!」と、ボトルの目隠しを外した瞬間・・・

「えー!?」「本当!?」「まさか!?」と、驚きの声のオンパレード。
実はこの7番のワインが、全てのワインの中で最高得点となる、5点満点中4.6を獲得していたのです。

「果実味と酸味のバランスが抜群で、ゴージャスな味わい」
「ブルゴーニュのワインにも遜色ないと思った」
と8人全員がざわついた、そのワインとは・・・

ドメーヌ・ジボー ヴィジョン・オール シャルドネ

なぜ全員がここまで驚いたかというと・・・
今回試飲したラインナップの中には、5000円近いブルゴーニュ産のシャルドネなど、きっと最高得点だろう・・・と思うような有名産地のシャルドネも含まれていたのです。
しかも、このワインの造り手は、シャルドネではなくソーヴィニヨン・ブランのスペシャリスト。このワインの産地では、通常シャルドネはあまり栽培されていないのです。

このワインを造るのは「ドメーヌ・ジボー」。
買付隊がフランスのロワール地方をくまなく回り、なかなか理想の味わいのワインが見つけられずに、半ば諦めかけていた買付最終日に、ようやく見つけた蔵元です。

まさに運命的な出会いとはこのこと。
現地ロワールにいた買付隊長から「すごい蔵元を見つけた!」と、興奮冷めやらぬ電話を受け取った記憶があります。

ロワール地方には「サンセール」や「プイイ・フュメ」など、ソーヴィニョン・ブランを使った白ワインの銘醸産地がたくさんありますが、これらのワインは有名産地だけあってお値段もそれなり・・・

当店でも、直輸入を始めた頃からロワール産の白ワインに取り組んできましたが、本当に納得できる蔵元は多くはありませんでした。なぜなら、一般的なロワールの白ワインは酸味が強く、いろいろ試飲をしても、とにかく「酸っぱい」ものが多かったのです。

そんな中で出会った「ドメーヌ・ジボー」は、ロワール地方の中央に位置するトゥーレーヌ地区で、ご夫婦2人で切り盛りする小さな蔵元。

彼らが育てるソーヴィニョン・ブランは、完熟するまでとことん収穫を待つため、色合いは黄色味がかっていて、穏やかな酸味と新鮮なトロピカルフルーツの風味で、旨味もたっぷり・・・
その上、価格もお手頃で、直輸入をスタートして以来、一気に人気蔵元の1つになりました。

小さな蔵元ながら、実はソーヴィニヨン・ブランの世界コンテストでもトップになったことがあるほど、その実力はプロからもお墨付きなのです。

そんな彼らが、密かに少量だけ栽培しているのが、このシャルドネです。

「OR(オール=フランス語で金)」の名のごとく、その外観は輝く黄金色。
パイナップル、バナナ、りんごの蜜、バニラ、バター・・・芳醇な香りに、穏やかながら存在感のある酸を感じ、口の中では余韻がいつまでも続きます。

ロワールのシャルドネなんて・・・と思わず、ぜひ一度ブルゴーニュなど有名産地のシャルドネと、飲み比べてみてください。
また「世界のシャルドネを楽しむセット」では、こちらのワインと一緒に、ブルゴーニュやカリフォルニア、イタリアなど、世界各国の華やかで飲み応えあるシャルドネをお楽しみいただけます.

できるだけお客様のお好みに合ったワインをご紹介するためにも、プロとして様々なワインを知っていることがとても大切です。
これからも勉強会は継続しますので、次回のワインリポートも楽しみにお待ちくださいね。

ソムリエ 鶴見
 

【プロフィール紹介】
フランスワインが好きすぎて、某地方銀行を退職。ヴィノスやまざきの存在に触発され、その数年後の1999年の夏に単身語学留学。場所は当店フランスワイン直輸入発祥の地、スペインとの国境沿いのワイン産地「ラングドック・ルーション地方」。片道30㎞以内は自転車で蔵元を巡り、すっかり南フランスのワインの虜に。2001年9月末に帰国後、早速ヴィノスやまざきに履歴書と入社への熱いメッセージを送り、同年12月25日からアルバイトとして渋谷店にて勤務を開始し、現在に至る。

【Vinosお店便り】新静岡セノバから、全国にお伝えしたい濃厚ナパワイン!

皆様こんにちは。
ヴィノスやまざき新静岡セノバ店、店長の石井です。

新静岡セノバ店は、静岡で最大規模を誇るワイン専門店。
ワインを中心に、地元静岡の地酒などこだわりの日本酒も取り扱っております。
テイスティングバーも備えていて、1杯200円からご利用でき、週替わりでオススメのワインをご提供しております。

本日は私から、一度は是非飲んでいただきたいワインをご紹介いたします。
一年を通しては店頭に並ばない限定入荷のワインなのですが、実は新静岡セノバ店ではリピートされるお客様もいらっしゃるほど、隠れた人気の1本。
全国のお客様にも知っていただきたい!と思い、本日このブログで発信させていただくことにしました。



昨年夏に、お客様の声を届けるスタッフ代表として、カリフォルニアワイン買付に同行しました。
現地では様々な蔵元との出会いがあり、
お客様に美味しいワインを楽しんでいただくためなら、車を飛ばしてどんな場所にも足を運ぶ
というヴィノスやまざきの信念を、肌で体感した買付けでした。

そこで出会った様々な蔵元の中でも、特に印象に残ったのが、当店人気No.1赤ワインを造る「ストーンヘッジ」。そして、本日ご紹介する1本は、そのストーンヘッジが造る「ヘイヴンズ ブラック&ブルー ナパ・ヴァレー」です。

「オーパス・ワン」に代表される豪華絢爛で華やかな有名ワイナリーが立ち並び、観光地としても世界中のワインファンを惹き付けるナパ・ヴァレー。世界に名だたる、数万円~数十万円クラスの高級ワインが生み出されています。

そんな世界中から注目を浴びる産地であるナパ・ヴァレーで、豪華なテイスティングルームにコストをかける代わりに、良いぶどうとワイン造りに全てを捧げ、コストパフォーマンスの高いワインを次々と生み出してきたのが、ストーンヘッジ・ワイナリーです。

ストーンヘッジが造る「メリタージュ・ナパ・ヴァレー」は、9年連続で当店の赤ワイン部門人気No.1を獲得し続ける人気ワイン。一体どんな場所でこのワインは生まれるのだろう・・・と、楽しみにしていました。

到着してまず驚いたのは、彼らのテイスティングルーム。
話に聞いてはいましたが、有名ワイナリーのような豪華なテイスティングルームとは大きく異なり、気を付けていなければ見落としてしまうほど・・・街の片隅にひっそりと佇んでいました。

しかし、もっと驚いたのは、その後でした。
その小さなテイスティングルームで出てきたワインは、スタッグス・リープ、オークヴィル、ラザフォードなど・・・どれもナパ・ヴァレーの名だたる銘醸地区のワインばかり。

テイスティングの後、醸造家のドン・ベイカーさんが、畑を案内してくれました。
「ナパ・ヴァレー」と一言で言っても、実はさらに16のぶどう栽培地区に細かく分かれています。
標高の高さや、斜面の向き、海からの距離などによって、気温や土壌が大きく異なるために、それぞれの畑の特徴を見極め、求める味わいにふさわしいぶどうを選び抜き、適切に醸造とブレンドを行うのだと教えてくれました。

ストーンヘッジは、長年ぶどう農家との強いコネクションを持ってきたからこそ、銘醸区画のぶどうを見つけ出すことができ、ナパ・ヴァレーを知り尽くした匠の醸造家ドンさんが、そのぶどう本来の味わいを最大限に引き出してワイン造りを行っています。
そして、ブランドにはこだわらず、良いぶどうから「お客様の求める味わいのワインを造る」ことを大切にしているのが、ストーンヘッジのワインなのです。

そんな彼らが造る「ヘイヴンズ ブラック&ブルー ナパ・ヴァレー」を試飲した際には、ワインの色合いに思わず驚きました。グラスに注いだ瞬間に分かるくらい、グラスの底が見えないほど濃い色合い・・・熟したブルーベリーのような青い果実を思わせる芳醇で奥深い味わいは、まさに「ブラック&ブルー」の名前を体現している1本です。思わず目を引く、深く美しい藍色のラベルも印象的です。

この「ブラック&ブルー」は、「レアワインも入った蔵直R便上級セット」でもお楽しみいただけます。
また、夏のギフトにオススメのワインとしてもご紹介しておりますので、是非大切な方へのプレゼントに贈るのはいかがでしょうか。

暑い日が続きますが、美味しいワインで暑さを吹き飛ばしていきましょう!
皆様のご来店を心よりお待ちいたしております。

新静岡セノバ店 店長 石井

【プロフィール紹介】
山梨県出身。大学時代に出会ったワインの美味しさに感動し、ヴィノスやまざきに入社。そごう横浜店での勤務を経て、新静岡セノバ店店長として勤務。昨年カリフォルニア買付研修を経験。カリフォルニアワインへの愛は誰にも負けません。

ピンチが生んだ出会い

「ピンチはチャンス」
今年ほど、この言葉の重さを実感したことはありません。

今年の春は、全世界を揺るがす事態に直面し、全国の店舗の約半分を休業することになりましたが、お客様の支えによって、ここまで続けてくることができました。
「ご来店せずとも、いつも通りにお買い物ができるようにするにはどうしたらいいか?」
「お客様にもっと寄り添うためには、どうしたらいいか?」
と議論を重ね、新サービス「GOYOKIKI(御用聞き)」をスタートするなど、新しいことに取り組むチャンスにもなりました。

思えばヴィノスやまざきは、これまでにもたくさんのピンチに直面してきましたが、そのたびにピンチをチャンスに変えることで、乗り越えてきたのです。
もともとは静岡の小さな酒屋としてスタートした当店が、ワインの直輸入へ大きく舵を切ることになったのも、1990年代に大型量販店がお酒の販売のシェアを占めるようになり、さらに追い打ちをかけるように酒類販売の規制緩和によってディスカウントストアもお酒を販売するようになるなど、逆風の中で「お客様に必要とされる店とは何か?」を模索したことが、きっかけの一つでした。

蔵元との出会いもまた然り。
ピンチの時こそ、とても良い出会いがあったりします。
そんな蔵元の一つが、「シャトー・ラ・グラーヴ」です。

南フランスのラングドック地方でワイン造りを行う小さな農家「シャトー・ラ・グラーヴ」のオロスケットさんと出会ったのは、今から15年前。
彼の叔父様が造るワインが当店で大ヒットし、完売続きで「切らさずに置いてくれないと困るよ」とお客様からお叱りを受けた時のことでした。甥であるオロスケットさんが、「自分のワインの味も、ぜひ試して欲しい」と、連絡をくれたのです。

最初は、品切れしてしまった叔父様のワインのピンチヒッターのつもりで輸入を始めましたが、驚くことに、とにかく品質に対して安い!それだけでなく、ヴィノスやまざきが求める無理難題を、実直に次から次へと取り組んでいってくれたのです。

キリッとしているのに、ボリュームもある、美味しい白ワインが欲しい・・・
それを造るために、彼自身が真夜中にヘッドライトを付けて収穫する。

とにかく濃くてフルーティーなヌーヴォー(新酒)を造ってほしい・・・
それを造るために、完熟を待って収穫を遅らせ、力強く果実味豊かなヌーヴォーを造る。

そんなオロスケットさんの、お客様のために真摯に向き合う姿に、心を打たれました。
ピンチヒッターだったワインは、本命になり、今では多くのお客様に支持されるロングセラーになったのです。

