店長に質問「今、一番売れているワインは何?その秘密は?」
「今、お店でどんなワインが売れているんですか?」と、聞くと、
「とにかくケース単位でリピーターさんが多いのが、新商品の、グールガゾーの赤と白なんです。」
と、どの店長も口を揃えて言います。
グールガゾーと言ったら、ヴィノスやまざきが、輸入を始めるきっかけになったワイン。
それも、30年近く前には誰も見向きもしなかった、南フランス・ラングドック地方の蔵元。
当時は(今もかもしれませんが)、白はブルゴーニュのシャルドネ(品種)、赤はボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン(品種)が圧倒的に人気でした。
ブルゴーニュの高級ワインとなるシャルドネは素晴らしく、また、ボルドーの格付けワインもコクがあるのに滑らかで、多くのワインファンを魅了してきました。
しかし、難点はお値段が高いのです・・・
お客様から、「この位美味しくて、もっと安いワインはないの?」と言われ、フランス大使館の試飲会で、誰も人のいないブース、ラングドックワインのブースで出会った蔵のひとつが、こちらのドメーヌ・グールガゾー。

ブルゴーニュでワインを造っていた創業者のピケさんが、より良い地を探し、ぶどうを植えたのがラングドック地方。
当初は、高級品種を植えて地元から大バッシングにあうも、その後多くの造り手が追随し、シャルドネやカベルネを作り出し、今では、ヴァンドペイ(地酒)というランクながら、世界的に有名になっていったのです。
しかし、難点は、量が少なく、一年間在庫が持たないということ。
家族経営の蔵なので、何せ収穫量にも限りがあるのです。
「もっと、量を供給してほしい。そして、できれば、さらにお買い得価格に・・・」
と、買い付けの時に、ポツリと口にしたら・・・
なんと、当主のアニックさんが、「さらに手頃な価格のワインに挑戦します!」と、私達の無理な難題に応えて下さったのです。
出来上がったワインを飲んでびっくり。
白はシャルドネに負けない、キリリとした酸味と、なんとも言えないジューシーさ。
赤は、グールガゾーならではのカベルネの良さを、さらに奥深くスパイシーな味わいに。
そして、この価格(税別1,280円)は、いったいなぜ・・・
その秘密は、品種でした。
白は、シャルドネだけでなく、地場品種のグルナッシュ・グリや、ヴィオニエという南のアロマティックな品種を使うことで、さらに華やかでジューシーなワインに。
そして赤は、シラーという、南の高級ワインに使用される品種をブレンドしたのです。
単一の品種でないので、「ヴァン・ド・ペイ(地酒)」というランクは名乗れません。
テーブルワインとして扱われるので、おそらく税金も安く、これだけ良いぶどうを使っても、価格が抑えられるのです。
そう来たか・・・!
地場品種に縛られていた地に、シャルドネやカベルネと言った国際品種を植えてイノベーションを起こしたグールガゾーのピケさん。そして、今度は娘のアニックさんが地場品種をブレンドすることで、新しいコンセプトのワインを造る・・・
本当に美味しくて安いワインは、こうして何世代にもわたって試行錯誤の中で、産まれてくるのです。
「なぜ、こんな造りを思いついたのですか?」と、アニックさんに聞くと・・・
「だってヴィノスやまざきのお客様は、格付けやランクでワインを選ばないでしょ。だから思い切り挑戦できたの。」とのこと。
とは言っても、また在庫が切れる可能性大です。
是非、お早目にお試し下さい。
種本 祐子
ヴィノスやまざき 取締役社長
シニアワインアドバイザー、カリフォルニアワインマスター、他フランスのワインの騎士等、数多くの称号あれど、常にワインの師匠は「お客様」。お客様の求めるワインが、なければ造る!そんな思いでワイン一筋35年。