ヴィノスダイアリー

熟成という名のタイムマシーン

現実にはタイムマシーンは、まだ?開発されていませんが、

ワインはタイムトラベルも可能です。そう、熟成という方法を使って。

 

ワインの特徴と言えば、熟成によって味が変化していくということ。

もちろん、ウイスキーやブランデー、その他のお酒でも熟成して

いきますが、ワインはその造られた年の特徴を残しながら変化していきます。

(もちろん、早飲みタイプでのワインでも美味しいものはたくさんあります)

 

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今日、ご紹介するワインが生まれる場所は、1152年から記録が残っているそうです。

元々は小さな修道院。今でもその名残の建物が敷地内に残っていますが、

それだけ古くからワインが造られており、最初に開墾した人々によって、

ワイン向きのぶどうが取れる土地として評価されていたのではないかと推測できます。

「サンジャン・ド・ベビアン 赤 2009」


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場所はラングドック。広いラングドック地方の中でも内陸に位置し、山から吹き降ろす

風によって空気は乾燥して、健康なぶどうが育ちます。乾燥しすぎると海からの風の

湿りにより適度な水分がぶどうに与えられるという理想的な畑からワインは造られます。

さらに、土壌が大まかに3つの種類に分かれており、土壌別にぶどうの品種を選び、

果実味、酸味、ボリューム感、どれもバランスよく得ることができます。

 

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そして、女性醸造家のカレンさんに手によって、力強い味わいに上品さが加わりました。

彼女はオーストラリア生まれ。世界各国でワインを造り、ここラングドックにたどり着きました。

彼女にとってもこの畑は理想的な場所であり、訪れるたびにどんどんアクティブに

なっていきます。そしてワインの味わいもどんどん味わい深いものになっていきます。

 

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そして、熟成が進むと、今までパワフルだった果実味と渋み中心の味わいから

なんとも言えないスミレのような香りが広がり、飲んでみるとやさしい口当たりに

美しく調和した味わいの液体が通り過ぎたかと思うと、口の中に残る

儚ささえ感じる余韻が続きます。

 

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しみじみと味わっていると「このワインが造られた年は・・・」と昔を振り返る

心の余裕も出来てくるほど。ちょっとしたタイムトラベル。

ワインと一緒に良い年の取り方をしていきたい、今日この頃です。(笑)


寺田