オロスケットさんの畑では、間もなく収穫を迎えるところです。
今年の春には、大変な状況だからこそ、逆に「とにかく良いぶどうを栽培することに集中する」と話していたオロスケットさん。畑の様子を、ビデオレターで送ってくれました。

 

前向きなオロスケットさんですが、フランスでは、状況が落ち着いてきたとは言え、彼らを含む多くの生産者は、国内の主要な販売先であったレストランやホテルの営業が回復していないため、まだまだ厳しい状況下にいます。
どんな時も私たちの期待に応えてくれたオロスケットさんに、恩返しをしたい。
そんな気持ちで、彼のこだわりのワインを、ご案内し続けたいと思います。

オロスケットさんが最も得意とするソーヴィニヨン・ブランから造る、爽やかな白ワイン
果実の旨みがギュッと詰まった、まろやかなメルロの赤ワイン
そして、これらのワインが入った、ヴィノスの原点でもある「ラングドックワインを飲み尽くすセット」をご用意いたしました。

どれも、ヴィノスと共にピンチを乗り越えてきた、ロングセラー蔵元のワインばかりです。
彼らのワインを飲んで、この夏を乗り切る力にしていただけたらうれしいです。

本島

夏ヌーヴォー、誕生の裏側

毎日、うだるような暑い日が続いていますね。
この時期人気のワインは、やはりフレッシュ&フルーティなオーストラリアの新酒「夏ヌーヴォー」。
本日は、改めてこの「夏ヌーヴォー」誕生の裏側を、私からお話させていただきます。

私がヴィノスやまざきに入社したのは、今から10年前。
当初からワイン業界に絞って就職活動をしていた私は、大手インポーターに受かるも、当時はまだ今より規模の小さかったヴィノスやまざきに入社することを選びました。

なぜなら・・・

すでにあるワインをただ輸入してお客様におすすめするだけではなく、畑のぶどうを選ぶところから自分たちで行い「マーケットイン」でワインを造り上げていきたい・・・という社長(当時は専務)の夢を聞いてワクワクし、私もそんな仕事をやってみたい!いや、絶対やってみせる!そう思ったのです。

ヴィノスやまざきでは、この「マーケットイン」の考え方のもと、ソレイユメリタージュトゥルー・ヴァインなど・・・様々なオリジナルワインを開発し、大ヒットに繋げてきました。
そして、レゾリュープティ・プロなど・・・もともと生産者が造っていたワインであっても、お客様はこんな味わいを求めている、もっとこんな味わいにできないか?という生産者とのディスカッションを重ねることで、質の向上を続けてきたワインは、長年愛され続けるロングセラーになっています。
これらのワインは全て、お客様の声に耳を傾け、お客様の求めるワインはこれだ!という情熱から生まれたものです。

いつかはそんな仕事をやりたい・・・そう思って入社した私ですが、これは簡単に出来ることではありませんでした。
大ヒットするワインを造りたい・・・そのためには、どうしたら・・・?
そんな思いを常に抱きつつ、今自分がやっている仕事が必ず実を結ぶ日が来るはず・・・そう自分に言い聞かせ、営業部、武蔵小杉店、仙台店など、場所は変わってもひたすらお客様と向き合い、経験を重ねる日々が過ぎました。

2017年5月。
そんな私に、ついに巡ってきたチャンス・・・!
それが「夏ヌーヴォー」プロジェクトだったのです。

きっかけは、「ヌーヴォーってフレッシュな味わいなのに、ボジョレー・ヌーヴォー解禁は11月。暑い夏にこそ、フレッシュなヌーヴォーが飲めればいいのに。」そんなお客様の一言でした。

夏にヌーヴォー?
そう思われる方もいらっしゃると思います。

ヌーヴォーとは、その年に収穫したばかりのぶどうから造られる「新酒」のこと。
フランスのボジョレー地方では、ぶどうの収穫が9~10月となるため、ヌーヴォーの解禁は11月となりますが、季節が逆転する南半球ならば・・・収穫が2~3月だから、夏に楽しめるヌーヴォーが造れるはず!

こうして始まった、「夏ヌーヴォー」プロジェクト。
当時、仙台店のオープンを経験し、お客様からたくさんの声をいただいて東京にちょうど戻ってきたばかりだった私は、「どうしても私にやらせてほしい・・・!」と志願し、プロジェクトチームの一員として、現地に行くことになったのです。

早速、当店でロングセラーのオーストラリアの蔵元「カラブリア・ファミリー」の元を訪ねました。 すると・・・

「ヌーヴォー?そんなもの造ったことないよ」と、最初はなかなか首を縦に振ってくれませんでした。
そもそもオーストラリアでは、新酒を楽しむという文化が無く、「熟成したワインの方が飲み応えもあって美味しいのに、なぜあえてフレッシュな状態で出荷してしまうのか?理解できないよ」と言われてしまったのです。

それでも、日本の市場ではボジョレー・ヌーヴォーが人気で、毎年楽しみに待ってくださっているお客様がたくさんいること、日本特有の暑くてジメジメした夏にはフレッシュなワインをお求めになる方が多いこと、そして、そんなワインを当店で長年のロングセラーであるカラブリア・ファミリーに造ってもらいたいということを丁寧に説明し、一緒にこのプロジェクトに取り組んでいくことになったのです。

それから、味わいのディスカッションを行い、夏の食卓に合わせるシャルドネを使ったキリっと辛口の白ワインと、マスカットを使った暑い日にグビグビ飲めるような微発泡の甘口白ワインの、2種類を造ることになりました。

ラベルのデザインも自分たちで考え、「楽しい気持ちになれるラベルって何だろう?」ということで、Richlandの「d」の横にコアラを入れることにしました。(お気付きでしたか?)

あれから3年が経った、今年の春。
現在、商品部で現地からの輸入を担当している私にとって、ちょっとした試練が・・・

実は、コロナの影響もあり「今年は夏ヌーヴォーの生産は出来ない」という連絡を、生産者から受けていたのです。
でも、この難しい状況だからこそ、お客様に笑顔をお届けしたい、そのためにも必ずいつも通り「夏ヌーヴォー」をお届けしたい・・・その思いでしつこく何度も現地に連絡し、例年より約10日遅れにはなりましたが、夏本番になる前に何とかお届けすることができました。

そんな今年の「夏ヌーヴォー」も、残りわずかとなってまいりました。
まだお召し上がりになっていない方は、ぜひこの機会に。そして、もうお召し上がりいただいた方も、残暑が厳しくなりそうなこれからの季節に、6本セットでストックしておくのがおすすめです。

私にとって、並々ならぬ思い入れがあるこのワイン・・・今年も自信をもってご案内できる味わいです。
お楽しみいただけましたら幸いです。

ソムリエ 保坂

【プロフィール紹介】
学生時代にドイツに留学。そこでワインの美味しさに感動したことでワイン業界を志し、ヴィノスやまざきに入社。営業部で百貨店やスーパーへの販売を担当した後、武蔵小杉店、仙台店の立ち上げを担当。特に好きなワインはカリフォルニアワインとドイツワインで、ドイツワインケナー・上級ケナーも取得。

元醸造士も驚いた・・・ピノ・ノワールの常識を変えた一本

8月18日は「インターナショナル・ピノ・ノワール・デー」。
昨日はカベルネ・ソーヴィニヨンの赤ワインをご紹介しましたが、ぶどう品種と言えば忘れてはならないのが「ピノ・ノワール」です。

ピノ・ノワールと言えば、カベルネ・ソーヴィニヨンと並び、世界最高峰と言われる品種。
フランスのブルゴーニュ地方を代表するぶどう品種であり、「ロマネ・コンティ」や有名なドメーヌ(蔵元)のものですと、数万円~数百万円するものもあるほどです。

しかし、私が「世界には、もっとすごいピノ・ノワールがある・・・」と驚いた一本があります。
それが「マホニー・ヴィンヤーズ・カーネロス・ピノ・ノワール」。

実は、以前の私は、ブルゴーニュこそ最高のピノ・ノワールの産地、と思っていましたが、このワインとの出会いは、まさに目から鱗の衝撃でした。

ヴィノスやまざきに入社し、このワインを初めて口にしたのは、今から15年以上前。

フランス・ブルゴーニュでのワイン醸造の勉強を終え日本に帰国した私は、今よりもっと敷居の高かったワインを、現地のように気軽に楽しんでほしい、と思っていました。自分が体験してきた、ワインを造る人間=生産者の想いもお伝えすることにより、ワインをより身近に思って思えるのではないか・・・と考え始めたところ、「蔵直R便」でワインと一緒に生産者の想いもお客様にお届けしているヴィノスやまざきに出会いました。

私がブルゴーニュ地方で醸造していたピノ・ノワールは、赤ワイン用のぶどうの中では比較的酸味が豊富で、ワイン用語で言う「フィネス(エレガントさを伴った繊細さ、とでも言いましょうか)」が特徴です。この「酸」の質によって、美味しいワインとそうでないワインが分かれるのですが、ブルゴーニュ地方のような冷涼な産地でないと、この良質な酸が生まれないことが多いのです。

しかしながら、ヴィノスやまざきに入社して飲んだ、カリフォルニアの「マホニー」のワインはどれも、奥深さを感じる酸と豊かな果実味を持った、ピノ・ノワールの特徴を最大限に引き出した味わいだったのです。

カリフォルニアは、ブルゴーニュ地方よりもだいぶ温暖なはずなのに、なぜ・・・
その秘密は、畑と生産者に隠されていました。

マホニー・ヴィンヤーズのオーナーであるフランシス・マホニーさんは、地元の名門大学と共同でピノ・ノワールの研究を行うなど、「カリフォルニアのピノ・ノワールの権威」と評されるぶどう農家です。

彼らのワイナリーがあるナパ・ヴァレーは、有名ブランドワインが数多く存在する、カリフォルニア随一の高級ワイン産地。その中で、マホニー・ヴィンヤーズは小さな農家ですが、ナパ・ヴァレーの有名ワイナリーもそのぶどうを買い求めています。こうした有名ワインも、実は彼らのような優れたぶどう農家が支えているのです。

話を聞くと、彼らのぶどうは、数万円クラスの超有名ワイナリーにも卸しており、一番良い区画のぶどうだけ彼ら自身で醸造し、「マホニー・ヴィンヤード」の名前で販売しているとのこと。
しかも、長年の研究に基づき、複数種類の苗木のピノ・ノワールを絶妙にブレンドし、ワインを造り上げていたのです。

ブルゴーニュでは、ぶどうを購入するのではなく、自社畑のぶどうからワインを造る生産者を「ドメーヌ」と呼びますが、マホニーのワインはまさにそんな「ドメーヌ」のワイン。
農家から購入したぶどうでワイン造りを行うことが一般的なナパ・ヴァレーで、ぶどうの栽培からここまでこだわっているなんて・・・希少な、素晴らしい生産者だと思いました。

ナパ・ヴァレーは16の小地区に分かれていて、それぞれの地区で個性あふれるワインが生み出されていますが、中でも最南端に位置する「カーネロス」地区は、サンフランシスコ湾に最も近く、冷涼な海風が流れ込むため、ピノ・ノワールの栽培に適した土地です。

