【季節の読み物】ワインのプロに聞きました!鰻に合うワインとは?

来週、7月21日は土用の丑の日。

この日に鰻を食べる風習は諸説ありますが、江戸時代頃からというのが一般的です。
平賀源内が「本日丑の日、土用の丑の日うなぎの日、食すれば夏負けすることなし」と看板を立てたことで、夏の売上が芳しくなかった鰻屋を繁盛させた、という話があるそうです。

そんな歴史から日常的に鰻を食べるようになっていったわけですが…
ある店舗の新入社員から1つの質問がありました。
 
「鰻とワインは合うのでしょうか?」
お客様からもお声があったという素朴な疑問。
 
その答えは…ずばり合います!!

鰻は日本食のイメージが強いと思いますが、実はヨーロッパ始め世界でも食べられている魚です。
特にワインのフランスでは、ボルドーなどの大きな河がある地域で“ヤツメウナギ(ランブロワ)”という種類の鰻がいて、フレンチの定番として食卓に並びます。

では一体どんなワインが相性がよいのでしょうか?

本日は「インターナショナル・ソムリエ・ディプロマ」資格を持つ、業界でも屈指の実力を誇る西武池袋店店長の四家が、土用の丑の日に合わせて「鰻に合うワイン」を選んでもらいました!

 

~四家ソムリエコメント~
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鰻は蒲焼の場合、赤ワインがベストです。
中でも甘辛いタレにはラングドック地方で育った完熟ぶどう由来の果実味が、また炭火で焼いた時にできる鰻のコゲには樽熟成から来るスモーキーさを持つワインが、とても合います。
さらに山椒の風味は、シラー、カリニャン、グルナッシュといった南フランス品種由来のスパイシーさと通ずるものがあります。しかしながら、ワインは辛い物との相性があまり良くないので、かけすぎには注意です。

それをふまえておすすめのワインはこちら。

「シャトー・レゾリュー・赤ラベル2016」

口に含むと、南仏らしい、太陽の恵みをたっぷり受けたぶどうの香り。胡椒のようなスパイシーさと、柔らかい渋みがバランスの良さを感じさせます。
更に、お料理と合わせる際にとても大事になるのは、味とともに、そのワインの温度です。
一般的に「赤ワインは常温で」と言われていますが、これはフランスの基準です。
日本の気候に合わせるのであれば、夏場でしたら14度~16度くらいがベスト!
これは少し口の中が冷たくなるくらいの温度です。
 
今の時期に室温で飲むと25度くらいになってしまい、これではアルコールを強く感じすぎてバランスが崩れてしまいます。
夏場は湿度も高いので、冷蔵庫で軽く(20~30分程)冷やすくらいの温度で飲んだ方が食も進みますよ!
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このワインを日本に輸入したのは、今から約25年の蔵直ワイン開始当時に「本当にお客様の望んでいるワインは何だろうか」と試行錯誤していた時、あるお客様から「本当に美味しいワインは1万円位するね。私は毎日飲みたいから1000円代で1万円並の味のワインがあればケースで買うよ。」と言われましたことがきっかけでした。
 
そんな時、時を同じくしてフランス大使館の商務部の方が来店されたのです。
「フランスには無名の産地がまだまだありますが、なかなかそういうワインを大手インポーターは輸入してくれないのです。是非一度試飲していただけけませんか?」とのこと。
 
フランス大使館の試飲会は大手企業の方々が有名産地のブースに群がっていました。
そんな時に、誰もいなかった当時は無名産地と言われたラングドック・ルーションのブースで出会ったのがこのワインです。

 

あまりの美味しさと価格の安さに驚き、すぐに現地に飛んだ買付隊。
そこで目にした丁寧な手摘みの収穫。買付隊初のすぐに仕入れをお願いしました。

 

しかし、初のワインの輸入。当然資金はなかったそうです。
地元である静岡の銀行に飛び込み1000万を背水の陣で借金し輸入しました。
 
そして、いよいよ店頭へ届いた赤いラベルのワイン…。
半年で売ろうと思っていた数千本はなんと一か月で完売!
購入された有名作家の方が「一口飲んだ時、1万円はするな・・と、思った。」と、新聞のコラムにも書いて下さり、輸入ワインに取り組むきっかけになった、ヴィノス原点のワインなのです。



ぜひこちらワインを鰻と共にお楽しみいただき夏を乗り切りましょう!
 
高澤