【Vinosお店便り~そごう横浜店~】お客様に支えられて8周年

こんにちは。
ヴィノスやまざきそごう横浜店、店長の田積です。

皆様に支えられ、そごう横浜店は今年8月で8周年を迎えます。
これもひとえに、長年支えてくださったお客様の支えによるものです。
私が店長に就任してから、約1年4カ月。たくさんのお客様から温かく、時に厳しく励ましをいただき、ここまでやってくることができました。
心より感謝申し上げます。

当店は、横浜駅東口直結の大型百貨店「そごう横浜」の中にあるワイン専門店です。
世界各国のワインだけでなく、今年からは静岡地酒を中心に、日本酒のラインナップもさらに充実。
ソムリエなどワインの資格や、SAKE DIPLOMA(日本ソムリエ協会の日本酒資格)を持っているスタッフも常駐しており、専門知識は全国のどの店舗にも負けません!
これからも皆様に安心してワインをお選びいただけるよう、精進してまいります。

さて本日は、8月21日のブログに登場した新静岡セノバ店の石井店長からバトンを受け取り、同期の私から、とっておきの一本をご紹介いたします。

それがこちらの「レイニャック キュヴェ・スペシャル 赤 2016」。
そごう横浜店でも、8年前のオープン当初から、特に高い人気を誇るワインです。

このブルーラベルは、日本のお客様のために詰めてもらった、ヴィノスやまざきの特別ワイン。

2016年のフランス・ボルドー地方は、春先は雨が多かったものの、収穫間際の夏後半に良い天気が続いたことで、ぶどうの出来は良かった年。
「ボルドーの復活を見た」と賞されるほど偉大なヴィンテージの2015年に隠れがちですが、2016年は質の高いワインが2015年に比べて手頃な価格で手に入る、実は隠れた「当たり年」なのです。

そんなぶどうから造られたこのワインは、熟したダークチェリーやラズベリーのような濃厚な果実味に、スモーキーな香りやスパイスの風味が調和し、ボルドーワインらしい力強く凝縮感にあふれた味わいに仕上がっています。

こちらのワインを生み出した「シャトー・ド・レイニャック」のオーナーは、実業家でもあるイブ・ヴァテロ氏。
ヴァテロ氏とヴィノスやまざきとの出会いは、ボルドーに面白い生産者がいると聞きつけ、現地に向かったことがきっかけでした。

当店の買付隊と知り合いのソムリエが共にレイニャックを訪れ、ブラインド・テイスティングをしたところ、なんと誰もがレイニャックと数万円の高級ボルドーワインを間違える程のレベルの高さ。
しかも、そのレベルのワインの1/10という価格!
その場で輸入を即決したそうです。

そんな「シャトー・ド・レイニャック」は、そごう横浜店でも、根強いファンの方が多い人気ワイン。
いつか必ず訪問したい・・・そう思っていたところ、願ってもみないチャンスが!
昨年夏、フランスワインの買付けに同行させてもらえることになったのです。

蔵元を訪問し、ヴァテロ氏にワイン造りの話を聞くと、まさに驚きの連続でした。

最初は畑を見学。シャトー・ド・レイニャックでは、「HVE」という自然なワイン造りの認証をフランス政府から受け、自然な造りを大切にしています。
実際に訪れると、それまで私が持っていた「シャトー」の荘厳なイメージとは異なり、豊かな自然に囲まれた畑に目を奪われました。

農薬や除草剤は使用せず、その代わりにマスタード(!)など害虫を寄せ付けない効果のある作物を植えるなどの工夫を行っていました。また、シャトーの敷地内には湖もあり、その湖の近くに竹を植えて水質を良くすることで、ぶどう畑の質を高め、健康的なぶどうが育つように心がけているのだそうです。

「ところで、この湖は一体・・・」と聞いたところ、「マイクロクライメイト※が良いと聞いたから、自分の敷地に湖を掘った」との返答が。ぶどうの生育環境にそこまで気を配っているのか・・・と驚きを隠せませんでした。

※川、谷、森林などの自然の影響で、狭い範囲でも局所的に気候や土壌といった環境が変わることを言う

次に案内された醸造所では、熟成中に樽をまわす醸造技術「オクソライン・システム」を発見。
澱とワインを撹拌することで、旨みと複雑味を引き出すこの技術は、「長く熟成しなければ美味しくないボルドーワイン」というイメージを覆すため、採用したそうです。

また、現在ボルドーで流行りの「逆台形型タンク」もいち早く取り入れていました。
このタンクは、発酵中のワインの表面積を広くとることができるため、エレガントで柔らかいタンニン(渋味)を得ることができます。なんと、ボルドーの高級ワイン「シャトー・アンジェリュス(約7万円)」も取り入れているほどのタンクだそうです・・・

・・・ワインへの情熱が人一倍強いヴァテロ氏に圧倒されました。

レイニャックは2004年に開催された、世界的ソムリエが審査するワイン&スピリッツのブラインド・テイスティングで、5大シャトーや格付シャトーに圧勝し、一躍有名グランヴァンにも肩を並べる存在になりました。
それも全て、「求めるワインを造るためならば、出来ることは全てやる」というヴァテロ氏の情熱の賜物なのだ・・・と、現地を訪れて改めて体感したのです。

ヴィノスの買付隊も毎年現地に足を運び、時には意見をぶつけあいながらも、ヴィノスやまざきのお客様により良いワインを届けたい・・・そんな思いで切磋琢磨し、一緒に絆を深めてきたレイニャック。
今では当店を代表するボルドーワインとして、広く愛されています。

この感動を皆様にもお伝えしたい・・・
本日は、そんな思いで「レイニャック・キュヴェ・スペシャル赤2016」をご紹介しました。
ボルドーの5大シャトーに負けないくらいの旨みとコク・・・私たちが「本当のグランヴァン」だと思う珠玉のワインを、是非お楽しみいただければと思います。

そごう横浜店 店長 田積

【プロフィール紹介】
大学時代にアルバイトとしてホテルマンを経験し、そこでワインの魅力に気づき、学生時代にワインエキスパートの資格を取得。ワインの魅力を伝えていきたいとヴィノスやまざきに入社。入社後には、ソムリエ、SAKE DIPLOMA(日本酒)を取得し、2019年にはフランスの買付を経験。現在はそごう横浜店店長として勤務。