「2020年産のワインって、いつも通りちゃんと作れそうですか?」
「もしかして、2020年産のワインって、一切飲めないんじゃ…」
近頃、店頭やお電話、WEBでのお問い合わせで、このようなご質問をお受けすることが増えました。
世界中でも、新型コロナの影響が特に深刻だった国が、イタリア、フランス、スペイン、アメリカなど、ワインが美味しい国ばかり。気になりますよね…
多くのお客様に、遠い国の生産者のことまで気にかけていただき、本当にありがとうございます。
そして、現地の状況をお伝えできておらず、申し訳ありませんでした。
じつはワインの業界も、この新型コロナの影響と無縁ではなく、物流面では世界規模で大幅な輸送遅延が発生したり、国によってはロックダウン下でワインの輸出が一時禁止されたりなど、影響を受けています。
そんな中、ヴィノスの蔵元たちは…
この状況の中でも、不思議なことに、とってもポジティブ!
とくにフランスの蔵元は、「とにかく、良いワインを作って届けることに専念する!」と、いつも以上に意気込んでいます。
なにが原動力になっているのか?
ちょうど昨晩、「日本のお客様に届けたい!」と、フランスの2つの蔵元から最新映像が届いたのですが、それを見てその謎が少し解けた気がするので、ご紹介させていただきます。
この他にも、蔵元とやり取りをする中で、どの蔵元も口を揃えて言っているのが、
「ぶどうはどんな時でも育つ。ぶどうはコロナなんてお構いなしだよ~」
しかも今年は、この困難の中で、例年以上の当たり年になりそうです!
大規模な生産者だと、スタッフが出勤できず、生産ラインを止めざるをえない場合も…
そんな中、ヴィノスの蔵元は、小さな家族経営の農家が中心なので、畑のそばに自宅があり、自分たちでぶどうの手入れをしている生産者がほとんど。
メッセージを寄せてくれた、ジボーとプティプロも、そんな蔵元です。
ジボーは、
「フランスのソーヴィニヨン・ブラン=酸っぱいと思っていたけど、イメージが変わった」
「こんなに美味しいソーヴィニヨン・ブランがあったなんて」
と、店頭でいつも多くの声をいただく、ソーヴィニヨン・ブラン種の名手。
それもそのはず。
買付隊が、手頃で本当に美味しいソーヴィニヨン・ブランを求めて、何十件ものワイナリーを訪問するもなかなか見つからず、「酸っぱい…もう飲みたくない…」と諦めかけた頃に、最後にようやく出会った蔵元です。
パスカルさんとダニエルさんのご夫婦二人で、ぶどう栽培から醸造までを手掛け、地域の他のどの農家よりもぶどうの完熟を待ってから収穫し、低温で時間をかけてじっくり発酵するので、出来上がった人気ワインはまるでピーチのような華やかでジューシーな味わい!
一方のプティプロは、ヴィノスで一番のロングセラーの白ワインの作り手で、お父さんのピケさんの代からのお付き合い。
ピケさんはもともとブルゴーニュ地方でワインを作っていましたが、「手頃でブルゴーニュクラスの高品質なワインを作りたい」と、南仏ラングドック地方でシャルドネなど国際品種のワイン造りを始めました。
その当時はまだ、地元の品種で大量生産をしている生産者が多かったラングドック地方では、異色の存在で、周囲からの風当たりも強かったとのこと。それでもワイン造りを続け、現在は娘のアニックさんが引き続き、変わらず質の高いワインを届け続けてくれています。
プティプロのワインの中でも絶品なのが、一番のロングセラーのシャルドネ樽熟成。丁寧に栽培したぶどうはトロピカルな果実味がたっぷりで、樽熟成しても樽の香りに負けていません。
これで1000円台という手頃さで、長年多くのお客様に支持されてきた一本です。
どちらの蔵元も、ぶどうの成長を毎日間近に見ていて、「良い出来になりそう!良いワインにしないと。」と、今できることに全力を注いでいます。
「飲んでくれるお客様に、最高に美味しいワインを届けたい!」
これが、蔵元たちにとって、いつも以上に高いモチベーションとなっています。
ところで、ぶどう栽培にまい進している蔵元たちですが、特に困っていることが一つ。
それは、フランス国内の大切な顧客であるレストランやバーが、なかなか再開の兆しが見えないことだそうです。
少しでも応援になれば…という気持ちで、今週末はジボーとプティプロのワインを飲みたいと思います!皆さまにも、ぜひ彼らのワインを楽しんでいただけたら幸いです。
本島