圧倒的な人気を誇る「蔵直ボルドーワイン」

ワイン好きな方ならば、言わずしれた銘醸ワインが生まれる産地「ボルドー」。
そのボルドーのフロンサック地区で生まれる蔵直ボルドーワインの中でも、長らくお客様に愛されているワインと言えば「シャトー・ムーラン・オー・ラ・ロック」は外せません。

ボルドーらしい深い赤色に、熟成を感じさせるレンガ色を帯びているのが見て取れます。
完熟したプラムやブラックベリーのような果実の香りと、バラやドライフラワーのような花の香り。口に含むと果実味と共に驚くほど滑らかなタンニン(渋味)、カカオやスパイスのニュアンスも・・・。
その圧倒的にバランスの良い飲み口と、ぶどうの品質の高さが伝わるような滑らかさに魅せられ、多くのボルドーワインファンがリピーターになっているのではないでしょうか。

造り手の「シャトー・ムーラン・オー・ラ・ロック」は、ヴィノスやまざきとは25年以上のお付き合いになる、人気の蔵元です。
フランス、ボルドーという土地は、数十万円するような高級ワインもあるほど、その品質の高さと知名度は世界中のワイン産地の中でも群を抜いています。
それらのワインは一般的に、シャトー(蔵元)が造ったワインを“ネゴシアン”というワイン商社が買い取り、そこで飲み頃になるまで待ちます。
中には瓶詰もネゴシアンが行うことも。

ボルドーで買付を始めた当初、買付隊は大きな悩みに直面していました。
蔵元を訪問し、出来たばかりのワインを試飲させていただき、「美味しい!」と思ってネゴシアンに価格を問い合わせると、飲み頃になったワインは驚くような高価格を提示されるのです。

「やっぱりボルドーで品質の高いワインは高級品になってしまうのだろうか…。」

それほど、この地ではネゴシアンが一般的であり、ここを通さず流通・販売させるような蔵元はほとんどありませんでした。

そんな中、フロンサックという場所で、一風変わった「ワインクレージー」と呼ばれる生産者がいることを耳にします。
なんでも、ネゴシアンをあまり通さずなかなかワインを譲ってもらえないが、とてもこだわったワイン造りをしている蔵元だというのです。
買付隊はすぐにフロンサックに渡り、そこで出会ったのがエルヴェさんです。

ボルドーの中でも“右岸”と呼ばれる、メルロー品種を使用する比率が高い地域にある「シャトー・ムーラン・オー・ラ・ロック」は代々、家族経営のワイン造りを行っています。
エルヴェさんは自身の造るワインの一部を、自分たちが持つセラーに保管し、熟成させていました。

そのワインの品質はとても高く、様々なワイン専門誌やコンテストでは時価数十万円のワインにも負けない高得点を獲得しているにもかかわらず、決してネゴシアンを通して販売しようとはしません。

「ネゴシアンを通して販売したら、最後にどんなお客様に飲んでもらえるのかが全くわからない。私たちは本当に私たちのワインを理解してくれて、楽しんでいただけるお客様のために、そしてその笑顔を想像してワインを造ってるんだ」

その言葉には、職人ならではのぶどうやワインに対する愛情だけでなく、ムーラン・オー・ラ・ロックのワインを愛する飲み手までの想いに溢れていました。

その想いは海を渡り、確実に日本でもムーラン・オー・ラ・ロックのファンを増やしています。

昨日開催された静岡朝日テレビカルチャーのワインセミナー。 長くご参加いただいたヴィノス歴何十年というお客様にもやはり、ムーラン・オー・ラ・ロックは圧倒的な人気がありました。

ブラインドでお楽しみいただいたのは、エルヴェさんが「日本のお客様の為に」といって譲ってくれた約10年の時を経た2011年ヴィンテージ。

ワインセミナーに参加されたお客様からは、様々の嬉しいコメントを頂戴いたしました!

多くのファンを魅了するエルヴェさんの想いが詰まった1本を、ぜひお召し上がりください。

新静岡セノバ店 石井