こんにちは。
静岡本店、店長の戸塚です。
日本酒の蔵元では、寒さが厳しくなるこの冬の時期に、仕込みも本格化します。
当店でも多くのファンを持つ地元静岡の老舗蔵元「初亀醸造」から、今年の仕込みの様子が届きましたので、さっそくご紹介したいと思います。
初亀の酒造りは、「静岡の食と人に寄り添う酒」を常に意識しながら醸されています。
ここ最近では使用する酒米も見直し、地元米を使ったお酒を増やして、地元に根付いた酒造りを行っています。お米を栽培する地元の農家と協力して、少しずつ畑も増やしています。
私も昨年秋に現地を訪れましたが、畑になびく「初亀」の旗竿は、蔵元と米農家の品質に対するプライドを感じさせます。 気候も日照量も環境も良いといわれる、ここ静岡「朝比奈」地区に、これから旗竿が増えていくそうです。
地元の水、土地を愛し、その環境と共に酒造りを行う姿勢は、地元のお客様に愛される所以だと思います。
そして、常識にとらわれず、「何が良いのか」を考えて取り入れ、常に進化を続ける「初亀」。
その想いは、酒造りの随所に感じることができます。
たとえば、初亀では普通酒から大吟醸まで幅広い種類のお酒を手がけていますが、普通酒でも大吟醸と同じくらい手間をかけて造っています。
日本酒の味わいを左右する「麹(こうじ)」造りも、手間がかかるため一般的には吟醸酒にしか用いない「箱麹法」という手作業の製麹法を、普通酒にまで行っています。
ここまでこだわるのは「大吟醸造りは、普通酒造りの延長線上」との考えがあるからなのです。
「初亀醸造」の創業は1636年。
静岡県内では最古、全国でも31番目に古いという老舗蔵元です。
そんな歴史のある蔵元ながら、常に新しいことへの挑戦も続けてきました。
たとえば、今でこそ1万円を越えるプレミアム地酒は珍しくありませんが、実は全国の蔵元に先駆けてチャレンジしたのも、初亀。1977年に、当時の価格で一升瓶一本1万円の「亀」の発売に踏み切り、全国の酒蔵と日本酒ファンを驚かせました。
その初亀と、「静岡地酒らしい、すっきりとした飲み口で美味しいお酒を造りたい」と、静岡産の米・水・酵母にこだわって共同開発した日本酒が「粋囲」です。
「静岡の旨い酒を、全国の人に知ってほしい」と、会長、社長、そしてスタッフたちが何度も足を運び、その思いを共有したことで、ようやく実現することができたオリジナルの日本酒です。
発売から約6年・・・多くのお客様からご支持をいただいてきました。
その「粋囲」から、この季節限定のお酒が到着しました。
「粋囲 特別純米酒 生酒 720ml」
静岡県産の酒米「誉富士」を100%使用し、静岡の水・米・人が醸した特別純米酒。
「新酒のこの時期だからこそ楽しめる、フレッシュさを楽しんでいただきたい」と、あえて火入れをせず瓶詰めしていただきました。
フレッシュで瑞々しい口当たりに、お米の旨味と、上品な酸味がバランスよく楽しめる一本です。毎年この「生酒」を目当てにご来店されるお客様も多く、私自身も楽しみなお酒です。
今回、初亀醸造の橋本専務にお話を伺ったところ、こう話してくれました。
「昨年は非常に大変な一年でしたが、一方で初亀を楽しんでくださる皆さまとの絆は、例年以上に深めることが出来たのではないかと思います。本当に多くの励ましのお言葉を頂戴しました。
私たちは『静岡のヒト・食文化と調和する酒』を日々追求しており、とりわけ旬魚や和風だしとの相性がとても良いです。ぜひ美味しいお料理と共にお楽しみいただければ嬉しいです。」
そして、「コロナの終息がなかなか見えない状況ですが、酒造りを通してお客様に笑顔をお届けできるよう、引き続き真心をこめて、初亀らしい優しい旨酒を醸していきたい。」という橋本専務。
そんな彼らのこだわりを、ヴィノスやまざきではこれからも、一人でも多くのお客様にお伝えしていきたいと思います。
静岡本店 店長 戸塚
【プロフィール紹介】
イタリアワインが好きでワインに興味を持ち、通った「ヴィノスやまざき」。ワインが好きで入社しましたが、ここ静岡本店では数多くの日本酒があり、日本酒に触れ蔵元に触れる毎に日本酒にもはまり、いつしか14年経ちました。これからも皆様に美味しいお酒をご提案できればと思います。
そんな私のお薦めは「初亀」が醸す生酒各種。「うすにごり」「おりがらみ」「吟醸」「純米吟醸」と様々なタイプで四季折々に出荷される味わいは、どれも特徴が違うため毎年楽しめるお酒です。無くなり次第終了してしまいますので、気になる方は是非「粋囲」と合わせてお試しください。