ワイン初心者も、ワイン通も。夏には癒しのドイツワイン

いよいよ夏本番!

夏といえば、手頃で美味しくゴクゴク飲めるスペインのスパークリングワイン「カバ」や、ポルトガルの微発泡白ワイン「ヴィーニョ・ヴェルデ」を思い浮かべる方も多いかもしれませんね。

ヴィノスやまざきでは、毎年「夏ワイン」として、オーストラリアの新酒「リッチランド・ヌーヴォー」と、イタリアの微発泡ワイン「タッキーノ・フリッツァンテ」をご案内しています。
もうお召し上がりいただけましたでしょうか?

これらのワインも、もちろんオススメなのですが…
普段は辛口赤ワイン派の私が、この季節に無償に飲みたくなってしまうのが、フルーティーですっきりとした味わいのドイツワインです。

中でもおすすめは、今店頭に入荷している「ウィリ・ハッグ・リースリングQbA」。

ドイツを代表するぶどう品種リースリングから造るこの白ワインは、シトラスや青りんごのようなフレッシュ感のある香り。
そして、熟したピーチのようなほんのり甘みのある味わいと、心地よい酸が暑い季節にたまりません。

実は、ヴィノスやまざきのワインの取り組みで一番古いのは、ドイツワインなのです。

1970年代、先代の山崎巽が「ワインってこんなに美味しいんだ」と取り組み始めたのが、ドイツワインでした。

当時はドイツ産の甘口ワインが流行しており、当店でもモーゼル地方やラインヘッセン地方の甘口ワインを販売していました。当初は国内のインポーターから仕入れていましたが、年々価格が上がってしまい、味わいもドライなものばかりになっていきました。

転機となったのは、まだ日本でワインスクールというものがなかったこの頃、酒屋さんの質を上げようと、日本のワイン醸造の第一人者であった故・岩野貞雄先生が開催したワインスクール。
その教材ワインは、岩野先生自らが海外から選び抜いたワイン達でした。

このワインスクールで学んでいた先代は、「ウィリ・ハッグ」という、ドイツの小さな蔵元のワインに出会います。

彼らのワインは、甘いだけでなく、しっかりと酸味もあってバランスの良い味わい。
「これだ…!」と直感し、ドイツワインの直輸入を決意するきっかけとなったのです。

ウィリ・ハッグがあるモーゼル地方は、ドイツ最古のぶどう栽培地域といわれています。

ドイツの特級ワインの中でも特に人気の高い、ピースポート村の「ゴルドトロプフェン(=「黄金の雫」の意味)」や、ブラウネンベルグ村の「ユッファー(=「乙女」の意味)」といった、最上級クラスのぶどうができる単一畑を擁する銘醸地です。

ウィリ・ハッグは、500年以上に渡ってこの地域でぶどう栽培を行う名家「ハッグ家」の分家にあたる名門。
ドイツワインの大御所として知られる有名生産者「フリッツ・ハッグ」から畑を譲り受け、現在は、当主であり醸造家を務めるマルクス・ハッグさんが、洗練されたワインを造り出しています。

彼らの畑はブラウネンブルグ村のモーゼル川に面した南向きの急斜面に位置しており、すぐ横には名だたる名蔵元の畑が立ち並びます。
これだけの急斜面のため、ぶどうの収穫は、もちろん全て手作業で行われます。

実は、当店とは35年以上のお付き合いがあるウィリ・ハッグ

近年では、ドイツワインも辛口が主流になってきましたが、それでも彼らの甘口白ワインは、ワインを初めて飲む方からワイン通の方まで、変わらず愛され続けるロングセラーです。

この機会にぜひ一度、手に取ってみてください。

ドイツワイン上級ケナー 保坂