これまでにないボジョレー・ヌーヴォーが誕生しました・・・!

いつもとは違う年になった2020年。
本当に美味しいボジョレー・ヌーヴォーが届けられるのか・・・?という不安も、一気に吹き飛ばす出来事がありました!

ヴィノスやまざきでは、毎年この時期にフランス、ブルゴーニュ地方のボジョレー地区を訪問し、ボジョレー・ヌーヴォーの味わいの最終チェックを行います。

それと同時に、「頑固おやじ」ことドメーヌ・シャテルスのパスカルさんとは、当店オリジナルヌのヌーヴォーの「アッサンブラージュ」を行っています。

▲昨年の現地でのアッサンブラージュの様子

「アッサンブラージュ」とは、畑の区画ごとに別々のタンクで発酵させたワインを、適切なバランスでブレンドすることで、最終的な味わいを決める「調合」のこと。

ボジョレー・ヌーヴォーは「ガメイ」というぶどう品種だけで造られますが、実は畑の区画によって少しずつ味わいが異なるため、ブレンドすることによって理想の味わいを造り上げます。

実は今から15年以上前、パスカルさんのボジョレー・ヌーヴォーを初めて口にした時は、ボジョレーらしいフレッシュな味わいで、美味しいのですが少し物足りない・・・と感じていました。
そこで、「日本のお客様のために、濃くて美味しいヌーヴォーをお届けしたいんです」と、パスカルさんに何度も直談判し、一緒にブレンドさせていただけるようになったのです。

しかし、今年は新型コロナの影響で、現地を訪問する訳にはいかず・・・
夏のミーティングでは、「今年はいっそヌーヴォーをやめようか?」という意見まで飛び出しました。

それでも「大変な時だからこそ、本当に美味しいボジョレー・ヌーヴォーをお届けしたい・・・」と、今年は現地からタンクサンプルを取り寄せて、パスカルさんとオンラインで繋ぎ、日本国内でアッサンブラージュを行うことにしたのです。

今年のアッサンブラージュには、全店の店長の中から、トップテイスター5名が名乗りを上げて挑戦しました。

ソムリエ資格はもちろんのこと、実際に昨年現地を訪れて収穫の様子をその目で確かめてきた店長や、おそらく社内でもっとも多くのお客様を接客してきた店長など、社歴も長いベテラン店長ばかりです。

まずは、それぞれのワインの味わいを確かめます。
そして、それぞれ異なる比率でブレンドした5種類のワインを造りました。

今年は日本で行うことにしたからこそ、この5種類を店長全員で試飲し、もっとも美味しいと思ったワインを選ぶことに!すると・・・

「全部美味しい・・・この中から1つに絞らないといけないのか・・・」
と思ってしまうほど、それぞれ特徴は異なるのですが、どれも遜色ない美味しさだったのです。

迷いに迷った結果、店長全員が納得して選んだのは・・・
ヌーヴォーらしいフレッシュさもありつつ、果実の甘さも感じるほどの、凝縮感たっぷりのワイン!

毎年現地でアッサンブラージュを経験してきた買付隊長も、もし納得がいかなければブレンドをやり直そうと思っていたところ、「全くやり直す必要がない」という納得の味わいでした・・・!

店長たちが選んだブレンドを、パスカルさんにも同時に現地でブレンドして試飲してもらったところ、
「力強くて濃いけど、心地良い口あたりで、複雑味もある・・・今まで造ってきたボジョレー・ヌーヴォーの中でも、一番いい出来の一つだね!」
とパスカルさんも太鼓判。

現地にも行くことが出来なかった今年、一度は輸入をやめようかと迷ったけれども、今までで一番美味しいボジョレー・ヌーヴォーが出来ました。
やめなくて本当によかった・・・心からそう思えるボジョレー・ヌーヴォーになりました。

店長全員が試飲して選んだボジョレー・ヌーヴォーですので、安心してご予約いただけたらと思います。
ご予約はこちらから>>

そしてパスカルさんは、長年一緒に取り組み、当店からの厳しいリクエストに応え続けるうちに、ぶどうの収穫を遅らせ濃いワインを造るようになり、どんどん腕をあげていきました。
今年のヌーヴォーは、まさに、この長年の取り組みの結晶でもあります。

ワインは、これからパスカルさんのもとでブレンドした後、さらに熟成して、11月上旬に日本に向けて出発する予定です。
店長たちが選んだ渾身のボジョレー・ヌーヴォーを、ぜひお楽しみください!

ソムリエ 寺田

【プロフィール紹介】
フランスの国立醸造学校を卒業後、ブルゴーニュ地方の超有名ドメーヌでワインの醸造経験を積む。帰国後は、生産者の想いをお客様に届け、日本でもワインをもっと気軽に楽しんで欲しいと、ヴィノスやまざきに入社。豊富な知識を活かし、買付から社員教育まで、幅広い業務を担当中。ピノ・ノワールの試飲力は、ブルゴーニュのプロからも高い評価をされている。