このカーネロス地区は、今でこそカリフォルニアにおけるピノ・ノワール名産地として知られていますが、1970年代初期にはまだ無名の産地でした。その上、ナパ・ヴァレーは、その温暖な気候から「ピノ・ノワールの栽培には不向き」だと誰もが考えていました。

その中で、この土地のポテンシャルを見抜き、いち早くピノ・ノワールの栽培に成功した農家の一人が、マホニーさんだったのです。

カリフォルニアのワイン史に名を刻むほどの生産者であるマホニーさん。
現在は、ぶどうの栽培に専念していて、彼が育てたぶどうから、長年有名ワイナリーの醸造を手掛けていた醸造家のケン・フォスター氏がワイン造りを行っています。
上品でまろやかな味わいで、ヴィノスやまざきでも15年以上のロングセラー蔵元です。

そんなマホニーのピノ・ノワールですが、『世界のピノ・ノワール6本セットプレミア』では、飲み比べもお楽しみいただけます。

マホニーの他にも、カリフォルニアのピノ・ノワールを代表する有名生産者に隣接する畑から生まれる一本、ブルゴーニュの銘醸地区のピノ・ノワール、今注目のニュージーランドのピノ・ノワールなど・・・個性豊かなピノ・ノワールが勢ぞろいしています。
ピノ・ノワールマニアの私も、さっそく自宅でゆっくりと楽しみたいと思います。

ソムリエ 寺田

【プロフィール紹介】
フランスの国立醸造学校を卒業後、ブルゴーニュ地方のドメーヌでワインの醸造経験を積む。帰国後は、生産者の想いをお客様に届け、日本でもワインをもっと気軽に楽しんで欲しいと、ヴィノスやまざきに入社。豊富な知識を活かし、買付業務から社員教育まで、幅広い業務を担当する。

飲み比べるなら、まずはこれから!黒ぶどうの王様カベルネ・ソーヴィニヨン

毎年この時期に行われる、ワインのプロの登竜門「ソムリエ試験」。
今年は、コロナの影響で試験日程が延期され、ワインスクールも開講が5月にずれ込むなど、ソムリエ試験にも少なからず影響が出ています。

ヴィノスやまざきでも、新入社員のワイン研修が今年はリモートになったりと、四苦八苦・・・

ところで、ワイン業界で働いていないワイン通の方でも、取得できるワインの資格があることをご存知ですか?
実は、ワインの資格にも様々な種類があり、

ワイン通の腕試し「ワイン・エキスパート」
飲食業や輸入会社はじめとするワイン業界の人が受験する「ソムリエ」
勤務経験とより高度な知識が求められる「ソムリエ・エクセレンス」など・・・

ヴィノスでも、新入社員からベテランまでが、毎年さまざまな資格に挑戦しています。

ワイン好きの皆さまも、ぜひ「ワイン・エキスパート」の資格を、また飲食業の方でしたら「ソムリエ」の資格を取得して、 いつかヴィノスやまざきで一緒にお仕事ができればうれしいです。

そして、どの資格でも共通して、二次試験では「ブラインド・テイスティング(=銘柄を伏せて行うテイスティング)」が行われます。そのため、この時期は、色々なぶどう品種別に試飲の勉強をしている方も多いと思います。

実はプロでも難しいのが、このブラインド・テイスティング・・・
長年勤めているヴィノススタッフでも、常に試飲のトレーニングを続けているほどです。

そして、ぶどう品種別にテイスティングをする上で、最初に抑えておきたいのが、赤ワインに使われる品種「カベルネ・ソーヴィニヨン」。
赤ワイン用のぶどう品種を代表する「黒ぶどうの王様」的な存在です。

力強く濃厚な果実味に、しっかりとした渋みがあり、重厚で飲み応えある味わいが特徴。
フランスのボルドー地方が原産と言われていますが、その美味しさに加えて栽培のしやすさもあり、今では世界中のワイン産地で栽培されています。

面白い(そして難しい・・・)のは、同じぶどう品種でも、国や産地によって香りや味わいが大きく異なること。たとえば、フランス・ボルドー地方では、果実味の中にしっかりとした渋みを感じ、重厚で複雑な味わいになりますが、温暖なアメリカ・カリフォルニア州では、完熟したベリーのような果実味をたっぷり感じる、濃くて甘い味わいになります。

(左)ボルドーのおすすめカベルネ・ソーヴィニヨン「エスプリ・デスチュエール
(右)カリフォルニアのおすすめカベルネ・ソーヴィニヨン「ストーンヘッジ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ



そんな世界に数ある「カベルネ・ソーヴィニヨン」の中でも、これまで数々のカベルネ・ソーヴィニヨンを飲んできた私のイチオシであり、長年多くのお客様からリピートいただいているワインがあります。

その一本とは・・・

アルタム・カベルネ・ソーヴィニヨン

フランスでもカリフォルニアでもなく・・・チリのカベルネ・ソーヴィニヨン!
福井ソムリエが、実際にこのワインを造る南米チリの蔵元「テラ・マター」にまで自らの足で赴き、その目でワイン造りを確かめてきた一本です。

一般的に、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンの最大の特徴は「ボリューム感」。
太陽をたっぷり浴びてよく熟したぶどうから造られるため、アルコール度数が高く、香りも味わいも果実味満載で、思わずお肉を頬張りたくなるようなふくよかさと力強さがあります。

その中でも、この「アルタム・カベルネ・ソーヴィニヨン」は、芳醇な果実味だけでなく、骨格のある渋みと複雑味も持った、ボルドーワインを彷彿とさせる味わい・・・

チリでもカベルネ・ソーヴィニヨンは広く栽培されていて、数多くのワインが存在しています。
しかしながら、その中で、なぜ当店がテラ・マターを選んだのか?
きっかけは、約15年前にさかのぼります。

今でこそ、日本に輸入されるワインの国別輸入量で5年連続第1位になるなど、コストパフォーマンスの高さで人気となったチリワインですが、当時の日本は「ワインといえばフランス」という時代。
まだまだ知名度は低く、店頭で手に取る人はほとんどいませんでした。

そんな中、「本当に美味しくて手頃なワインを探しているなら、ぜひこれを飲んでみて欲しい」と紹介されたのが、テラ・マターでした。「こんなに飲み応えがあって、コストパフォーマンスの高いワインがあるなんて!」と衝撃を受けたことが、チリワインの直輸入に踏み切るきっかけとなったのです。

以来、15年以上のロングセラーとなった、ヴィノスの蔵直チリワイン第一号蔵元「テラ・マター」。
その味わいの秘密を探るべく、飛行機を乗り継ぐこと、20時間以上・・・現地を訪れました。

チリでもっとも古いぶどう農家が所有する畑を受け継いだテラ・マターは、古木のぶどうも所有。
大規模なメーカーも多いチリではめずらしく、自社ぶどうを100%使用し、突出したクオリティのワインを生み出しています。

さらに醸造所では、なんとボルドー5大シャトーの一つ「シャトー・オー・ブリオン」で醸造経験を積み、チリの名門「カネパ」で醸造責任者を10年間務めた女性醸造家のパウラさんが、醸造チームを率いていました。

そして、テラ・マターが造る「アルタム」は、所有する畑の中でも特に優れた「単一畑」のぶどうにこだわった特別なワイン。まるでフランス・ブルゴーニュ地方のグラン・クリュ(特級畑)のように、チリで単一畑までこだわって造っているワイナリーがあったなんて・・・と、現地を訪れて改めてその味わいが生み出される理由を知り、驚いた一本です。

その奥深く複雑味のある味わいは、過去には某テレビ番組のブラインド・テイスティングで、ボルドーの超有名ワイン(数十万円)と間違えられたほど・・・それでも、テラ・マターは、この「アルタム」をデイリーに楽しめる価格で提供し続けてくれています。

そんな福井がおすすめする「アルタム・カベルネ・ソーヴィニヨン」は、カベルネ・ソーヴィニヨンを飲み比べできる「カベルネ・ソーヴィニヨン6本セット」でもお楽しみいただけます。

ぜひ私たちヴィノススタッフと一緒に、カベルネ・ソーヴィニヨンのテイスティングに挑戦してみませんか?

ソムリエ 福井

【職務経歴】
静岡県出身。ヴィノスやまざきの新卒第1期生として入社。 有楽町店店長、店舗スーパーバイザーを歴任した後、上海店の立ち上げにも携わる。 ワインへの情熱は人一倍で、「美味しいワインがある」と聞けば、欧州やアメリカだけでなく、 南米や南アフリカなど地球の裏側まで足を運ぶ、その情熱とフットワークの軽さはヴィノスでNo.1。

【食いしん坊Cookブログ】夏バテ解消レシピ編

全国的に猛暑が続き、連日の暑さに元気が出ない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時は「甘酒」が効果的なのをご存知でしょうか?

俳句の季語で、甘酒は【夏】。
冬の寒い日にホットで飲むイメージが強いかもしれませんが、江戸時代には、その栄養価の高さから夏バテ防止の栄養ドリンクとして大人気で、夏の風物詩だったとか。

そこで、今週の食いしん坊Cookブログでは、食べて飲んでカラダの中から元気になる、甘酒を使った夏バテ解消レシピをご紹介いたします。

飲む点滴」とも呼ばれる甘酒。
じつは「酒粕」から造られるものと「米麹」から造られるものがあり、当店の「蔵のあまざけ」は酒粕から造られます。そして、酒粕から造られる甘酒が体に良いとされるのには、さまざまな理由があります。

① ダイエット効果
酒粕から造られる甘酒はダイエットにも効果的
酒粕に含まれるレジスタントプロテインというたんぱく質が、体内で脂と一緒になり、外に出してくれる働きがあるため、吸収されにくく、太りにくいと言われています。
そして、一般的な酒粕の甘酒は砂糖を多く使用していますが、「蔵のあまざけ」はカロリーオフの希少糖とコクのあるキビ糖を使用しているため、しつこくない上品な甘さで、カロリーも控えめです。

② 睡眠改善
酒粕に含まれる酵母の力は、睡眠の質を向上する効果も!

③ 疲労回復&免疫力アップ
酒粕の甘酒は、ビタミンB1・B2・B6、アミノ酸、ブドウ糖、葉酸、オリゴ糖などさまざまな栄養成分が豊富で、疲労回復免疫力を高める効果もあることから、夏バテ防止にぴったり!

「ワイン屋さんなのに、甘酒?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は当店の原点は、静岡の小さな酒屋であり、日本酒なのです。(詳しくはこちらのブログをご覧ください>>

「静岡の地酒を、全国の方にももっと知ってほしい。」
その思いで、長年共に歩んできた静岡の5つ蔵元たちが造る純米大吟醸の酒粕を特別に譲ってもらい、蔵元別に仕込んだのが、この「蔵のあまざけ」です。

日本酒の味がどれも違うように、日本酒を搾ったあとにできる酒粕の味も、蔵元ごとに違います。
ですので、そこから出来る「あまざけ」も、やはり各蔵元の特徴が表現されているのです。

その中から、今回のレシピには「磯自慢 蔵のあまざけ」を使用しました。

「磯自慢」は、プレミアム地酒として全国にファンが多い、静岡県・焼津の老舗蔵元。

過去には、洞爺湖サミット、伊勢志摩サミットなどにおいて、磯自慢の造る純米大吟醸の日本酒が各国のVIPに振る舞われました。
当店でも、様々な磯自慢の日本酒を年間通してご案内しておりますが、純米大吟醸クラスは、全国からご注文が殺到し、すぐに完売してしまいます。

そんな希少な磯自慢の純米大吟醸の酒粕から、この「磯自慢 蔵のあまざけ」は造られています。
磯自慢の純米大吟醸は、上品さとキレ、そして何より透明感のあるフルーティーな吟醸香が特徴。
その酒粕を使用した「磯自慢 蔵のあまざけ」もまた、香り高くフルーティーで、米の優しい甘さが楽しめる味わいに仕上がっています。

普段は本格派の日本酒が好き!という方にも、ぜひじっくり味わっていただきたい、こだわりのあまざけです。
ご自宅用だけでなく、健康に気遣う大切な家族へのちょっとしたプレゼントにもおすすめですよ!

