ここ数年、少し甘さも感じるほど果実味たっぷりで、濃くても口当たりが良くて飲みやすい、カリフォルニアの赤ワインの人気が高まっています。
でも、やっぱり赤ワイン好きならば、「凝縮した果実味だけじゃなく、酸味と渋みもしっかりと感じるような、王道のボルドーワインが飲みたくなるんですよね」という声をいただきます。
そんな赤ワイン好きのお客様に、25年以上愛され続けてきたのが、こちらのワインです。
シャトー・ムーラン・オーラロック
ボルドー地方の中でも、フロンサック地区というあまり知られていない産地のワインながら、最上級格付シャトー(数万~数十万円するペトリュスやシュヴァル・ブランなど)と同等の評価を得てきました。
でも、これはあくまで結果。
評価が高いから、お客様に愛され続けてきた訳ではありません。
では、一体何故なのか?
本日のブログでは、ロングセラーの秘密に迫りたいと思います。
当主のエルヴェさんとは、直輸入を始めた頃から、もう25年以上のお付き合いとなります。
「職人気質で頑固者」で知られるエルヴェさん。
地元でも、なかなかワインを譲ってくれないことで有名だったそうです。
ボルドーワインは、新酒の段階でネゴシアン(ワイン商)に売られ、それを熟成したネゴシアンがインポーター(輸入会社)に高く売る・・・というのが常識です。
しかし、エルヴェさんはネゴシアンには売らず、「本当にワインの品質をわかってくれる人にだけ、私のワインを売ってもらいたい・・・」と思いを強く持っていました。
そして、1994年にヴィノスやまざきの買付隊が蔵を訪問した時、「あなた方のような人たちが来るのを待っていた。」と、希少な熟成酒を売ってくれたのです。
それが、シャトー・ムーラン・オーラロックとの始まりでした。
以来、彼は、自分のワインが誰に飲んでいただいているのか・・・今の味わいで本当に満足していただいているのか・・・直接お客様に会って聞きたいという思いから、何度も日本に来日し、ヴィノスの新しいお店が開店する時や、大試飲イベント「蔵の祭典」の時にも、必ず駆け付けてくれました。
その結果、ワインはどんどん美味しくなり、多くのお客様にご支持いただくロングセラー蔵元になったのです。
ヴィノスが直輸入を始めた1994年から一貫して大切にしてきたのは、「お客様の代弁者」として、お客様が求めるワインをお届けすること。多くの蔵元たちの中でも、その思いを一番よく分かってくれているのが、エルヴェさんだと思うのです。
ところで、昨年「蔵の祭典」がコロナの影響で中止になった時に一番寂しがっていたのも、今回「蔵の祭典」をオンラインで開催すると連絡した時に一番喜んでくれたのも、エルヴェさんでした。
3月20日(土)に【蔵の祭典ONLINE】で、エルヴェさんの笑顔を久しぶりに見られるのが、今から楽しみです。皆様も、ぜひ一緒に乾杯しましょう!
鶴見
【プロフィール紹介】
フランスワインが好きすぎて、某地方銀行を退職。ヴィノスやまざきの存在に触発され、その数年後の1999年の夏に単身語学留学。場所は当店フランスワイン直輸入発祥の地、スペインとの国境沿いのワイン産地「ラングドック・ルーション地方」。 片道30㎞以内は自転車で蔵元を巡り、すっかり南フランスのワインの虜に。 2001年9月末に帰国後、早速ヴィノスやまざきに履歴書と入社への熱いメッセージを送り、同年12月25日からアルバイトとして渋谷店にて勤務を開始し、現在に至る。