蔵直の熟成ワインは何故人気??

この冬、ヴィノスやまざきでは、熟成ワインが人気です。

12月から1月上旬にかけて、10~20年熟成のワインをいくつかご用意させていただいたところ、予想以上にご好評いただき、どれもあっという間に完売してしまいました。

フレッシュな果実味あふれる若いワインも美味しいですが、長年の熟成を経たワインならではの複雑味や豊かな風味、そしてなめらかな口当たりは格別で、若いワインには無い魅力があります。

味わいはもちろん、毎回これだけ早く売り切れるのは、「手頃な価格」ということもあると思います。

でも一体どうしたら、希少な熟成ワインを、手頃な価格でお届けできるのか?
本日は、その秘密に迫りたいと思います。

ここで少し、ワインの取引についてのお話をさせてください。

通常、高級ワイン、特にボルドーワインなどは、必ず「ネゴシアン」というワイン商に、プリムール(新酒)の段階で販売されます。自分たちでワインを熟成させるには、時間も手間もお金もかかるため、多くの生産者は若いうちにワインを売ってしまうのです。

ネゴシアンたちは、こうしてプリムールでワインを購入し、自社のカーヴで熟成します。当然、長くワインを熟成させるわけですから、その分コストもかかり、価値も上がるので、古酒になるにつれてワインは高くなります。ですので、一般的には「熟成ワインは若い年号よりも高い」というのが常識なのです。

そして「直輸入ワイン」とうたっているインポーターや小売店も、調べてみると、こうしたネゴシアンの在庫からワインを輸入しているところが多くあります。

また日本のインポーターの中には、ネゴシアン代わりにプリムールで買い付けて、自社のカーヴで熟成させて、時が来ると高く売る・・・というところもあります。

どちらにしても、若い年号よりも熟成ワインは、大幅に「高い」わけです。

しかしながら、ヴィノスやまざきの取引先の蔵元たちは「ネゴシアンには売らない」という頑固な生産者が多く、彼らはボルドーなどでは「異端児」でもあります。必ず買ってくれる信頼できるパートナーがいるから、ネゴシアンには売らないわけなのです。

つまり、ヴィノスやまざきの蔵元たちとビジネスモデルは、通常の熟成ワインとは全く違うのです。

日本に大きな熟成カーヴを造って「熟成させて高く売る」ことは考えておらず、輸入したワインをなるべく早くお客様に手渡しすることによって、コストパフォーマンスの良いワインをお届けしたいと考えています。

ヴィノスやまざきは、熟成ワインさえも手頃な価格で販売したいため、たとえば若い年号のものを買い付け、蔵元のカーヴで何十年も無料で保管してもらうこともあります。

時には、こちらがお願いしなくても「君たちのために、ワインを取っておいたよ」と、現地に行くとヴィノス用にワインを熟成させてくれていたりします。それは、嬉しいサプライズだったりします。

また、蔵元が自分たちの自家消費用として長く熟成させていたものを、当時と同じ価格で譲ってくれることもあります。

それも全て、蔵元との長い信頼関係のもとにあります。そして、その信頼関係は、ヴィノスの蔵直ワインを長く楽しみ、育ててくださっているお客様がいらっしゃるからなのです。

飲み頃を迎えた美味しいワインを、本当に特別なお客様に楽しんでほしいと、時間とコストをかけででも、ヴィノスやまざきもパートナーの蔵元たちも、現地にて少量だけ大切に熟成させているのです。

「南仏三大グランヴァン」の一つと言われ、熟成してこそ真価を発揮する濃厚な赤ワイン「サン・ジャン・ド・ベビアン赤」の19年熟成や、

ナパ・ヴァレーの人気蔵元ウォーターストーンが、銘醸地区のぶどうから造るトップワイン「カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーヴ」の熟成古酒、

ブルゴーニュの老舗蔵元が単一畑のピノ・ノワールから造る、繊細でエレガントな16年熟成や、

通常、長期熟成させるイメージのあまりない南アフリカとチリからも、蔵元たちが自家用に少量だけ熟成させていた、とっておきのワインのバックヴィンテージが到着しています。

熟成ワイン特集はこちら

蔵元とヴィノスやまざきの長きにわたるパートナーシップで生まれた、手頃な価格の熟成ワイン。
皆様に喜んでいただければ、こんなに幸せなことはありません。

通販部 本島

【プロフィール紹介】
2010年ヴィノスやまざき入社。学生時代はほとんどワインを飲まず、ヴィノスやまざきの開発した甘口&低アルコール赤ワイン「ソレイユ」に衝撃を受けて入社。広尾店店長、商品部にて輸入業務を担当した後、現在はWEB・マーケティングを担当。JSAソムリエ、SAKE Diploma、WSET Level3。WSET Diploma受験中。