衝撃の出会いを果たした、「畑直送」のピノ・ノワール

昨日のブログでもご紹介しましたが、本日から「From Vineyardワインフェア」が始まりました。
美味しいワイン造りを陰で支えるぶどう農家たちを知ってほしい・・・そんな思いでお届けする、Vineyard(農家)のワインばかりです。

本日は、そんなVineyard(農家)のワインの中から、私が衝撃を受けた一本「DNAヴィンヤーズ ピノ・ノワール」をご紹介したいと思います。

以前もブログで少しお話ししたのですが、赤ワインを代表する黒ぶどう品種「ピノ・ノワール」から造られるワインで、コスパの高いものを見つけるのは至難の業。
なぜなら、本当に良いピノ・ノワールが栽培できる場所は限られているから・・・

世界的に有名な産地といえば、フランスのブルゴーニュ地方ですが、このピノ・ノワールというぶどうは、数あるぶどう品種の中でも特に繊細。気候だったり、地形だったり、土壌だったりと、場所を選ぶため、需要に対して、生産量が相対的に少なくなってしまうのです。
そして、私自身もブルゴーニュ地方でピノ・ノワールの栽培に携わっていたのですが、育てるのに手間がかかるという難しさもあります。

そんなことから、コスパの高いピノ・ノワールは中々見つからないのですが、私たちはカリフォルニアで「マホニー・ピノ・ノワール」というワインと出会いました。
マホニーとの出会いはこちらから>>

このワインの生産地であるカーネロス地区は、カリフォルニアの中でも冷涼な地域で、フランスのシャンパーニュメーカーが「アメリカでスパークリングワインを造るならここ!」というほど、まさにその実力が認められた場所なのです。
このカーネロス地区をリードしてきた生産者「マホニー」が造るピノ・ノワールとの出会いは、まさに奇跡!?と思うほどでしたが、私たちはそれに匹敵する、いや超えるかもしれない一本に出会ったのです・・・

そのワインが、「DNAヴィンヤーズ ピノ・ノワール」。

グラスに注ぐと、ピノ・ノワールらしい赤いフルーツの芳醇な香り。上品さのあるマホニーとは少し違って、ジューシーとも言えるほどのたっぷりの果実味が押し寄せてきます。果実の柔らかさの中に、タンニン(渋味)と、程よい酸味、芯の通った骨格もあり、ブルゴーニュワインのような本格的な味わい・・・

初めて口にしたときは、マホニーに出会った時のような衝撃を受けました。

生産地は、カリフォルニア沿岸部のソノマ地区にある「ロシアン・リヴァー・ヴァレー」という小地区。
実は、ソノマもピノ・ノワールでは昔から有名な産地で、しかも「ロシアン・リヴァー・ヴァレーと言えばピノ・ノワール」と言われるほどの銘醸地なのです。
カーネロス地区と同じく、冷涼でぶどうの生育期間が長いおかげで、上品な酸味と旨み、そして優雅な風味がギュッと詰まっています。

しかも、造っているのは、ヴィノスやまざきのオリジナルワイン「トゥルーヴァイン」シリーズや、カリフォルニア・ジンファンデル種の最高峰「コロ」などを一緒に手掛けてきた「DNAヴィンヤード」の醸造家デニスさん。
彼が造るワインは、他のワインからも分かるように、その品種の個性を最大限に尊重しながら、優雅さも兼ね備えています。

デニスさんは、カリフォルニア州の中でも有機栽培が盛んなメンドシーノ地区で、40年以上ワイン造りを行い、大手ワイナリーに畑の生産者を紹介し、素晴らしいワイン造りのコンサルを行っています。いわば、畑選びの目利きでもあります。

そんなデニスさんが、70歳を超えて、人生最後に自分の畑を持つ・・・という醸造家人生の夢を叶えたのです。

ひとつは、そんなメンドシーノの山の奥にある秘境の畑。ここでも、ヴィノスの「コロ」というメンドシーノ最高に認定されたワインを造っているのですが、そんな畑の目利きのデニスさんが「ロシアン・リヴァー・ヴァレーの畑を手に入れたんだ。ピノ・ノワールのワインを造ったから、ぜひ飲んで欲しい。」と飲ませてくれたのが、「DNAヴィンヤーズ ピノ・ノワール」でした。

しかもその畑は、「カリフォルニアの至宝」とも呼ばれている、カリフォルニアのピノ・ノワールを代表する某有名ワインのぶどう畑の真隣。

匠の醸造家が、カリフォルニアでもトップクラスの畑のぶどうから造るワイン・・・美味しくない訳がありません。

マホニー・ピノ・ノワール」と「DNAヴィンヤーズ ピノ・ノワール」。
このヴィノスやまざきがおすすめする、2つの「畑直送」のピノ・ノワール。
造り手も場所も違うので、もちろん味わいは異なりますが、共通するのは、品種の個性が上手に表現されているところ、そして丁寧に造られたワインであることです。

まだまだ暑さが残るこの季節。
ぜひ少し冷やして、時間をかけながら変化を楽しんで飲み比べてみてください。

ソムリエ 寺田

【プロフィール紹介】 フランスの国立醸造学校を卒業後、ブルゴーニュ地方の超有名ドメーヌでワインの醸造経験を積む。帰国後は、生産者の想いをお客様に届け、日本でもワインをもっと気軽に楽しんで欲しいと、ヴィノスやまざきに入社。豊富な知識を活かし、買付から社員教育まで、幅広い業務を担当中。ピノ・ノワールの試飲力は、ブルゴーニュのプロからも高い評価をされている。