【勉強会リポート~シャルドネ編~】まさかの結果に一同驚愕!?

先日、静岡本社にて、ワインの自主勉強会を行いました。
開催のきっかけは、「いろいろなワインをもっと知りたいです」という熱心な若手スタッフの声。

今回のテーマは、日頃からお客様からのお問い合わせが多いワインを飲み比べよう!ということで「国や産地を問わないシャルドネ」となりました。

各自で1本ずつ持ち寄ったのは、自社・他社関係なく見つけたブルゴーニュ、カリフォルニア、南アフリカなど、世界各国のシャルドネ合計8本。
価格は1000円台もあれば6000円を超えるものまで、幅広い種類のワインが集まりました。

試飲方法は、それぞれのワインを公平に評価するために、ボトルを目隠しして行うブラインド・テイスティング形式です。限られた時間内で1本1本を味わいながら、専用の評価シートにテイスティング・コメントを書き込んでいきました。

ブラインド・テイスティングに慣れていない若手スタッフも、その眼差しは真剣そのもの。
一通り試飲し、評価シートの記入が終わったところで、1番のワインから順番に、持ってきたスタッフ、産地、生産者、輸入元、購入価格など、種明かしをしていきました。

そして、「7番目は、これです!」と、ボトルの目隠しを外した瞬間・・・

「えー!?」「本当!?」「まさか!?」と、驚きの声のオンパレード。
実はこの7番のワインが、全てのワインの中で最高得点となる、5点満点中4.6を獲得していたのです。

「果実味と酸味のバランスが抜群で、ゴージャスな味わい」
「ブルゴーニュのワインにも遜色ないと思った」
と8人全員がざわついた、そのワインとは・・・

ドメーヌ・ジボー ヴィジョン・オール シャルドネ

なぜ全員がここまで驚いたかというと・・・
今回試飲したラインナップの中には、5000円近いブルゴーニュ産のシャルドネなど、きっと最高得点だろう・・・と思うような有名産地のシャルドネも含まれていたのです。
しかも、このワインの造り手は、シャルドネではなくソーヴィニヨン・ブランのスペシャリスト。このワインの産地では、通常シャルドネはあまり栽培されていないのです。

このワインを造るのは「ドメーヌ・ジボー」。
買付隊がフランスのロワール地方をくまなく回り、なかなか理想の味わいのワインが見つけられずに、半ば諦めかけていた買付最終日に、ようやく見つけた蔵元です。

まさに運命的な出会いとはこのこと。
現地ロワールにいた買付隊長から「すごい蔵元を見つけた!」と、興奮冷めやらぬ電話を受け取った記憶があります。

ロワール地方には「サンセール」や「プイイ・フュメ」など、ソーヴィニョン・ブランを使った白ワインの銘醸産地がたくさんありますが、これらのワインは有名産地だけあってお値段もそれなり・・・

当店でも、直輸入を始めた頃からロワール産の白ワインに取り組んできましたが、本当に納得できる蔵元は多くはありませんでした。なぜなら、一般的なロワールの白ワインは酸味が強く、いろいろ試飲をしても、とにかく「酸っぱい」ものが多かったのです。

そんな中で出会った「ドメーヌ・ジボー」は、ロワール地方の中央に位置するトゥーレーヌ地区で、ご夫婦2人で切り盛りする小さな蔵元。

彼らが育てるソーヴィニョン・ブランは、完熟するまでとことん収穫を待つため、色合いは黄色味がかっていて、穏やかな酸味と新鮮なトロピカルフルーツの風味で、旨味もたっぷり・・・
その上、価格もお手頃で、直輸入をスタートして以来、一気に人気蔵元の1つになりました。

小さな蔵元ながら、実はソーヴィニヨン・ブランの世界コンテストでもトップになったことがあるほど、その実力はプロからもお墨付きなのです。

そんな彼らが、密かに少量だけ栽培しているのが、このシャルドネです。

「OR(オール=フランス語で金)」の名のごとく、その外観は輝く黄金色。
パイナップル、バナナ、りんごの蜜、バニラ、バター・・・芳醇な香りに、穏やかながら存在感のある酸を感じ、口の中では余韻がいつまでも続きます。

ロワールのシャルドネなんて・・・と思わず、ぜひ一度ブルゴーニュなど有名産地のシャルドネと、飲み比べてみてください。
また「世界のシャルドネを楽しむセット」では、こちらのワインと一緒に、ブルゴーニュやカリフォルニア、イタリアなど、世界各国の華やかで飲み応えあるシャルドネをお楽しみいただけます.

できるだけお客様のお好みに合ったワインをご紹介するためにも、プロとして様々なワインを知っていることがとても大切です。
これからも勉強会は継続しますので、次回のワインリポートも楽しみにお待ちくださいね。

ソムリエ 鶴見
 

【プロフィール紹介】
フランスワインが好きすぎて、某地方銀行を退職。ヴィノスやまざきの存在に触発され、その数年後の1999年の夏に単身語学留学。場所は当店フランスワイン直輸入発祥の地、スペインとの国境沿いのワイン産地「ラングドック・ルーション地方」。片道30㎞以内は自転車で蔵元を巡り、すっかり南フランスのワインの虜に。2001年9月末に帰国後、早速ヴィノスやまざきに履歴書と入社への熱いメッセージを送り、同年12月25日からアルバイトとして渋谷店にて勤務を開始し、現在に至る。