社員全員が選んだ、「父の日」に贈りたい酒

「父の日に贈りたい日本酒」社内投票の結果、迷わず全員が巽酒を選びました。

ヴィノスやまざきは創業108年で、先代が「山崎巽」だからなんですか?と、新入社員に聞かれましたが、実は、巽酒の誕生には深い理由が・・・



静岡は、今では吟醸王国として知られ、「磯自慢」「初亀」などで有名です。
今をときめく「獺祭」も、『獺祭の挑戦』という漫画の中で、静岡の吟醸酒造りを学んだことで、獺祭が誕生した・・・と、「静岡酵母」の素晴らしさと酒造りを称賛しています。

実は・・・
その酵母を開発したのが、河村伝兵衛という伝説の開発者。
そして、一緒に製品化したのが、ヴィノスやまざきの先代の山崎巽なのです。

このゴールデンコンビの酒造りを、今なお愚直に守り続けているのが、静岡県磐田市にある「国香酒造」

通常、「国香」の吟醸に使うお米は、美山錦。
しかし、高くても「先代が指定していた山田錦で造りたい・・・」
そんな私達の夢を実現してくれたのが・・・

巽酒なのです。

国香の松尾杜氏は言います。

「静岡の酒は無名だった。
でも、先代の巽社長が、父のように自分ら若手蔵人を育ててくれた。
ヴィノスやまざきさんへの感謝の気持ちは、忘れません。
巽酒は、私にとって第二の父である巽社長に贈る酒です。」


静岡吟醸の伝統伎を守る唯一の匠、国香酒造の松尾杜氏が、特別に醸してくれた限定品を、私も父の日に贈りたい・・・

福井 謙一郎

【プロフィール紹介】
新入社員1期生で静岡本店に勤務し先代の山崎巽に叱られ、育てられ、「商人」としての心得を叩き込まれた、最後の社員。ソムリエの資格を取得し、世界中のワイン買付に現地訪問しているが、原点は日本酒。

~匿名ソムリエの謎解き日誌③~ ワイン屋なのに日本酒がなぜ人気?

他社の大手インポーターにいた私が、ワイン業界ではありえない「ヴィノスやまざきの謎」を解明するため、ひっそりと始めたこの謎解き日誌。

私だけでなく、ヴィノスやまざきに初めてご来店する方が、こぞって驚く謎がある。
それが・・・「なぜワイン屋さんなのに、日本酒があるのか?」

酒屋や百貨店のお酒売り場ならともかく、ワインショップでここまで日本酒を置いているお店は、果たして他にあるだろうか。

ヴィノスやまざきの有楽町店を初めて訪問した際、ここはワインショップじゃないの?ずいぶん日本酒が多いな・・・きっと外国人観光客を取り込むため、ワインショップが日本酒の取り扱いを始めたのだろう、と思った。

しかし、この考えはあっさりと裏切られた。
なぜならば・・・

ヴィノスやまざきの原点は、静岡の酒屋であり、日本酒だから。

歴史を詳しく聞いたところ、ヴィノスやまざきの前身は、1913年に静岡で創業した山崎酒店。
先代の山崎巽は、「静岡のうまい酒を、全国の人に飲んでもらいたい」という想いから、県内の蔵元を訪れ、蔵元と二人三脚でその味を全国へ広めていった。

しかし、それだけではない。
ヴィノスやまざきには、なんとオリジナルの日本酒も存在する。

静岡を代表する蔵元「磯自慢」や「初亀」と共に造り上げたオリジナルの日本酒は、銘蔵元のお酒が手頃な価格で楽しめると、今では多くのリピーターの方が手に取る人気商品だ。

さらに驚いたのが、昨年登場したオリジナル日本酒Apero S(アペロ エス)純米吟醸

フランスにワイン留学をしたほどワイン好きの私が、一口飲んで思わずびっくりしたのが、その味わい。

まるでブルゴーニュの白ワインのような、香りの華やかさと上品な酸。キレのある味わいながら、お米の甘みも感じられて、まろやかな味わい・・・これは美味しい!

