2022年ボジョレー・ヌーヴォー解禁によせて~

ボジョレー・ヌーヴォーの解禁がいよいよ来月となりました。
フランスワインの価格と航空運賃の高騰、そして円安・・・今年はボジョレー・ヌーヴォーはやりません・・・という
インポーターやかなり値上げして販売するメーカー、値上げしない代わりに、かなり早摘みさせてしまう
メーカー・・・
情報が錯乱する中、

「今年のヴィノスやまざきのボジョレー・ヌーヴォーはどうされるのですか?」

お客様からもお問い合わせを頂いております。
「はい。勿論、販売いたします!」そして、その販売の仕方はサプライズです。

▼ボジョレー・ヌーヴォー予約HPはこちら▼

ヴィノスやまざきは業界でも、かなり早くからボジョレー・ヌーヴォーに取り組んできました。
ボジョレー・ヌーヴォーとは・・・フランス、ボジョレー地区の新酒のこと。
11月の第三木曜日が解禁日で、解禁日にワインを楽しもうとパリやアメリカでも流行り出した1980年代後半、時差の関係で日本が欧米諸国と比べて早く解禁する!とボジョレー・ヌーヴォーが日本でも販売されるようになりました。

ワインの仕事を始めたばかりの私はワインを飲む人の少ない日本で、
「是非ヌーヴォーを通じてワインの裾野を広げたい・・・」
そんな想いで、ボジョレー・ヌーヴォーの販売を始めました。季節の旬を楽しむ日本人にとても向いていると思ったのです。それがきっかけになり(?)ヌーヴォーを扱う小売店が、どんどん増え始めました。
そして大型スーパーやディスカウントストアが扱いを始めたことで、日本向けのボジョレー・ヌーヴォーは早摘みかつ未成熟のぶどうから造られる「薄くて酸っぱい」ワインになったものもありました。
「ボジョレー・ヌーヴォーは美味しくない。」

そんなイメージを多くの人が抱くようになりボジョレー・ヌーヴォーから離れ、ブームは去っていきました。

でも、「普段ワインを飲まない方が初めてワインを飲んで下さるこんな機会はない!
だからこそ、本気で美味しいヌーヴォーを輸入しよう」と自らヌーヴォーを輸入することを決断しました。

良い生産者を探しに探して、ついにたどり着いた2人の匠!!

ギヨさん

ギヨさん

シャテルスさん

シャテルスさん

それまでは、せっかく探して有名になると大手メーカーに乗り換えられるなど、生産者に裏切られたり
つらい想いをしたりしてきました。
でもギヨさんとシャテルスさんの2人は、どんなに厳しい条件(お客様の為に、もし美味しくなかったら
輸入を中止するとか、完熟した良い葡萄でなければ使ってはダメとか・・・最後の試飲は私がして
ダメなら瓶詰させない等、本当に厳しい条件)も受け入れてくれたため、
「本当にこれがボジョレー・ヌーヴォー?」というような、素晴らしい味わいのヌーヴォーを造って下さいました。
収穫も最後の試飲にも毎年何度も現地へ通い、コロナ禍になってからはタンクからのサンプルを小瓶で送って
もらい、オンラインで話し合いながら試飲をしてきました。

まもなく、テレビでは「成田にボジョレー・ヌーヴォーが到着しました。」というニュースが紹介されるでしょう。

でも、その頃まだ2人の匠のぶどうは完熟を待ち、ぎりぎりまで熟成させています。

ボジョレー・ヌーヴォーは航空便で運ぶ・・・だから高い。1000円代でワインが欲しいというお客様のためには、
ボジョレーより南にあり解禁も一か月早いラングドック・ルーションで赤と白のヌーヴォーを造って頂き、船便で持ってくることで、ボジョレーの解禁日の頃にとても手頃な価格で楽しめる「南フランスヌーヴォー」を、日本で先駆けて輸入しました。

この南フランスヌーヴォーの毎年のご好評を受け、今年はボジョレー・ヌーヴォーの匠のひとり、シャテルスさんのヌーヴォーを船便で輸入するという決断をいたしました。

先程述べた通り、ぎりぎりまで完熟させているため正規のボジョレー・ヌーヴォー解禁日には間に合いません。
シャテルスさんのヌーヴォーは12月中旬のお届けとなります。

「12月になったらお客様はもうボジョレー・ヌーヴォーは飲まないのではないか。今年はシャテルスさんに断ろう。」
という社内の声もありましたが、長年、日本のお客様の喜ぶ顔がみたいとヌーヴォーを造りつづけてきたシャテルスさんのためにも、「そしてお手頃な価格で、でも美味しいボジョレー・ヌーヴォーが飲みたい!」と言ってくださる
お客様のためにも、今年は「二つの解禁日」を設けることとなりました。

低アルコールの甘口で人気のソレイユが好きなお客様のためには、長野の葡萄園で低アルコールのヌーヴォーを
造って頂いています。
私にとってヌーヴォーは商戦でもなく、商売でもありません。
ただひたすら、「本当に美味しい新酒をお客様に楽しんで頂き、ワインを好きになって頂きたい。」

そんな想いで40年近く取り組み続けてきました。

昨年からは日本ワインのヌーヴォーにも取り組みはじめました。
今年は、物流費の高騰などで大変厳しい年です。でも、どんな年でも良いものを造る生産者のワインは
必ず責任を持ちたい・・・

そんなヴィノスやまざきのヌーヴォーへの想いを、どうかご理解頂きそして、素晴らしい造り手の方々を応援頂き
今年も、ヴィノスやまざきのヌーヴォーが皆様の生活の1シーンを豊かにしてくれることを心より願っております。

2022年
ボジョレー・ヌーヴォー解禁によせて

ヴィノスやまざき
取締役社長
種本祐子