ナパ・ヴァレーで素晴らしいワインを造っているウォーターストーン・ワイナリー。
主宰のブレントは長年ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの主要メンバーとして、ナパワインを世界に広めてきた立役者です。
そしてワインメーカーのローリーフックは、かつて超有名大手ワイナリーで醸造を務め、伝説の女性ワインメーカーとして有名な人。
そんな二人は、派手なティスティングルームも持たず、醸造設備は借りて、とにかく究極に美味しいナパヴァレーのワインを、手頃な価格で造ることを目標にしていました。
高品質で、数万円、数十万円のワイン以上の高い評価を受けるも、手頃な価格で
ワインを提供してくれ、日本でも大人気のワイナリーです。
そんなウォーターストーンのブレントとローリーが10年前、
「目標としている超有名ワイナリーCのワインをオマージュしてワインを造りたい。
彼らの使っている葡萄も、醸造方法も熟成方法もすべて学んだ。
だから、このワインを『プロジェクトC』として、売ってほしい。」
と、ブレントから話がありました。
しかし、私は反対でした。
確かに「C」というワインは有名ワインだけれど、「C」をオマージュする必要があるのだろうか?
私からしたら、ウォーターストーンのスタディ・イン・ブルー(ナパヴァレーオークションにも過去出品されたワイン)も素晴らしいし、何も有名ワインの真似をしなくても…。
しかし、そんな「プロジェクトC」の2022が入荷したと言うのです。
買い付けたのは、昨年、カリフォルニアに買い付けに行った買付隊・福井。
「私は反対したよね。なぜ発注したの?」
と、いつものような親子喧嘩が始まりました。
すると、福井くんが
「とにかく飲んで下さい。そしてダメなら、すべて自分が買います!」
とのこと。
仕方なく、おそるおそる飲んでみました。
あ…旨い…
とにかく濃い…
ベルベットのようなとろみのある液体が、グラスの中でゆっくりと落ちてきます。
口に含むと、きちっとした酸味がワインの骨格となり、きちんとしているのに柔らかい。口の中で、たっぷりの果実味としっかりとした渋みがバランス良く溶けています。
こ、これは…
もはや、有名ナパワイン「C」を超えている。というより、ナパを超えたのではないか…
ワインとして、とても極めている…
カベルネソーヴィニヨン100%。
そして、葡萄は単なるナパ・ヴァレーではなく、最高の区画のひとつアトラスピークや特別な地域の葡萄を使っています。
さらに、フレンチオークで20カ月熟成させるという贅沢さ。
ここまで美味しい「ナパカベ」ってあるのだろうか…脱帽しました。
「これは素晴らしい。もっと早く輸入すれば良かった…」
と、反省していたら
「はい、実は5年前にも300本だけ仕入れていたのです。」と。
え?知らなかった・・・
「でもプロモーションもしなかったよね。」
はい、すべて、お客様にご紹介する前に、売り切れてしまったのです…
今回こそは、お客様にご紹介したくて隊長に試飲とブログをお願いしたのです。とのこと。
凄い、凄いよ、このワイン。
そして、福井くん、貴方もすごい!
買付隊の弟子は、師匠を超えました!
そして、「プロジェクトC」は完全に、本家本元の「C」を超えました。
「次回は、「プロジェクトC」というネーミングを変えようか?」
照れ隠しにそんなことを言ってみましたが、ブレントとローリーの実力も、またそれを目利きできるヴィノスやまざきのソムリエたちも本当に素晴らしいと思いました。
あまりにも美味しくて、最後の一口まで飲み干して、ちょっと涙が出てきました。
ナパ・ヴァレーの究極のワイン、300本限定です。
今回は売り切れる前に、最初に私が購入します!
元祖 買付け隊長
種本祐子