ワイン派も納得のこの味わいを生む秘密は、フランスのブルゴーニュ地方の中でも、辛口白ワインの銘醸地「シャブリ」の白ワイン酵母を使用しているのだという。

実は、昨年12月に試作品を3000本(試作という割には、思い切っていると驚きましたが)リリースし、あっという間に売り切れて、リピートの声も多く、ついに新酒でまた造っていただくことになったのです。

ワイン屋さんなのに、苦労や試行錯誤を重ねてまで、わざわざオリジナルの日本酒を開発するなんて・・・ 一体どうして・・・?と先輩に聞いたところ、

「『Apero(アペロ)』は、フランス語で『食前酒』の意味。フランスでは夕食前に軽く一杯飲むけど、こうした楽しみ方を日本酒にも取り入れて、もっと気軽に、色んなシーンでお酒を楽しんでもらいたいという気持ちで名付けたんだよ。

お客様の声に応えるのはもちろんのこと、ヴィノスやまざきは常に『新しい』を探している。
お客様の求めるものを、世界中を駆け回って探し出して、納得がいかない時は自分たちで生み出して・・・

これまで誰もできなかった『驚き』や『面白い』をお客様に提供するのも、オリジナル商品を造れるヴィノスならではだよね。」


そうか、ヴィノスやまざきが商品だけでなく、ワクワクドキドキする「体験」もお届けするというのは、こういうことなのかもしれない・・・

アペロSの「S」は、静岡のS。
あの銘酒「獺祭」の誕生も、実は吟醸王国・静岡の酒に学んだと。

静岡の酒を開発するのに30年。
ワインの蔵直輸入に30年。
そして、この「アペロS」は、その両方を掛け合わせたワイン酵母の日本酒・・・

前回の謎解き日誌こちらから)では、オリジナルワインの謎を解いたけど、オリジナルで一から造り上げるには、蔵元との信頼関係と、チャレンジ精神が欠かせない。そんなヴィノスやまざきのDNAは、創業108年の歴史の中で築き上げてきたものなのだろう・・・

長年の歴史がなければ、ヒット商品は生まれないんだ・・・と、また目から鱗が落ちたのでした。

ヴィノスでこれからどんなワクワクドキドキを提供できるのか、私自身も楽しみになってきたが、今日はここまで。

ヴィノスやまざきの謎解きソムリエ
すみません、今回も匿名でお願いいたします。

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地元・静岡の蔵元より、メッセージが届きました

まもなく閉店・移転となる、静岡本店。
現在の場所での営業は、あと一週間となりました。

「商売に向かない立地」と言われながらも、108年の間、この場所で続けてくることができたのは、足を運んでくださったお客様と、そして、お客様が求める商品を届け続けてくれた蔵元たちのおかげです。

そんな長年のパートナーである静岡の蔵元から、メッセージが届きましたので、ご紹介させていただきます。

▼「磯自慢」より

全文(PDF)はこちらから

▼「初亀」より

温かいメッセージをいただき、本当にありがとうございます。
 



ヴィノスやまざきの原点は、日本酒。

静岡の小さな酒屋としてスタートし、地元・静岡の地酒を自らの足で探して、お客様へお届けしてきました。その根底にあったのは、「お客様が本当に求めるものを提供したい」という想いです。

お客様の「静岡に美味しい日本酒はないの?」という声をきっかけに、先代・山崎巽が地元静岡の酒蔵巡りを始め、その中で数々の素晴らしい酒に出会いました。これを全国の皆様に知ってもらおうと、現在に至るまで長年に渡って、蔵元たちと二人三脚で静岡地酒の普及に尽力してきたのです。

「磯自慢」や「初亀」も、こうした長年のお付き合いがある蔵元で、今ではオリジナルの日本酒を開発するまでになりました。

2008年の洞爺湖サミットや、2016年の伊勢志摩サミットでも各国の首脳に振る舞われるなど、今や日本を代表する蔵元となった「磯自慢」。

「磯自慢の日本酒が、日常的に気軽に楽しめたら・・・」というお客様の声から、何度も蔵元のもとへと足を運び、共に開発したのが「駿光の雫」です。

そして、静岡県内で最古の蔵元であり、地元静岡のお米と水にこだわって仕込む、吟醸王国・静岡を代表する老舗蔵元「初亀」。

老舗ながらも常に新しいことにも柔軟に挑戦する「初亀」は、全国に静岡地酒の魅力を知ってほしいという思いをヴィノスと共有し、地元静岡の酒米・誉富士を使った粋な酒「粋囲」を造ってくれました。