美味しい、そして健康にいい。
それが「蔵のあまざけ」。

夏バテ防止にも、美容と健康にも、いいことずくめの「蔵のあまざけ」で、夏を思いっきり楽しみましょう!

ソムリエ 岩谷

私の人生を変えた・・・奇跡の南フランスの偉大なワイン

「南仏グラン・ヴァン」ってご存知ですか?

グラン・ヴァンは、フランス語で直訳すると「偉大なワイン」。
偉大なワインって何だろうと考えてまず思い浮かべるのは、フランスのボルドーやブルゴーニュという方がほとんどだと思います。

しかし、今このブログを書いている私は、無類の南仏ワインラバー。銀行員だったキャリアを捨て、南フランスに人生を捧げた男です。
今日は南フランスにある奇跡のグラン・ヴァンについてお話させてください。

今回ご紹介するのは、ふだんはボルドーやナパなど有名産地のワインが好きという方に、「南仏でちょっと良い日に飲むのに一番のオススメは?」と聞かれたらいつも真っ先におすすめする、私が愛してやまないこちらのワイン。

プリウレ・サンジャン・ド・ベビアン 赤

先日、たまたま2005年ヴィンテージ産の熟成酒を飲む機会に恵まれました。
パンをスライス・・・ミックスナッツとチーズを添えて、ちょっぴり贅沢な家飲みワインを開始。

予想通りまだまだ若さを感じる濃い色。抜栓した瞬間、グラス全体に赤い果物や地中海沿岸のハーブ、スパイスの風味が充満します。口に含むと、ワインにしっかりと溶け込んだ果実味としなやかな渋みがグングン押し寄せ、深く柔らかく口の奥に広がっていきます。

さらに、旨味たっぷりの熟成チーズがまろやかさを助長し、完璧なマリアージュに我ながら感動しました。
15年の長い年月を経たベビアンは、ようやく「南仏グラン・ヴァン」の名にふさわしい姿になっていました。

本日、皆様にご案内するのは、さらに1年古い2004年ヴィンテージです。
しかし、その前にまずは、ヴィノスやまざきとプリウレ・サンジャン・ド・ベビアンの出会いからお話したいと思います。

***

1994年、まだ日本では無名だった南フランスのラングドック地方のワインを当店が直輸入し、多くのワインを日本に紹介したことで、現地の大物ワイナリーからオファーが来ました・・・

それが、フランスのラングドック地方の「プリウレ・サン・ジャン・ド・ベビアン」。

「マス・ド・ドーマス・ガサック」と「マス・ジュリアン」とともに、『ラングドックの3大グラン・ヴァン』と称される、まさに地元の実力派蔵元です。

これらのワイナリーがあるコトー・デュ・ラングドックという産地は、かつてカリフォルニアの世界的ワイナリーが土地を買収しようとしてそれに反対し、政治問題にまで発展し、この地を守り抜いた物語は映画にもなったほどです。
それほど、素晴らしい魅力的な土壌・・・

でも、そのことは、当時あまり知られていなかったし、当店が直輸入した1000円台中心のラングドックワインと違って、価格もそれなり・・・
最初はオファーを突っぱねたけれど、いざ飲んでみるとその味わいは本当にグラン・クリュそのものだったのです。
「これは当店のお客様に絶対に支持されるはず!」そう信じて直輸入を始めました。

元々は1153年に設立された修道院であり、その周りにはぶどう畑が広がっており、ラングドックで最も古いドメーヌ(蔵元)の一つです。

シャトー・ラヤス(シャトーヌフ・デュ・パプ)やタンピエ(バンドール)といった超有名ワイナリーからシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルの苗木を譲り受けて植えた畑では、自然派農法を実践しています。

収穫量はなんと25hl/haという信じられないほどの低収穫量で、濃縮したワインを造り出していました。

以来、特に「ワインマニア」と言われる人たちに絶大な人気を得て、少量生産ながらロングセラーとなったワインなのです。

***

ベビアンを訪問する際は、必ず1990年代から2000年代にかけての垂直試飲をお願いし、その時々で飲み頃になったヴィンテージのワインを、交渉の末少量だけ輸入しています。

さて、今回当店のお客様のために特別に譲っていただけたベビアン赤2004。
ワインの熟成には手間とコストがかかるため、多くのワイナリーは、若いうちにワインを販売してしまいます。こうして飲み頃を迎えるまで大切に自分たちのカーヴで熟成させるのは、自信とこだわりの証。

そして、ここまで熟成したオールドヴィンテージは、価格が高くなるのが常識です。しかし、若いヴィンテージ(年号)のものと同じ価格でこうした貴重なオールドヴィンテージが手に入るのは、全国にいるベビアンファンの支えと、長年に渡る蔵元との信頼関係があってこそなのです。

早速2004年も味わってみると、濃縮した複雑な果実味と重厚なタンニン(渋味)に、買付け隊全員が、「最高に美味い!」と大騒ぎ!しっかりとした酸味もありつつも、長期熟成を経たことで、さらに複雑な味わいに仕上がっています。

2004年は、一般的には2005年よりも評価が低いと思われがちですが、その分早熟な年でもあります。今まさに熟成の旨みと複雑な味わいを楽しむのにぴったりの「飲み頃ワイン」ではないでしょうか。

なんと『蔵直R便上級セット』 に入って、今ならお得にお試しいただけます。
一目惚れという名のシャンパーニュ、親へのオマージュを込めて造られた特別な白ワイン、メドック格付け上級クラスを同等評価のボルドー赤ワイン、高級感溢れる濃厚ナパヴァレーの赤ワイン・・・名だたるワインが勢揃いです。

お盆休みの最後は、極上に酔いしれてみてはいかがでしょうか。

常務執行役 ソムリエ 鶴見

【職務経歴】
フランスワインが好きすぎて、某地方銀行を退職。ヴィノスやまざきの存在に触発され、その数年後の1999年の夏に単身語学留学。場所は当店フランスワイン直輸入発祥の地、スペインとの国境沿いのワイン産地「ラングドック・ルーション地方」。片道30㎞以内は自転車で蔵元を巡り、すっかり南フランスのワインの虜に。2001年9月末に帰国後、早速ヴィノスやまざきに履歴書と入社への熱いメッセージを送り、同年12月25日からアルバイトとして渋谷店にて勤務を開始し、現在に至る。

【突撃!買付隊】冒険精神の血が騒ぐ!濃厚アルゼンチンワイン!

「雑誌やワイン評価誌でも高評価。店舗でもリピーターが多い赤ワイン持ってきて」
お客様からそう聞かれたら、私がまず思い浮かべるのはやはり「あのワイン」しかありません。

過去に『東京カレンダー』のワインコラムに掲載されて、注目を集め・・・

またイギリスの専門誌『デキャンター』では、アルゼンチンNo.1マルベックに選出され・・・

アメリカン航空のファーストクラスにオンリスト&エアライン搭載ワインのコンクールでは北米トップ赤ワインに輝いたこともあり・・・

そしてお店でもケース買いするリピーターの方が後を絶たない人気の赤ワイン。
とにかく濃くて、でもバランス抜群。夏の暑い日にお肉と合わせるならこれしかない!
「ビニャルバ・マルベック・レセルバ」!

こちらのワイン、なんと南米アルゼンチンのワインなのです!
え?ヴィノスやまざきって、現地で味を確認してから仕入れると聞いていたけれど、南米に?
そう思われる方もいるかもしれません。
そうなんです。それも、一度ではありません。

南米ワインが日本にほとんど入ってこなかった時、元祖買い付け総長の種本会長が現地で見つけてきたのがこちらのワイン。
そして、そのDNAを引き継いだ私、福井と池袋西武店長の四家ソムリエが、美味しいワインのためなら、お客様の笑顔が見られるなら・・・と、地球の裏側へ買付に行きました。

本日は、突撃買い付けストーリーinアルゼンチンをお話したいと思います。

日本からアルゼンチンは、飛行機で20時間以上…分かってはいましたが、やはりその遠さを実感しました。

実際に現地を訪問すると、まさに驚きの連続!

アンデス山脈と雄大な自然に囲まれたこの地では、独特なテロワール(土壌・気候)が生まれ、良く熟したぶどうが育っていました。さらに、最新の醸造設備によりワインの品質が向上していたのです。

ヴィノスやまざきは、2004年からアルゼンチンワインの直輸入を始め、あまり知られていない時期からワインの啓蒙活動を行ってきました。
そんな当店のアルゼンチンワイン直輸入第一号の蔵元がビニャルバ。
「南米のナパ・ヴァレー」と呼ばれるアルゼンチンワインのメッカ、メンドーサにあります。

2007年の設立以来、わずか13年の間に、ワイン・コンペティションで200個以上のメダルと12個のトロフィーを獲得するなど、世界から高い評価を得ています。2018年には、イギリスで最も著名な審査会の一つ「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」で、「レッドワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞!2017年の「アルゼンチンワイナリー・オブ・ザ・イヤー」受賞に続く快挙となりました。

彼らのワインに使用される、アルゼンチンを代表するぶどう品種「マルベック」が育てられているのは、メンドーサ州の中でも、標高1,000mを超える銘醸地ウコ・ヴァレーの畑。

アンデス山脈の麓にあるこの畑も取材しましたが、本当に驚きました…!
一部の畑は、あまりの急斜面で、私たちがレンタルした車では危険だといわれ、急きょ生産者の車で移動したほど…

アンデス山脈の麓に位置し、とにかく標高が高い自社畑は、ぶどう栽培に最高のロケーションで、まさに秘境の畑…
話を聞くと、農薬を極力使わない自然派農法を行い、昼夜の寒暖差も20度ほど違うとのことで、骨太ながらギュッと凝縮したぶどうができると、自信に満ちあふれていました。

ギュッと実の引き締まった良質なぶどうができるからこそ、果実味のしっかりしたワインができるんだと、人気の秘訣が分かりました。

また、現地を訪問した際に出会った衝撃の白ワインが、「ビニャルバ・シャルドネ」。
完熟したシャルドネの、あふれんばかりのトロピカルフルーツのような風味がたまりません!

今、こちらの白ワインが入った「ワインバスケット 白ワイン6本セット」もご用意していますので、この夏、ぜひお楽しみください!

現地を訪問すると、色々なワインに出会い、たくさんの発見があります。
これだ!と思うワインはほんの一握りですが、本日ご紹介したワインは自信があります!
ぜひ一度、お試しください。


突撃買付隊 福井

ノンアルコールも本気です!

酒屋のノンアルコールなんて、品揃えとして置いているだけ・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ヴィノスのノンアルコールは違います!

