シャブリに負けない!?白ワイン

「シャブリ、ありますか?」
店頭に立っていると、このお問い合わせをよくいただきます。
これから夏場にかけて、キリッと冷やして飲むシャブリ。美味しいですよね。

「シャブリ」は、ご存知の方も多いかもしれませんが、フランスでもっとも有名な産地の一つブルゴーニュ地方の、シャブリ地区で造られる白ワインを指します。
「辛口白ワインの代名詞」と言われるほど、キリっと爽快な味わいで、日本でとくに人気が高い白ワインの一つです。
ワインを飲まない方でも、「シャブリという名前は聞いたことある!」という方も多いのではないでしょうか。

これだけ有名で人気なので、ワイン専門店には必ずと言っていいほど、シャブリが置いてあります。
素晴らしい(けれども高額な…)シャブリもたくさんあるのですが、その一方で、大量生産品で酸味が強いだけのシャブリも出回っています。シャブリはじつは、手頃で本当に美味しいものを見つけ出すのが難しいワインです。
ヴィノスやまざきでも、シャブリの取り扱いはございます。
ですが、あまりにも有名な「シャブリ」という銘柄の陰に隠れてしまっているとある白ワインで、「シャブリに負けないくらい美味しいのに…!」と思うイチオシの一本がありますので、ご紹介させていただきます!

シャテルス・ブルゴーニュ・シャルドネ



ドメーヌ・シャテルスの当主パスカルが、ぶどう栽培から手掛けるこの白ワインは、ふくよかな果実味と心地よい酸、そして上品な樽の香りがフワっと広がります。

パスカルは、毎年美味しいボジョレー・ヌーヴォーを届けてくれる、ブルゴーニュ地方で最南端のボジョレー地区の蔵元。
ぶどう栽培とワイン造りに熱中するあまり、長い付き合いの私たち買付隊が訪問した時でさえ、だいたいしかめっ面のことが多く、「頑固おやじ」の愛称が付いたくらいです。

それでも、彼が造るボジョレー・ヌーヴォーは過去何度も金賞を受賞し、リピーターのお客様も非常に多い、確かな腕を持った職人です。

「ヌーヴォー職人」のイメージが強すぎて、じつは常連のお客様にもあまり知られていないのですが、パスカルが造る隠れた銘品が、こちらのブルゴーニュ・シャルドネ

このワイン、ラベルをよく見ると、じつは「Pour Vinos Yamazaki(ヴィノスやまざきのための)」と書いてあります。そう、当店のオリジナルワインです。

手頃で美味しいブルゴーニュ産の白ワインを探していたときに、パスカルが「ブルゴーニュに小さなシャルドネの畑も持っているから」と、その自社ぶどうから白ワインを造ってくれることになりました。

2012年に始めてリリースしたのですが、じつはその当時はもう少し樽の香りも弱く、さらっとした味わいでした。

毎年現地に足を運び、「もっと果実味を豊かに、そしてもっと樽を効かせてほしい。日本のお客様に必ず喜んでもらえるはずだから!」と直談判をしても、パスカルはいつものしかめっ面で「そうですか…」とわずかに答えるだけ。

それでも、しっかりとワインで応えてくれるのが、職人パスカルです。

新しいヴィンテージを試飲するたび、驚くほど年々進化していて、現在では14カ月もの樽熟成を行っており、なおかつ1850円(税別)という手頃さとの両立を実現してくれています。

ブルゴーニュ産の上質なシャルドネ、しかも樽熟成しているものですと、5000円を超えるものも少なくありません。
ブルゴーニュでの醸造経験もあり、ヴィノスで一番ブルゴーニュワインに詳しい買付隊メンバー寺田も、「デイリーワインの白はこれ」と心に決めているそうです。

寺田いわく、パスカルは仏頂面ですが、長年かけて打ち解けると、じつは冗談も言うような優しい一面も見せてくれて、その優しさがワインの味わいにも表れている、とのこと。

頑固で無口、本当は照れ屋な職人パスカルの、ブルゴーニュ・シャルドネ
彼のワイン造りに対する真摯な態度が表れた、ぶどうの旨みがストレートに伝わる味わいです。
ぜひ一度、お試しください。

本島