静岡本店では、この他にも「磯自慢」「初亀」をはじめ、静岡を代表する蔵元たちが醸す、特別な限定酒も多数ご用意しております。

108年の歴史の中で、足で探して見つけ出してきた静岡地酒を、ぜひ本店でお手に取っていただければ嬉しいです。
皆様のご来店を、心からお待ちしております。

静岡本店 店長 戸塚 & 静岡本店チーム

日々の暮らしに寄り添う、みりんと日本酒

今月発売となったdancyu3月号の日本酒特集で、ヴィノスやまざき静岡本店が掲載されました。

当店で取り扱いをしている日本酒の他、地元静岡の酒蔵が造る「飛鳥山 純米本みりん」の取扱店としても紹介されています。

「えっ、ワイン専門店なのに、みりんも取り扱っているの?」
そう思われた方もいらっしゃるかもしれません。

静岡の小さな酒屋としてスタートしたヴィノスやまざきは、創業当初、地元のお酒だけでなく、味噌や醤油なども大八車で行商して販売していました。

お客様の生活に寄り添って、お客様が必要としている商品をお届けする
その精神は今もしっかりと受け継がれていて、そんな商品の一つが「飛鳥山 純米本みりん」なのです。

この「飛鳥山 純米本みりん」は、静岡県藤枝市にある蔵元・杉井酒造が、餅米・米麹・本格焼酎だけを原料に、伝統的な製法で造る本みりんです。

その美味しさは、都内の有名レストランのシェフも愛用するほど。「このみりんを使うと、料理がとても美味しく出来るのよね」と指名買いされるお客様も多い、隠れた人気商品なのです。

通常のみりんより色も濃く、味もコクがあり、自然な甘さが素材の旨味を引き立てます。お料理に使うと、ご自宅で簡単に本格的な味わいが楽しめます。

静岡の本みりんを使った和食には、やはり静岡地酒を合わせてお楽しみいただきたい・・・!
そこで、ぜひ全国の皆様にご紹介したいのが、こちらの一本です。

巽酒 山田錦吟醸

蔵元と二人三脚で数々の静岡地酒を世に送り出し、日本酒の名伯楽と呼ばれたヴィノスやまざきの先代・山崎巽に敬意を表し、その名を冠した特別な酒を造りたい・・・
そんな想いから、この「巽酒」は誕生しました。

酒米の王様「山田錦」を使い、「吟醸王国」と呼ばれる静岡で静岡型吟醸を極めた松尾杜氏が、その技術を駆使して造り上げた一本。

静岡地酒らしい華やかさを持ちながら、キレのある力強い味わいで、全国のお客様から「どんなお食事にも合う」とご好評をいただいてきました。

このお酒を造る「國香酒造」は、静岡県袋井市にある小さな蔵元。

蔵の7代目にあたる松尾晃一氏が、自ら杜氏(とうじ=日本酒の醸造において、酒蔵の最高責任者)を務めています。

そんな松尾氏が醸すお酒といえば、忘れてはならないのが、國香の看板商品のこちらの一本です。

國香 純米吟醸 傳一郎
(※現在静岡本店のみでの取扱い)

実は松尾氏は、静岡地酒の発展に大きく貢献した「静岡酵母」の生みの親、河村傳兵衛氏の一番弟子
松尾氏は、香り高く雑味の無いきれいな日本酒を生む「静岡酵母」で醸す静岡型吟醸の伝統を、大切に守り続けてきました。

「傳一郎」の名は、師匠である河村傳兵衛氏が直々に名付け、「河村流酒造りの後継者であり一番弟子」という意味が込められています。

この「傳一郎」は、例年であれば「生酒」として火入れをせずに造られるのですが、生酒はその名の通りフレッシュなお酒。火入れしたお酒に比べると、どうしても時間の経過によって味わいに変化が出やすくなります。

地元の飲食店を中心に販売してきた國香酒造では、このコロナ禍で先の見通せない厳しい状況に直面し、今年初めてこの「傳一郎」を生酒としてではなく、火入れして造る決断をしました。

大変な状況の中でも、酒づくりを続け、お客様に少しでも楽しんでいただきたい。
静岡の酒づくりの伝統や、お米農家たちを守りたい。

今年の「傳一郎」には、そんな松尾杜氏の思いが込められています。

そんな今年ならではの、落ち着きと深みのある味わいを、ぜひ全国の皆様にお楽しみいただければ嬉しいです。

静岡本店 店長 戸塚

【プロフィール紹介】
イタリアワインが好きでワインに興味を持ち、通った「ヴィノスやまざき」。 ワインが好きで入社しましたが、ここ静岡本店では数多くの日本酒があり、日本酒に触れ蔵元に触れる毎に日本酒にもはまり、いつしか14年経ちました。これからも皆様に美味しいお酒をご提案できればと思います。