今まで本格ワインを飲んできたけれど、今はお酒を控えている・・・という方。
健康にもワインにもこだわるお客様で、子供たちとも一緒に楽しみたい、という方。

そんな方のために、ノンアルコールも本気です。
味わいをチェックし、現地を訪れ、納得のいく商品を仕入れています。

お盆はご自宅でゆっくり過ごすという方も多く、みんなで楽しめるノンアルコールは、店頭でも人気が高まっています。
そこで今回は、ヴィノスのこだわりが詰まったノンアルコールの中でも、今店頭で人気の商品を一挙にご紹介いたします。

【第1位】フルニエ ノンアルコール・シードルBIO

「ノンアルコール・シードルBIO」は100%有機リンゴから造られ、まるでリンゴをそのまま丸かじりしているかのようなジューシーな味わい。リンゴの発泡酒「シードル」で数々の金賞を受賞する農家が、シードル用のリンゴから造る、しっかりと飲み応えのある本格派ノンアルコールです。

美味しいシードルを見つけたい・・・その思いで、シードルの中心産地であるフランス北部ノルマンディー地方を訪れ、たくさんのシードルを試飲し、「これだ!」と思ったのが、フルニエ家でした。

フルニエ家は、一言でいうと「リンゴ農家」。
農薬を使わず、家族で丁寧にリンゴを育てています。

彼らの「ノンアルコール・シードル」は、まるでシードルのようなしっかりとした味わいでありながら、まったくのノンアルコール。お子様のために造ったので、オーガニックにこだわったのだそうです。

実はリンゴには、赤ワインに負けないくらいのポリフェノールがあると言われています。特にシードル用のリンゴは、小ぶりで皮が厚いので、日本の食用リンゴ以上にポリフェノール量が多いのが特徴です。

赤ワインには、抗酸化作用があり、動脈硬化など生活習慣病予防に役立つポリフェノールが多く含まれていますが、赤ワインが飲みたい・・・でも苦手、という方に、どうしても美味しいノンアルコール・シードルを選びたい・・・そんな思いで探して見つけた一本です。

【第2位】蔵のあまざけ(全5種類)
ビタミンやアミノ酸を豊富に含むことから、身体にいいと「飲む点滴」とも言われる甘酒。
甘酒には、「酒粕」から造られるものと「米麹」から造られるものがありますが、中でも「酒粕」から造られる甘酒が今、改めて注目を集めています。

当店の「蔵のあまざけ」は純米大吟醸の酒粕から造られるので、ビタミンBや食物繊維も豊富!
睡眠改善や美容にもいいと言われています。

▼詳しい健康効果は、こちらの特設ページから
https://www.v-yamazaki.co.jp/shop/c/c03/

なぜワイン専門店なのに「あまざけ」なのか?

きっかけとなったのは、お客様から「美味しい甘酒はないの?」とお問い合わせをいただいたこと。
当店ならではの美味しい甘酒を造りたいという思いから、その元となる「酒粕」に何よりもこだわりました。

ヴィノスやまざきの原点は、静岡の小さな酒屋だった「やまざき酒店」。
「静岡の旨い酒を全国の人に飲んでもらいたい」という思いで、当時はまだ無名だった地元の酒蔵を訪れ、蔵元と二人三脚で、全国へその味を広めていきました。

そして、静岡の日本酒の魅力をより多くのお客様に楽しんでいただきたい・・・と、長年共に歩んできた静岡の蔵元「磯自慢」「初亀」「正雪」「開運」「臥龍梅」の希少な純米大吟醸酒の酒粕を分けていただき、「蔵のあまざけ」は誕生したのです。

【第3位】ゲオルグ・フォルスター ドイツの農家のぶどうジュース(白/赤)

ドイツの小さなぶどう農家が、ワイン用のぶどう品種から造るオーガニックのぶどうジュースも、知る人ぞ知る人気商品です。
白は、白ぶどうのフルーティーな香りにあふれ、フルーツ本来の甘みと爽やかな酸味が絶妙・・・
赤は、完熟した黒ぶどうの旨みをたっぷりと感じる、濃厚な味わい。

ドイツ西部のワイン産地ナーエ地方の中でも、ワイナリーがわずか7軒しかない小さな村でぶどう栽培を行うフォルスター家。日当たりのよい急勾配の畑で育てたぶどうは、機械が入れないためにすべて手作業で丁寧に収穫しています。

フォルスター家は、もともとワイナリーにぶどうを卸す栽培農家としてスタートしました。自然を大切にしたぶどう栽培にこだわる彼らは、いち早く有機栽培にも取り組み、1996年にはドイツのオーガニック認証「Ecovin」を取得。育てているぶどうは、100%有機栽培です。

「私たちのワインはあまり派手ではありませんが、素朴なこの地域の伝統的な味わいを大事にしているんです。」

そう語ってくれた彼らが、ぶどう本来の味わいをストレートに楽しんで欲しいと少量のみ造っているノンアルコールのぶどうジュースは、こんなに濃いぶどうジュースは初めて・・・と思ったほど、旨みがぎっしり詰まっています。

6本でお得になるセットもご用意しておりますので、ご自宅用にぜひお楽しみください!

大人からお子様まで安心して召し上がっていただけるこだわりのノンアルコールで、みんなそろって乾杯しませんか?

たまプラーザ店店長 澤田

ラングドックワインは「主役」ではない。そう思っていました・・・

昨日は、ヴィノスやまざきの歩みとともに、当店の「商人魂」をご紹介しましたが、今回は別の畑にいた私の視点から、この「商人魂」を肌で感じた瞬間をお話しさせていただければと思います。

私がヴィノスやまざきに入社したのは昨年末。
その前は別の会社で輸入ワインを販売していましたが、ホテルやレストラン、ヴィノスやまざきも含めたワインショップといった企業様がお客様でした。
数年働いた後、「得意先の先にいるお客様が、どうワインを楽しんでいるのか知りたい」と思い、ヴィノスやまざきの門を叩きました。

入社してすぐに新入社員研修があり、説明を受ける中でまず衝撃を受けたことがあります。
「珍しい。ラングドックワインが多い。」

今まで仕事で数々の試飲会に足を運びましたが、フランスのボルドーやブルゴーニュ、シャンパーニュ、カリフォルニアワインといった、有名産地のワインを中心に紹介している企業が多かった印象があります。
私自身も、ラングドックワインのイメージは?と聞かれて出てくるのは「安旨ワイン」で、いわゆるワイン企業にとって「主役」ではない。
しかし、まずここから飲んでと言われて出てきたのは、レゾリュー、プティ・プロ、シャトー・ラ・グラーヴ・・・全てラングドックワイン。
なんでこんなにラングドックワインが多いんだろう・・・珍しいな。
それがファーストインパクトでした。

そして、研修で出てきた、ヴィノスやまざき始まりの一本 「シャトー・レゾリュー 赤ラベル」

えっ、蔵直ワイン第一号がラングドックワインなの?と思いながら、手に取ってボトルを見ると「見た目がかっこいい」。
深い赤地のラベルに金色の文字。大好きな組み合わせです。

どんなワインなんだろうと期待しながらグラスに注ぐと、濃厚な色調に溢れる赤い果実の香り。
口に含むと、南仏らしい太陽の光をあびて旨味が凝縮されたぶどうの果実味と、ふくよかな味わいが広がりました。飲みやすい、美味しい!

後日、なぜラングドックワインから輸入を始めたのかという謎を解明すべく、社長にお時間をいただいて、「シャトー・レゾリュー」の出会いをインタビューすることにしました。

***

シャトー・レゾリューとの出会いは1987年。

当時、日本酒を中心に販売していた山崎商店(ヴィノスやまざきの前身)の片隅で、ワインの専門店を開始しました。
日本で人気なフランスのボルドー、ブルゴーニュといった有名産地のワインを中心に仕入れたのに、売り上げは芳しくない。ニーズに合わせたはずなのになぜ売れないのかと、苦悩しました。

そんな時、ある勉強会で衝撃を受けた言葉がありました。
「店はお客様の為にある。」
なるほど、ならば本当にお客様の望んでいるワインは何だろうか?
試行錯誤を繰り返す中、あるお客様から「本当に美味しいワインは1万円位するね。私は毎日飲みたいから1,000円代で1万円くらいの味のワインがあればケースで買うよ。」と、言われました。

それならば、とフランス大使館のワイン試飲会に行ってみると、やはり大手企業の方々が群がるのは有名産地のブース。あたりを見回してみると、ふと目に入ったのが、ラングドック・ルーション地方の「シャトー・レゾリュー」でした。

当時は無名産地だったせいか、誰もいない。とりあえず飲んでみるか、と一口・・・
あまりの美味しさと価格の安さに驚愕しました。
現地に飛び、目にした丁寧な手摘みの収穫、こだわりの醸造法・・・
すぐに仕入れをお願いしたんです。

初のワインの輸入。資金がない。
無名産地のワイン。売れるかも分からない。
しかし、「店はお客様の為にある。」という言葉を信じ、お客様の声に応えるべく、地元の銀行に飛び込み1,000万を背水の陣で借金し、輸入を開始しました。
半年で売ろうと思っていた数千本のワインは、なんと1カ月で完売!
購入された有名作家の方が「一口飲んだ時、1万円はするな・・・と、思った。」と、新聞のコラムにも書いて下さったんですよ。

***

社長の熱の入った話を聞きながら、これが「商人魂か・・・!」と圧倒されました。

自分がもし同じ立場だったら。お金もなくて、まったくの無名だったワインを仕入れるなんて、冒険できるか・・・?正直、今の私には難しいです。
しかしながら、お客様の期待に応えたい、蔵元の熱意を伝えたい、お客様が必要としているワインはこれだという、お客様との強い信頼関係があったからこそ成し遂げられ、今のヴィノスやまざきに繋がったのではないでしょうか。
「この商人魂こそ、ヴィノスやまざきに入って学びたかったことだ・・・」こう実感しています。

この未曾有の事態に陥っている中でも、ありがたいことにヴィノスやまざきは営業を続けることができます。
これも一重に、私たちを必要としてくださるお客様の支えがあるからです。
この場を借りて御礼申し上げます。
先代の山崎巽と現社長種本祐子が、日本酒でもワインでも「お客様の求めるものを誠実にお届けする」という理念を忘れず、皆様に楽しいワインライフをお届けできればと思います。

本日のブログでご紹介したシャトー・レゾリューは、「まずはこちらから!蔵直便スタートセット」でお求めやすくなっております。
まずヴィノスやまざきを知るためにはここから飲みなさいと研修の際に言われた、当店の想いがこもったワイン大集合セットです。
是非、お楽しみいただけると幸いです。

内藤
~簡単な自己紹介~
大学卒業後にフランスに留学。語学勉強をすると同時に興味のあったワインにも触れる。
帰国後、別のワイン企業に就職。ホテルやレストラン、ワインショップといった対企業販売をする中、「得意先の先にいるお客様が、どうワインを楽しんでいるのか知りたい」と思い、ヴィノスやまざきに2019年に入社。現在マーケティング部でWEBSHOPとSNSを担当。
推しワインはプティ・プロ シャルドネ樽熟成とボーモンのホープ・マルゲリート。 しょっちゅう飲むのはリッチランド ブラック・シラーズ。




