私の人生を変えた・・・奇跡の南フランスの偉大なワイン


「南仏グラン・ヴァン」ってご存知ですか?

グラン・ヴァンは、フランス語で直訳すると「偉大なワイン」。
偉大なワインって何だろうと考えてまず思い浮かべるのは、フランスのボルドーやブルゴーニュという方がほとんどだと思います。

しかし、今このブログを書いている私は、無類の南仏ワインラバー。銀行員だったキャリアを捨て、南フランスに人生を捧げた男です。
今日は南フランスにある奇跡のグラン・ヴァンについてお話させてください。

今回ご紹介するのは、ふだんはボルドーやナパなど有名産地のワインが好きという方に、「南仏でちょっと良い日に飲むのに一番のオススメは?」と聞かれたらいつも真っ先におすすめする、私が愛してやまないこちらのワイン。

プリウレ・サンジャン・ド・ベビアン 赤

先日、たまたま2005年ヴィンテージ産の熟成酒を飲む機会に恵まれました。
パンをスライス・・・ミックスナッツとチーズを添えて、ちょっぴり贅沢な家飲みワインを開始。

予想通りまだまだ若さを感じる濃い色。抜栓した瞬間、グラス全体に赤い果物や地中海沿岸のハーブ、スパイスの風味が充満します。口に含むと、ワインにしっかりと溶け込んだ果実味としなやかな渋みがグングン押し寄せ、深く柔らかく口の奥に広がっていきます。

さらに、旨味たっぷりの熟成チーズがまろやかさを助長し、完璧なマリアージュに我ながら感動しました。
15年の長い年月を経たベビアンは、ようやく「南仏グラン・ヴァン」の名にふさわしい姿になっていました。

本日、皆様にご案内するのは、さらに1年古い2004年ヴィンテージです。
しかし、その前にまずは、ヴィノスやまざきとプリウレ・サンジャン・ド・ベビアンの出会いからお話したいと思います。

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1994年、まだ日本では無名だった南フランスのラングドック地方のワインを当店が直輸入し、多くのワインを日本に紹介したことで、現地の大物ワイナリーからオファーが来ました・・・

それが、フランスのラングドック地方の「プリウレ・サン・ジャン・ド・ベビアン」。

「マス・ド・ドーマス・ガサック」と「マス・ジュリアン」とともに、『ラングドックの3大グラン・ヴァン』と称される、まさに地元の実力派蔵元です。

これらのワイナリーがあるコトー・デュ・ラングドックという産地は、かつてカリフォルニアの世界的ワイナリーが土地を買収しようとしてそれに反対し、政治問題にまで発展し、この地を守り抜いた物語は映画にもなったほどです。
それほど、素晴らしい魅力的な土壌・・・

でも、そのことは、当時あまり知られていなかったし、当店が直輸入した1000円台中心のラングドックワインと違って、価格もそれなり・・・
最初はオファーを突っぱねたけれど、いざ飲んでみるとその味わいは本当にグラン・クリュそのものだったのです。
「これは当店のお客様に絶対に支持されるはず!」そう信じて直輸入を始めました。

元々は1153年に設立された修道院であり、その周りにはぶどう畑が広がっており、ラングドックで最も古いドメーヌ(蔵元)の一つです。

シャトー・ラヤス(シャトーヌフ・デュ・パプ)やタンピエ(バンドール)といった超有名ワイナリーからシラー、グルナッシュ、ムールヴェードルの苗木を譲り受けて植えた畑では、自然派農法を実践しています。

収穫量はなんと25hl/haという信じられないほどの低収穫量で、濃縮したワインを造り出していました。

以来、特に「ワインマニア」と言われる人たちに絶大な人気を得て、少量生産ながらロングセラーとなったワインなのです。

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ベビアンを訪問する際は、必ず1990年代から2000年代にかけての垂直試飲をお願いし、その時々で飲み頃になったヴィンテージのワインを、交渉の末少量だけ輸入しています。

さて、今回当店のお客様のために特別に譲っていただけたベビアン赤2004。
ワインの熟成には手間とコストがかかるため、多くのワイナリーは、若いうちにワインを販売してしまいます。こうして飲み頃を迎えるまで大切に自分たちのカーヴで熟成させるのは、自信とこだわりの証。

そして、ここまで熟成したオールドヴィンテージは、価格が高くなるのが常識です。しかし、若いヴィンテージ(年号)のものと同じ価格でこうした貴重なオールドヴィンテージが手に入るのは、全国にいるベビアンファンの支えと、長年に渡る蔵元との信頼関係があってこそなのです。

早速2004年も味わってみると、濃縮した複雑な果実味と重厚なタンニン(渋味)に、買付け隊全員が、「最高に美味い!」と大騒ぎ!しっかりとした酸味もありつつも、長期熟成を経たことで、さらに複雑な味わいに仕上がっています。

2004年は、一般的には2005年よりも評価が低いと思われがちですが、その分早熟な年でもあります。今まさに熟成の旨みと複雑な味わいを楽しむのにぴったりの「飲み頃ワイン」ではないでしょうか。

なんと『蔵直R便上級セット』 に入って、今ならお得にお試しいただけます。
一目惚れという名のシャンパーニュ、親へのオマージュを込めて造られた特別な白ワイン、メドック格付け上級クラスを同等評価のボルドー赤ワイン、高級感溢れる濃厚ナパヴァレーの赤ワイン・・・名だたるワインが勢揃いです。

お盆休みの最後は、極上に酔いしれてみてはいかがでしょうか。

常務執行役 ソムリエ 鶴見

【職務経歴】 フランスワインが好きすぎて、某地方銀行を退職。ヴィノスやまざきの存在に触発され、その数年後の1999年の夏に単身語学留学。場所は当店フランスワイン直輸入発祥の地、スペインとの国境沿いのワイン産地「ラングドック・ルーション地方」。片道30㎞以内は自転車で蔵元を巡り、すっかり南フランスのワインの虜に。2001年9月末に帰国後、早速ヴィノスやまざきに履歴書と入社への熱いメッセージを送り、同年12月25日からアルバイトとして渋谷店にて勤務を開始し、現在に至る。

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