ほろ苦い大人のバレンタインの楽しみ方

もうすぐバレンタインですが、この時期になるとちょっとウキウキしてしまいます。(特にチョコをたくさんもらえる訳ではないのですが・・・)

ふだんは甘いものをあまり食べない私が、その相性の良さに驚いたペアリングをご紹介させていただきます。

今年で発売7年目、当店の蔵直ワインを練り込み、パリ発のブランジェリー「メゾン・カイザー」に特注で造ってもらっているワイン屋さんのチョコレート・ブラウニー

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ポルトガルワインの新星アルカス・アレンテージョ・レセルヴァ2014

ちょうど昨日、店頭に入荷したばかりのワイン屋さんのチョコレート・ブラウニー

しっとりした食感とチョコの濃厚な甘みに加え、ナッツの香ばしい風味を感じます。 それだけでも美味しいのですが、そこに練り込んだワインのほんのりビターなテイストが加わって、「引き締まった上品な甘さ」と好評です。

実は毎年味わいのテイストを少しずつ変えていて、今年はワインの風味をさらに感じられる「大人のブラウニー」として、贅沢にお楽しみいただけると思います。

私も、食後にこのチョコレート・ブラウニーとアルカスのワインをペアリングするのが本当に至福のひとときで、このワインを買い付けた時を思い出しながら楽しんでおります。

思い返せば、2019年10月。
ヴィノスやまざきの買付隊は、初めてポルトガルへ買付に訪れました。

ポルトガルと言えば「ポート」や「マデイラ」などの酒精強化ワインのイメージが強いですが、実は隠れたコスパワインの産地として今、世界のバイヤーたちが注目しています。

期待を胸に現地を視察し、コスパワインを買付けるぞ!と意気込んでいましたが、現実はそんなに甘くなく・・・本当に納得できるワインには、なかなか出会えませんでした。

しかも、途中ドウロ河流域で造られるポートワインの産地を訪問して、アルコール度数が高く濃厚な甘さにノックアウトされてしまい、諦めかけていました。

それでも山奥を何時間も車を走らせ、やっとたどり着いて最後に訪問したのが、「キンタ・ダス・アルカス」でした。

早速ワインをテイスティングすると・・・

「これだ!美味しい!」

長旅の中でやっと出会えた本命のワインに、思わず声を出して喜びを表現してしまいました。

キンタ・ダス・アルカスは、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデ地区とアレンテージョ地区に自分達の畑を所有している、家族経営の蔵元です。

1980年代にぶどう栽培を始め、自分たちで畑の管理からワイン造り、瓶詰めまでを一貫して取り組んでいます。

自社畑では、化学農薬に頼らず環境に配慮した自然な農法でぶどうが栽培されていて、土地や品種の特徴を活かして造るワインは、果実味がしっかりとした味わい。

2012年には、ヴィーニョ・ヴェルデ地区で初めてビオ認定のワインを生産。一部商品はヴィーガン認証も取得するほど、自然にこだわったワイン造りをしています。

また「インターナショナル・ワイン・アワード」という有名な国際大会で金賞を受賞し、数々のワイン試飲会でも高い評価を獲得しています。

地元でもトップクラスの品質の高さを誇る生産者として知られており、海外の有名レストランのソムリエがワイナリーを訪問し視察しているなど、世界からも注目されている生産者なのです。

一緒に同行した、ヴィノスやまざきのパートナー的な酒屋のソムリエ店主さんからも、

「これは、ヴィノスの蔵直第一号のシャトー・レゾリューを初めて飲んだ時の衝撃に似ているね。果実味がしっかりして奥行きもあり、完成度が高い・・・ヴィノスのお客様が好きな味わいだね。」

とお墨付きをいただきました。

チョコブラウニーの上品で濃厚な甘さを、アルカスのギュッと凝縮した果実味が優しく包み込んで、見事なハーモニーを奏でるペアリングだと感じました・・・

ステイホームが続き、息苦しさを感じることもあると思います。
ちょっとした息抜きに、このペアリングをお楽しみいただければ幸いです。

福井

【プロフィール紹介】
静岡県出身。JSAソムリエ。きき酒師。
ヴィノスやまざきの新卒第1期生として入社。先代・山崎巽の最後の教え子として、商人魂と日本酒の知識を学ぶ。 有楽町店店長、店舗スーパーバイザーを歴任した後、上海店の立ち上げにも携わる。情熱は人一倍で、美味しいワインがあると聞けば、欧州やアメリカの山奥だけでなく、 南米や南アフリカなど地球の裏側まで足を運ぶ、その情熱とフットワークの軽さはヴィノスでNo.1。