ヴィノスが時代を超えて貫いてきた商人魂

先日、朝日カルチャー静岡にて、女性のための日本酒講座『SAKEOLOGY@WOMEN』が開催され、ヴィノスやまざきの三代目・種本がゲスト講師として参加しました。

この講座は、「しずおか地酒研究会」主宰の鈴木真弓氏がプロデュースする人気企画。
ライターでもある鈴木氏は、「地元にこんなに旨い酒がある」ということを静岡の人に知って欲しいと、1996年に「しずおか地酒研究会」を立ち上げました。

その思いは、まさに、静岡地酒の普及に奔走してきた歴史を持つヴィノスやまざきと同じ。
その鈴木氏が、ヴィノスやまざきのこれまでの歩みを紹介してくださいました。

詳しくはこちらから▼
https://blog.goo.ne.jp/mayumiakane1962/e/0bb85ee6bdf1a7f16453543a8abe0d02

鈴木氏の記事にもある通り、ヴィノスやまざきには日本酒の取り扱い店舗が多くありますが、創業の経緯を知らないと「ワインショップが、日本酒にも手を出した」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかしながら、実はヴィノスやまざきの原点は日本酒。静岡地酒を自らの足で探してお客様へお届けしていました。そして、同じ思いで始めたのが「蔵直®ワイン」です。

生産者よりもお客様の方を向き、生産者とお客様をつなぐのが小売業の使命である=「店はお客様のためにある」という思いこそ、日本酒・ワインにかかわらず、創業当時からずっと貫いてきた、ヴィノスのDNAなのです。

現在も静岡の地酒を中心とした日本各地の地酒をご紹介していますが、長年取り組んできた蔵元の一つが、「初亀」です。

初亀醸造は、旧東海道に面した静岡県中部の岡部町にあり、静岡県でもっとも歴史のある蔵元の一つ。

今でこそ、1万円を越えるプレミアム地酒は珍しくありませんが、実は日本の蔵元に先駆けてチャレンジしたのが初亀でした。
1977年に、当時日本で一番高価な酒として、当時の小売価格が一升瓶で一本1万円の「」の発売に踏み切り、全国の酒蔵を驚かせました。

全国清酒品評会において5年連続第一位を受賞するなど、静岡のみならず全国から注目を集め、次第に名が知られるようになった初亀。
日本酒愛好家間では、知る人ぞ知る名蔵元となりました。

その初亀と、「静岡地酒らしい、すっきりとした飲み口で美味しいお酒を造りたい」と、静岡の米・水・酵母にこだわって共同開発した一本が、「初亀 粋囲 純米吟醸」です。
長年の関係があってこそ、実現することができたこちらの一本は、じっくりと低温で発酵し、綺麗で旨味溢れる味わいに仕上がっています。

そしてこの夏、「初亀 特別純米 ほまれふじ」が新入荷いたしました。
より穏やかで軽やかな口当たりのため、和食全般や、出汁の聞いたお料理との相性が抜群です。

この「初亀 特別純米 ほまれふじ」をはじめ、ヴィノスやまざきが長年取り組んできた静岡地酒のセットをご用意いたしました。どれも暑い季節に、ぜひ冷酒としてお楽しみいただきたい銘酒ばかりです。

そして「アルコールが苦手・・・」「健康が気になる・・・」という方には、初亀の純米大吟醸の酒粕を贅沢に使用した「初亀 蔵のあまざけ」がおすすめ。

飲む点滴とも呼ばれ栄養満点のあまざけですが、こちらは純米大吟醸の酒粕ならではの香り高さが特徴。 旬の果物を絞って、アレンジしても美味しく楽しめます。

今でこそ「吟醸王国」とまで呼ばれるようになった静岡ですが、40年前は、「静岡=日本酒」のイメージはまだまだ定着していませんでした。

しかし、地元のお客様からいただいた「静岡に美味しい地酒はないの?」との声をきっかけに、静岡県中の酒蔵を訪問して回り、静岡地酒の普及に取り組んだのが、ヴィノスやまざきの先代・山崎巽だったのです。

良い酒を造る蔵元を、もっと多くの人に知って欲しい。
その思いを胸に、これからもとことん「旨い酒」をお届けしてまいります。

矢尾

暑い日こそ飲みたいコクあり赤ワイン!

全国的に猛暑が続いていますね。

そんな季節は、キンキンに冷えた白ワインやスパークリングワインで、シュワっと爽やかな気分を・・・と思いきや、店頭で接客しているとお客様からは…
「暑いからこそ、とにかく濃厚でコクありワインが飲みたいです」
「今夜はステーキだからがっつりした重いワインのおすすめは?」
と、意外にもしっかりしたタイプの赤ワインをお探しの方が多くいらっしゃいます。

夏を乗り切るためにも、スタミナをつけて頑張るためにも、お肉と赤ワイン!というベストパートナーはすごくいいですね!

とにかく果実味がしっかりして濃厚なワインと言えば、当店の赤ワイン部門で人気NO.1のストーンヘッジ・メリタージュ!?・・・と思いきや、そのワンランク上のワインが登場。

ストーンヘッジ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ・ナパヴァレー2017

実は、当店は長年に渡りカリフォルニアワインを取り扱ってきたお店です。
1993年、「カリフォルニア・ワイン・マスター・コンテスト」で優勝したことで、多くのカリフォルニアの有名ワイナリーから招待を受け、見学・研修させて頂きました。

ちょうど、フランス高級ワインとの国際的試飲対決で圧勝したナパ・ヴァレーのワインが、世界的に有名になり始めた時でした。
大きなテイスティングルーム、華やかな建物・・・多くのナパ・ヴァレーのワイナリーは、建物や設備の荘厳さでブランディングを図った結果、成功を収めました。
今や、ナパ・ヴァレーは観光地としても有名になりました。

そんな時、街はずれの小さな商店とも思えるところにテイスティングルームを構え、信じられないようなコスパでワインを造っているストーンヘッジ・ワイナリーと出会いました。

彼らは、ナパ・ヴァレーにある大手ワイナリーと異なり、大手ワイナリーにぶどうを供給している品質の高いぶどう農家と契約し、小さな醸造所でこだわりのワインを造っていました。

それからしばらくして、ストーンヘッジのオーナーが、遠いカリフォルニアからわざわざ訪ねてきました。
その理由は、「ブランドがなくても美味しいワインなら売れるインポーターは、ヴィノスやまざきしかない。」と、現地で評判を聞き訪ねてきたとのこと。
「とにかくお客様の声を優先する」というストーンヘッジは、多くのナパ・ヴァレーのワイナリーが年々価格を上げても踏みとどまり、今ではヴィノスやまざきのお客様のためにぶどうを買い付け、オリジナルワインを造ってくれるようにもなりました。

「3000円でとびきりおいしいナパ・ヴァレーのワインが欲しい」という難しい依頼も、彼らは実現してくれました。それが、当店人気NO.1の赤ワイン「メリタージュ」シリーズなのです。

そして、今回入荷した、ストーンヘッジ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ・ナパヴァレーは、彼らのプレミアムワインとして、当店でもお客様に長年愛されているワインです。
しかし、現地カリフォルニアでは終売になるということで、もう手に入らない幻のワインとなってしまいました。

そんな中、お客様からの
「あの黒いラベルのナパのワインが美味しかったけど、もう入らないの?」
とのお声を受けて蔵元と直接交渉を行い、日本のお客様のために特別にワインを継続していただけることとなったのです。

ナパ・ヴァレーの中でも有名産地のぶどうも使用して造られるこのワイン。
その味わいは、14カ月樽熟成を施すことで、濃厚で飲みごたえ抜群。渋みが前面に出ることなく、ぶどうの果実の凝縮感が感じられる1本です。
ナパの有名ワインと飲み比べても、このワインの持つ果実と渋みのバランスの良さが感じられると思います。

今回は、ナパ・ヴァレーの高級ワインの代表とも言える、オーパス・ワンとの飲み比べセットもご用意させていただきました。
蔵直ナパ VS 有名ナパ 飲み比べセット

また、8月28日(金)までは6本セットがお買い得となっております。

今では現地でも手に入らないこの一本を、ぜひお楽しみいただければ幸いです。

福井

【食いしん坊Cookブログ】手間なし時短!おもてなし料理編

ご家族や友人と集まる機会も増えるこの時期。 ご自宅でも少しの手間で手抜き感なく、簡単に造れるおもてなし料理はいかがでしょうか。

今週の【食いしん坊Cookブログ】では、当店で販売しているチーズや食材と、コンビニなどでもすぐに手に入る食材で、簡単にできるおもてなし料理をご紹介します!

そして、やはり“おもてなし”には、スパークリングワインが欠かせません!

テーブルを華やかに彩り、食前酒としても食中酒としても人気のスパークリングワインは、1本ストックしてあるだけで、急な来客があっても大丈夫。

そこで本日ご紹介するのは、まるで当店とは親戚のような、イタリアの小さな蔵元が造るスパークリングワインです。

今から20年ほど前。
イタリア人の友人から「手頃で美味しいワインを造る蔵元がピエモンテにある」と、「マンフレディ」という蔵元を紹介してもらいました。

イタリア北部のピエモンテ州は、「ワインの王様」とも呼ばれる赤ワイン“バローロ”などの高級ワインが産出される、イタリア屈指の銘醸地。

「ピエモンテで安価なワインを造れるのは、大量生産のメーカーくらいだろう・・・」
そう思いながら、マンフレディを訪ねました。

すると、そのイメージを覆す出会いがあったのです。
彼らのワイナリーがあるのは、ピエモンテ州の中でも、当時日本ではあまり知られていなかった「ランゲ」という地域。
畑に案内してもらうと、十分な日照量を確保できるよう、急勾配ですり鉢状の土地に、ぶどうが植えられていました。

彼らの畑は「ブリッコ・ロッソ(一番先にぶどうが色づく丘の頂上)」と名付けられており、質の高いぶどうが育つ、隠れた銘醸畑だったのです。

そして、醸造所の中を見せてもらうと、飾ってあったのは「大八車」。

マンフレディは、1918年に創業した現当主のお爺さんが、昔は造ったワインを大八車に乗せ、丘をいくつも超えてお客様のもとへ行商し、お客様の声に耳を傾けていたそうです。
「創業の精神を忘れないよう、大八車を飾っているんだ」と教えてくれました。

実は当店も、買付隊長である現社長・種本の祖父が1913年に創業当時、地元のお酒だけでなく、味噌や醤油を大八車で行商して販売していました。

創業の歴史が似ているマンフレディとは、一瞬で意気投合し、ワインの直輸入をスタート。
約20年経った今でも、マンフレディが造るワインは、多くのお客様に愛されるロングセラーです。

そして、シャルドネ種と地場品種のコルテーゼ種を使用し、辛口ながら柔らかい果実味も兼ね備えたフルーティーなスパークリングワインが、「マンフレディ・ブリュット・ミレジマート2019」です。

実は、スパークリングワインのほとんどは、品質を安定させるために、複数の年に収穫したぶどうを使用しており、ラベルにはヴィンテージ(年号)が記載されません。

しかし、「当たり年」と呼ばれるぶどうの出来が素晴らしい年や、優れた区画のぶどうを使ったワインなどは、単一の収穫年のぶどうだけを使用し、ラベルにはヴィンテージが記載されます。

つまり、ヴィンテージが記載されるのは、ぶどうの質への自信とこだわりの証なのです。

こちらのスパークリングワインにも、ラベルに2019年と記載されています。
出来が良かったこの年のぶどうだけで造られ、よく晴れた日が続いたピエモンテを象徴するような、果実味に富んだ味わいに仕上がっております。

グラスに注ぐとほんのりと麦わら色で、太陽の光をしっかりと浴びて育ったぶどうならではの、力強くもフルーティーな香り。

完熟ぶどうを頬張ったかのようなフレッシュな果実味と、きめ細かくて繊細な泡立ちがいつまでも続き、食前酒としてだけでなく、お食事の最後までこの1本で楽しめます!

また、今回使用した食材とこちらのワインを合わせた限定セットもご用意いたしました!
この夏を美味しく楽しく乗り切るマストアイテムとして、ぜひお料理とワインをご一緒にお楽しみください。

ソムリエ 岩谷

この夏は、この一本さえあればOK!?人気No.1蔵元のオーガニック・スパークリング

ヴィノスやまざきで働く前、フランスのブルゴーニュ地方でワインの醸造をしていたために、ついフランスワインばかりを手に取ってしまいがちでした。 「ワインはやっぱりフランス」と長年思っていたそんな私が、ヴィノスやまざきで働きはじめてから、「フランス以外でこんなに美味しいワインがあったなんて・・・!」と衝撃を受けた経験があります。

ある夏の午後。
南フランスの蔵元訪問を終えてから、高速道路でフランスとスペインの国境を隔てるピレネー山脈を越えて行くと、夕日に照らされた荒々しい山肌の景色から一転、大都市の美しい夜景が広がっていました。それは、スペインでも有名な観光地である、バルセロナの光でした。

旅の目的地は、バルセロナ近郊にあるワイン産地、ペネデス地区。

この産地では、発泡していない普通のワインも造っていますが、最も有名なのがスパークリングワインの「カバ」です。カバの生産地は、スペイン国内のいくつかの特定地域が定められていますが、スペイン全体で造られるカバの生産量のうち、95%はペネデス地区に集中しています。

「カバ」は、シャンパーニュ製法と同じ、瓶内で泡を発生させる「瓶内二次発酵」製法で造られるスパークリングワインを指します。スペイン語で「洞窟」を意味する「カバ」は、洞窟で熟成させることからこの名が付いたと言われます。

そして、当店で大人気のカバの蔵元「モンマルサル」を訪ねました。 そもそもカバの生産は大手メーカーが大部分を占め、小さな生産者のものは価格がどうしても高くなってしまいます。今から約10年前、スペイン中を探し回っても、なかなか納得のいくカバが見つからなかった中、モンマルサルの営業マンが「私たちのカバを、ぜひ飲んでほしい」と、バックパック一つで訪ねてきました。その情熱に押され、試しに飲んでみると、驚きの味わい!そして安い・・・!

こうして出会ったモンマルサルは、カバの生産者の中では小規模ですが、小規模が故に自社ぶどうを中心に使用し、丁寧なぶどう栽培と醸造が可能になります。
さらに近年では、スパークリングワインの生産者では非常に稀な、有機栽培にも取り組んでいます。

訪問すると、「まずは最初にこれを見てほしい」と、高台に広がるしっかりと手の行き届いた畑を案内してくれました。スパークリングワインに必要な酸がしっかりとのったぶどうは、この高い標高の畑からもたらされ、味わいにキレを与えてくれるのです。

品質はもちろんですが、注目すべきは、そのコストパフォーマンスの良さ。
実際に試飲をさせてもらうと、「うん・・・これは美味しい・・・!」と思わず唸ってしまいました。

今回、モンマルサルから、なんとオーガニックのカバが初登場!
それが、こちらの「モンマルサル・カバ・レセルバ・オーガニック」。

グラスに注いだ途端、広がるトースト香と、白桃や柑橘類の華やかな香り・・・
有機栽培のぶどうを使用し、さらに24カ月という長期瓶内熟成を経ることで、優しい味わい、深いコクときめ細かな泡が生まれます。
これだけ手間をかけたスパークリングワインが、この価格で楽しめるとは驚きです!

また、こちらのカバをはじめ、ヴィノスやまざきが選んだぶどうの旨みがぎっしり詰まった自然派ワインを「夏のヴィノスおすすめ5本セット」として本日よりご案内しています。

真夏がやってきましたが、このカバがあれば食事も楽しめて、今年は夏バテ知らずで過ごせそうです。

寺田

有機ワインの聖地メンドシーノから、爽やかな白ワインが到着します!

長かった…。
私が待ちに待ったワインが、明日到着します。
その名は、「トゥルー・ヴァイン・オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン」。

全米でもっとも有機栽培が盛んなカリフォルニア州北部のメンドシーノ地区で、有機ぶどうから造られる白ワインです。

実は、ヴィノスやまざきでは、「有機栽培だから」仕入れているワインはありません。
美味しいワインの生産者は、常に丁寧にぶどうを栽培し、自然な造りで行っています。こうした生産者が、理想のぶどうを追い求めた「結果として」有機栽培にたどりついた、ということなのです。

このため、オーガニックワインだから仕入れた訳ではないけれども、長年取り扱いをしているうちに、いつのまにか「オーガニックになった(=有機認証を取得した)」というワインを、数多く見てきました。

そんな中、「カリフォルニアで、美味しくて手頃なオーガニックワインはないの?」というお客様の声を受け、現地を訪問して畑から探し、蔵元と一緒に造り上げた初めてのオーガニックワインが、「トゥルー・ヴァイン・バイオダイナミック赤」、そして明日入荷する「トゥルー・ヴァイン・オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン」なのです。

このワインを一緒に造ってくれたのは、DNAヴィンヤーズという蔵元。
蔵元名の「DNA」とは、Dennis and Andreaの略で、デニスさんとアンドレアさん夫妻を意味します。

このご夫妻との出会いは約25年前。 当時、ワインエージェントだったアンドレアさんに紹介されたワイナリーで、デニスさんはワイン造りをしていました。

全米で最も有機畑が多いと言われるメンドシーノ地区に長年暮らし、ぶどう栽培農家を知り尽くしていたデニスさん。ぶどうをナパ・ヴァレーなどの有名産地に売っていたにも関わらず、当時ワイン産地としては無名であったこの土地で、自分たちのワインを造ろうと、「CORO(コロ)」*ワイン委員会を立ち上げ、メンドシーノを有名産地にした立役者です。

*「CORO(コロ)」は、カリフォルニアの中でも自然農法が盛んな注目産地メンドシーノを象徴するプレミアムワイン。評議会の厳しい基準を満たしたワインだけが「コロ」として販売することを許されています。

その後、アンドレアさんとは何年も連絡が途絶えてしまい、ヴィノスやまざきはメンドシーノ産のワインの取り扱いをやめてしまいました。

しかしある日、お客様から「以前飲んだ、メンドシーノのワインが忘れられない」という声をいただいたのです。

「もう一度、あの頃売っていたワインのような、自然な味わいながらしっかりとしたストラクチャーのある、メンドシーノのワインを仕入れられないか…」

こうして、現地を訪問するために情報収集していると、突然、アンドレアさんからメンドシーノでデニスさんと結婚してワインを造っているとメールが!すぐにメンドシーノに飛びました。

二人はメンドシーノの山奥に畑を所有し、さらにほとんどのメンドシーノの農家と交流があるため、ぶどうの調達ができると教えてくれました。
そして、現地で夫妻と一緒に造り、何十年の友情が形になったのが、この「トゥルー・ヴァイン」シリーズなのです。

気になる「トゥルー・ヴァイン・オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン」の味わいは…

レモンやライムなどの柑橘類や白桃のような華やかな香りが、グラスの中で広がります。
豊かな果実味とキリっとした酸味のバランスが非常に良く、和食や魚料理をはじめ、どんなお料理とも合わせやすい味わいです。
クリーンなのに、ぶどう由来の旨味がたっぷり…これはすごい!

暑い夏の日には、よく冷やしてお食事前に一杯。
少し時間が経ってからは、溢れんばかりの果実味を、お料理と一緒にお楽しみください。

買付隊長 種本

【ここだけの話】人気蔵元が造る、掘り出し物の赤ワイン

普段からワインが好きでよく飲む私が、最近「これは、掘り出し物だ…!」と驚いた赤ワインがあります。

そのワインは、良い意味で、私の期待を大きく外してくれました。

このワインの産地は、白ワインで世界的に有名であり、生産量の7割以上を白ワインが占めています。
赤ワインも造られてはいるのですが、一般的にこの地方の赤ワインは、色調も明るく、酸味を感じるエレガントな味わいが多いのです。
さらに、このワインを造る蔵元は、白ワインで世界のトップクラスの評価を獲得したこともある「白ワインのプロフェッショナル」。

そのため、彼らの白ワインは絶品なのですが、正直なところ、彼らが造る赤ワインにはあまり期待していませんでした。一口、口にするまでは…

グラスに注ぐと、その赤ワインは色調が非常に濃くて、熟したベリーの香りが注いだ瞬間から広がります。口に含むと、圧倒的な濃縮した果実味とスパイシーさにびっくり!
でも、適度な酸味が余韻を軽やかに感じさせてくれ、夏でも楽しめる…

一言でいうと、本当に美味しかったのです!

その赤ワインとは…

ドメーヌ・ジボー・エモーション

このワインが造られるのは、フランスのロワール地方。
中でも、東部の「サンセール」や「プイイ・フュメ」といった産地の、ソーヴィニヨン・ブラン種から造られる白ワインが有名です。

当店でも以前から、サンセールやプイイ・フュメの白ワインを輸入してきましたが、「今ひとつ物足りない…」そう感じていました。

「美味しいソーヴィニヨン・ブランのワインは、高価なものばかり。
もっとフルーティーで濃くて美味しいワインを、3,000円以下で売れたら…」
そんな強い思いを胸に、現地に渡り、ありとあらゆる生産者を回りました。

朝から晩まで、ソーヴィニヨン・ブランの試飲、試飲。
白ワインの試飲がこれほど苦痛に思えたのは初めてです。
どのワインを飲んでも、とにかく「酸っぱい!」。

納得できるものはやはり高い…と諦めかけていた時、ロワール地方の中央に位置するトゥーレーヌ地区の蔵元を紹介してもらいました。

その蔵元が、「ドメーヌ・ジボー」です。

彼らのソーヴィニヨン・ブランを試飲すると、フレッシュでトロピカルフルーツのような溢れる果実味と、柔らかい酸味、そして旨味のある味わい…
それはまさに私たちが探し求めていた味だったのです!

酸がしっかりしているのがソーヴィニヨン・ブランの特徴ですが、 彼らはぶどうを完熟させて、さらに収穫量を落とすことで、これほどまでに豊かな果実味を持ったワインを造っていました。

奥様と二人、手造りで造る無名のワインこそ、私たちの理想のワインだったのです。

そんな彼らが少量のみ造る赤ワインが、「ドメーヌ・ジボー・エモーション」

改めて思えば、白ワイン同様、しっかりと完熟を待って造るからこそ、ぶどうの旨みをたっぷり感じる味わいになるのだと実感しました。
過去に当店の蔵直Rワイン定期便で登場し、今では隠れた銘品として、ワイン好きのお客様やヴィノススタッフの間でも密かに人気です。

このワインを飲むと、また新しいワインの魅力に引き込まれることは間違いありません。
そして、8月7日(金)までご案内中の「サマーワインセット」では、このワインが入った組み合わせもご用意しています。

白ワインの名手が手がける「掘り出し物」の赤ワインを、ぜひお楽しみください。

鶴見

ワイン初心者も、ワイン通も。夏には癒しのドイツワイン

いよいよ夏本番!

夏といえば、手頃で美味しくゴクゴク飲めるスペインのスパークリングワイン「カバ」や、ポルトガルの微発泡白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。

ヴィノスやまざきでは、毎年「夏ワイン」として、オーストラリアの新酒「リッチランド・ヌーヴォー」と、イタリアの微発泡ワイン「タッキーノ・フリッツァンテ」をご案内しています。
もうお召し上がりいただけましたでしょうか?

これらのワインも、もちろんオススメなのですが…
普段は辛口赤ワイン派の私が、この季節に無償に飲みたくなってしまうのが、フルーティーですっきりとした味わいのドイツワインです。

中でもおすすめは、今店頭に入荷している「ウィリ・ハッグ・リースリングQbA」。

ドイツを代表するぶどう品種リースリングから造るこの白ワインは、シトラスや青りんごのようなフレッシュ感のある香り。
そして、熟したピーチのようなほんのり甘みのある味わいと、心地よい酸が暑い季節にたまりません。

実は、ヴィノスやまざきのワインの取り組みで一番古いのは、ドイツワインなのです。

1970年代、先代の山崎巽が「ワインってこんなに美味しいんだ」と取り組み始めたのが、ドイツワインでした。

当時はドイツ産の甘口ワインが流行しており、当店でもモーゼル地方やラインヘッセン地方の甘口ワインを販売していました。当初は国内のインポーターから仕入れていましたが、年々価格が上がってしまい、味わいもドライなものばかりになっていきました。

転機となったのは、まだ日本でワインスクールというものがなかったこの頃、酒屋さんの質を上げようと、日本のワイン醸造の第一人者であった故・岩野貞雄先生が開催したワインスクール。
その教材ワインは、岩野先生自らが海外から選び抜いたワイン達でした。

このワインスクールで学んでいた先代は、「ウィリ・ハッグ」という、ドイツの小さな蔵元のワインに出会います。

彼らのワインは、甘いだけでなく、しっかりと酸味もあってバランスの良い味わい。
「これだ…!」と直感し、ドイツワインの直輸入を決意するきっかけとなったのです。

ウィリ・ハッグがあるモーゼル地方は、ドイツ最古のぶどう栽培地域といわれています。

ドイツの特級ワインの中でも特に人気の高い、ピースポート村の「ゴルドトロプフェン(=「黄金の雫」の意味)」や、ブラウネンベルグ村の「ユッファー(=「乙女」の意味)」といった、最上級クラスのぶどうができる単一畑を擁する銘醸地です。

ウィリ・ハッグは、500年以上に渡ってこの地域でぶどう栽培を行う名家「ハッグ家」の分家にあたる名門。
ドイツワインの大御所として知られる有名生産者「フリッツ・ハッグ」から畑を譲り受け、現在は、当主であり醸造家を務めるマルクス・ハッグさんが、洗練されたワインを造り出しています。

彼らの畑はブラウネンブルグ村のモーゼル川に面した南向きの急斜面に位置しており、すぐ横には名だたる名蔵元の畑が立ち並びます。
これだけの急斜面のため、ぶどうの収穫は、もちろん全て手作業で行われます。

実は、当店とは35年以上のお付き合いがあるウィリ・ハッグ

近年では、ドイツワインも辛口が主流になってきましたが、それでも彼らの甘口白ワインは、ワインを初めて飲む方からワイン通の方まで、変わらず愛され続けるロングセラーです。

この機会にぜひ一度、手に取ってみてください。

ドイツワイン上級ケナー 保坂

ヴィノスも蔵元も…チャレンジ精神は続きます!ワインのプロも愛飲する、夏こそ飲みたい情熱の赤ワイン

ヴィノスやまざきをこれまで長年支えてきたものの一つが、「チャレンジ精神」だと思っています。

1913年に、初代・山崎豊作が静岡の小さな酒屋として創業し、
1980年代には、二代目の山崎巽が、当時まだ無名だった静岡地酒を全国に広めるべく奔走、
1994年には、三代目の社長・種本が、当時は商社から仕入れるのが一般的だったワインの直輸入をスタート。

今年もまた、これまでに経験したことのない難しい状況に直面しながらも、新サービス「GOYOKIKI(御用聞き)」を開始し、お客様に支えられながら、ここまで続けてくることができました。

時代の荒波にもまれ、何度もピンチに直面しながらも乗り越えることができた理由の一つは、創業の時から受け継いできた「不屈のチャレンジ精神」に他なりません。

そして、このチャレンジ精神は、四世代目となるヴィノスの次世代を担うスタッフにも、しっかりと受け継がれています。

昨日、日本ソムリエ協会による「全日本最優秀ソムリエコンクール」の準々決勝が行われました。
全国各地の予選を勝ち抜いた23名のソムリエが参加した準々決勝に、西武池袋店の四家店長が出場。
今回は惜しくも準決勝に進むことはできませんでしたが、「これからも挑戦を続ける」という熱い闘志を胸に、これからも勉強を続けるそうです。

そんな四家店長が、困難にぶつかったときに、「このワインを手に取ると、初心にかえって頑張ろうという気持ちが湧く」と話していたワインがあります。

それが、「アングロ・イノチェンティ・カベルネ・ソーヴィニヨン」。

四家店長自ら現地を訪れ、その目でワイン造りを確かめてきた一本でもあります。

ラベルに大きく書かれたアルファベットの「」が印象的なこのワイン。
「あのAって書かれたワイン、ありますか?」と、リピートされるお客様も多い一本です。

その香りと味わいは、とにかく凝縮感にあふれパワフル!
グラスからあふれ出る香りが食欲をかき立て、思わずお肉料理を食べたくなってしまいます。
完熟したベリーの香りに、ミントやスパイスなどの風味や、きめ細かいタンニンが溶け込んで、ボルドーワインを思わせる複雑な味わいに仕上がっています。

この味わいを生み出す秘密は、厳しい大自然の中で行われる、丁寧なぶどう栽培にありました。

地球の反対側アルゼンチンまでは、日本から飛行機を乗り継いで約25時間。
さらに空港から、舗装もされていない崖っぷちを車で突き進みながら、5時間かけてたどり着いた先に、アングロ・イノチェンティはあります。

アルゼンチンを代表する銘醸地メンドーサ州は、アンデス山脈のふもとに広がるワイン産地。
アングロ・イノチェンティは、メンドーサの中でも、標高1000mを超える山奥に広がるウコ・ヴァレーの自社畑で、ぶどう栽培とワイン造りを続けてきました。

豊富な日照量と、昼夜の寒暖差、そしてアンデスの山々から吹き下ろす冷たく乾燥した風が、凝縮感にあふれ、健康なぶどうを育んでいます。

こうして育ったぶどうを、一つ一つ丁寧に、すべて手摘みで収穫しています。

ぶどうの質に定評があるアングロ・イノチェンティでは、なんと栽培するぶどうの85%を大手のワイナリーに卸していて、アルゼンチンのトップワイナリーも買い求めるほど。
そして自分たちの畑の最良区画のぶどうを使用して、質にこだわったワインを生産しています。

彼らが造るカベルネ・ソーヴィニヨンは、過去にはワイン専門誌で90点以上の高得点を獲得している他、『ワインスタイル(日本経済新聞出版社)』誌の「デイリーワイン王座決定戦」の赤ワイン部門にてBEST1に選出された実力!

アングロ・イノチェンティはもともと、フランスとスペインの国境にあるバスク地方出身のアングロ氏と、イタリアのトスカーナ出身のイノチェンティ氏が、理想のワインが出来る土地を求め、新天地で切り開いた家族経営のワイナリー。
彼らのチャレンジ精神も、4代目となる今の世代にしっかりと引き継がれています。

夏バテ気味のこの時期こそ、食欲をそそるアングロ・イノチェンティの赤ワインで乗り切りましょう!

本島

P.S. 四家さん、本当にお疲れ様でした!

名手が手掛ける特別な白ワイン ~イタリアからのメッセージ~

8月に入り、ヨーロッパやアメリカなど北半球のワイン産地では、ぶどうの収穫まであと一歩!
という大切な時期に差しかかってきました。

お客様からも、
「生産者さんのぶどう栽培は、例年通り?」
「果たして、今年のぶどうの出来は?」

というお問い合わせをいただくことがあります。

そんな中、イタリア屈指の高級ワイン産地であるボルゲリで、代々ワイン造りを行う蔵元マルケサートの当主マウリツィオさんから、日本の皆様にメッセージが届きました!

マルケサートはパワフルな赤ワインを得意としていますが、実は夏の季節にぴったりの白ワインも造っています。
「白ワインはマルケサートのものしか飲まない」というファンの方もいるほど…。

そこで、美味しい白ワインをお探しの方に今ぜひオススメしたいのが、マウリツィオさんが少量のみ仕込む「パペオ・ヴェルメンティーノ2018」。

生産量が少なく、一年を通してはご用意できないこちらのワインを、現在ご案内しております。

収穫量を抑え凝縮したぶどうを、さらに樽で発酵することで生まれる、ゴージャスでボリューム感あふれる味わい…
熟したリンゴやハチミツのような濃厚な味わいに、心地よい酸味、樽からくるクリーミーさもあり、カルボナーラのような濃厚なソースのパスタに合わせると絶品です。

マルケサートとの衝撃の出会いは、今から10年以上前。 買付隊は、イタリアのワイナリーを数十件まわったにも関わらず、なかなかコスパの良いワインに出会えずにいました。

そんな買付の旅の道中で、ローマ郊外にある地元で評判のレストランで食事をしていた時のことです。
その店で一番おすすめの赤ワインをお願いしたところ、出してくれたのが、マルケサートが造る「エミリオ・プリモ」という赤ワインでした。

話を聞くと、サッシカイアをはじめとする、イタリアを代表する高級ワイン「スーパートスカーナ」で有名な、ボルゲリ村で造られているとのこと。

一口味わってみると… 美味しい!

しかも、価格はスーパートスカーナの数分の一以下という驚きの手頃さ… さっそく蔵元を訪問するため、トスカーナ州の沿岸部にあるボルゲリ村を訪れました。

ワイナリーを訪問前に、ボルゲリ村のワインショップをめぐってみると、名だたるスーパートスカーナと並んで、あの「エミリオ・プリモ」が売られていました。

さらに驚くことに、その店を訪れる人が次々と手に取っていたのは、世界的に有名なスーパートスカーナではなく、「エミリオ・プリモ」だったのです…!

マルケサートが所有する畑は、オーナーのマウリッツィオさんの祖父エミリオさんが買い受けた区画。
サッシカイアを造る「サングイードぶどう園」と同じ区画の一部でした。


サッシカイアは今や世界的なブランドとなりましたが、マルケサートは今でも主に地域のお客様に販売するために、少量のみワインを造っています。

今年は、今までにない困難に直面しながらも、今まで以上に真摯にぶどう栽培に向き合ってきました。

天候にも恵まれ、今年の出来に期待が高まりますね! 笑顔で収穫を迎えられることを願って、ひと足お先に、マルケサートのワインで乾杯はいかがでしょうか。

本島